「行間を読む」とは?「行間を読む力の鍛え方」「行間の作り方」は?

2023年2月8日

 説明文と小説の一番の違いは、「行間を読む」余白があるかどうかです。説明文には余白がなく、小説には余白があります。読者は小説の余白=行間を読むことで、無限の想像を広げることができるのです。

 本エントリーでは、「行間を読む」「行間を読む力の鍛え方」「行間の作り方」について紹介します。

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行間とは?

 そもそも行間の定義から確認しましょう。
 行間とは、文章や文字の行の間にあるスペースのことです。Webデザインや印刷デザインにおいて、行間は文章の読みやすさや見た目のバランスを調整するために使用されます。行間は、文字サイズやフォント、文字間隔などとともに、文章のレイアウトを決定する重要な要素の一つです。
 まさに、文章の余白のことですね。

行間を読むとは?

 「行間を読む」という言葉は、文章中の隠された意味や情報を理解することを指します。これは、文章中に明確に書かれていないが、読者が読み取れる情報を指します。これは、文章の中で使用される言葉や文章の構造、文章の読み手が持つ背景や知識などによって生じます。

 例えば、著者が書いた文章には明確な意味がありますが、それに加えて、著者が意図していなかった意味も含まれていることがあります。これらの隠された意味や情報を読み取ることを「行間を読む」と言います。

 「行間を読む」の具体例として、小説や政治的な文章を紹介します。

 例えば、小説において、主人公が抱える問題や葛藤が文章の中で明確に書かれていない場合があります。しかし、読者は文章の中で使用される言葉や文章の構造、文章の中での主人公の行動や言動から、主人公が抱える問題や葛藤を推測することができます。これを「行間を読む」と言います。

 また、政治的な文章において、政治家が公式な立場を述べている場合でも、文章の中には政治家が実際に思っていることや、公式の立場からは示されない政策などが隠れていることがあります。読者は文章の中で使用される言葉や文章の構造、文章の中での言葉の使い方から、政治家が実際に思っていることや、公式の立場からは示されない政策を推測することができます。これも「行間を読む」と言います。

「行間を読む」の具体例

 小説の例として、F. Scott Fitzgeraldの『グレット・ガーデン』において、主人公のジョイスは、妻のデイジーとの関係において葛藤しています。しかし、ジョイスはそれらを直接的には言葉にしていません。しかし、読者はジョイスが家に帰るのをためらう様子や、デイジーの話に同じ相づちしか返さない描写により、デイジーに対して感じている疑念や不安を推測することができます。これを「行間を読む」と言います。

 政治的な文章の例として、某国の政治家が発表した演説において、彼は国民経済の改善に関して公式な立場を述べていました。しかし、演説の中には「今後は外国人から観光客や、外国人による経済の活性化をしていく必要がある」とも述べており、読者は、政治家が使用した言葉から観光事業や、外国人移民を受け入れる政策を実現したいのではないか?と推測することができます。これも「行間を読む」と言います。

 行間を読む力の鍛え方

 「行間を読む」力を鍛えるためには、様々な方法があります。以下にいくつか例をあげます。

1. 多読: 多くの文章を読むことで、文章の構造や言葉の使い方、文章の中での人物の行動や言動などを理解することができ、「行間を読む」力を鍛えることができます。

2. 文章分析: 文章を詳細に分析することで、文章の構造や言葉の使い方、文章の中での人物の行動や言動などを理解することができ、「行間を読む」力を鍛えることができます。文章を詳細に分析した本として、「よくわかる文章表現の技術」シリーズがあります。こちら日本語の理解が深まりますのでオススメです。

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3.  ディスカッション: 文章を読んだ後に、その文章について他の人とディスカッションをすることで、他の人との見方の違いや、文章の中で隠れている部分を見つけることができ、「行間を読む」力を鍛えることができます。読書好きのコミュニティに所属するのも一つの方法ですね。

4. 自分自身の文章を書くこと: 自分自身が文章を書くことで、文章の構造や言葉の使い方、文章の中での人物の行動や言動などを理解することができ、「行間を読む」力を鍛えることができます。

 これらの方法を組み合わせることで、「行間を読む」力を鍛えることができます。

「筆者の気持ちを読む」ことはできるのか

 筆者の気持ちを読むことは、非常に難しいことですが、文章を読んだ上で、筆者が描写した人物や状況、使用されている言葉や構文などを分析することで、筆者がどのような気持ちを持って書いたのかを推測することができます。

 また、文章の中で筆者が明示的に言及している感情や考え、文章の構成や文章の感じからも筆者の気持ちを推測することができます。

 ただ、筆者の気持ちを100%正確に決定することはできません。筆者の気持ちは、文章から推測することもできますが、筆者自身が明示的に述べていない場合もあります。

 また、完全にテーマを決めて物語を書き始める場合は、「筆者の気持ちがあります」が、長期連載などになると筆者が物語を書いていく中で、気持ちや考えが変わることがあります。物語の登場人物や状況、筆者自身の考えや感情などが変化していくことで、物語の伝えたいことも変わるでしょう。

 行間を読んだつもりで読み取れた内容は、結局のところ、読者が「作者はこういうことが言いたいはず」と解釈した内容と言い換えることができるかもしれません。それは他者のことを理解しようとする行為ですが、あくまで読者の頭の中で作り出されたものです。けれど、読者が作家を理解しようとすることで、読者の頭の中に自分とは別の人間の視点がわずかでも生まれるとしたら、視野を広げてくれるきっかけになります。読書が推奨されるのは、そういう意味もあるのですね。

行間の作り方

 「行間」を作るためには、文章を書く際に、以下のようなことを意識することが重要です。

  1. 描写を工夫する: 人物や状況、場所などを描写する際に、それらが持つ意味やイメージを意図的に使って、文章に深みを与えることができます。
    ■参考:3種類の描写とは?説明との違いについても説明
    ■参考:描写の秘訣は「天・地・人・動・植」|小説に欠かせない描写の技
    ■参考:「場面転換」の描写は丁寧かつ、明確に!プロアマの小さな分水嶺
    ■参考:「描写」で読者に想像させる!効く「心理描写」の描き方
    ■参考:風景描写は五感を活用!小説の風景描写をわかりやすくする3つの方法
     
  2. 言葉選びを工夫する: 語彙や構文を選ぶ際に、文章に深みや感情を与えることができる言葉を使うことが重要です。
    ■参考:語彙力を鍛える方法 | 小説家の必須スキル
     
  3. 文章の構成を工夫する: 文章を構成する際に、文章全体を通して、筆者の意図や思想を表現することができるように、文章を組み立てることが重要です。
    ■参考:「テーマからつくる物語創作再入門」キャラクターとプロットとテーマの三位一体の循環を意識しよう
    ■参考:小説は「テーマ」が命!「テーマ」がなぜ必要か、その決め方まで解説
     
  4. シンボルや隠喩を使う: シンボルや隠喩を使うことで、文章に深みを与えることができます。
    ■参考:比喩は安易に使うのは危険?!比喩の種類、注意点、作り方を解説
     
  5. 多角度から描写する: 人物や状況を描写する際に、多角度から描写することで、文章に深みを与えることができます。つまり、物語の中で登場する人物や状況を、複数の視点や立場から描写することを意味します。例えば、主人公が抱える問題や感情を、主人公だけでなく、周りの人々がどう感じるかといった視点から描写することで、主人公の感情や問題がよりリアルに感じられるようになります。また、物語の中で登場する人物や状況を、異なる視点から描写することで、読者に自分自身で考える余地を残すことができます。
     

 「行間を読む」ことについて興味深いツイートを見つけたのでシェアしておきます。行間とは、理解しようとしているもの単体を描写するだけでは読めず、理解しようとしているものを取り巻く構図を理解することで、理解できます。小説においても、登場人物単体ではなく、取り巻く構図を描くことを心がけると良いでしょうね。

 これらを意識して、文章を書くことで、「行間」を作り出すことができます。是非参考にしてみてください。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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