「日本の魔法体系」と「西洋の魔法体系」の違い!ファンタジー作品に読者が求めていることは?
「日本の魔法体系」は、ファンタジー世界において重要なファクターの1つと言えます。なぜなら、魔法体系を物語に組み込むことで、作品に深みが生まれるからです。
そこで本記事では、「日本の魔法体系」についての紹介、そして「西洋の魔法体系」についても合わせて解説し、違いを明らかにします。最後には「ファンタジー作品に読者が求めていることは何か?」についても考察していますので、ぜひ最後までご覧ください!
日本の魔法体系とは?
「日本の魔法体系」でよく創作に取り入れられているのは、「陰陽道」と「密教」です。中でも「陰陽道」は、陰陽師の安倍晴明の影響もあり、特に人気が高いと言えるでしょう。
そんな「陰陽道」の始まりは7世紀ごろ。8世紀には陰陽寮(おんようりょう)という役所まででき、10世紀に登場した「賀茂忠行」や「阿部晴明」によって、陰陽道は大成したと言われています。その後は、賀茂家が「暦」、安倍家が「天文」を司るようになりました。
ただし陰陽道は、朝廷の衰退と共に廃れていきます。それでも戦乱が収まり江戸時代になると、安倍家(この頃の安倍家は「土御門姓」に改名している)は徳川家より、「陰陽師を統括する役割」を任せられるのです。
広大な土地を与えられた「土御門家」は、天文観測や暦の管理などの業務に励み、陰陽道と神道を合わせた「土御門神道」という神道理論を生み出します。
西洋の魔法体系について
「西洋の魔法体系」でよく用いられている手法は、「魔法を属性で分類すること」です。
例えば、「光・闇」に属する魔法、「火・水・木・金・土」の五大元素で分けられた魔法、そして、そのどれにも属さない「無属性魔法」などがあります。そうした諸要素を、「攻撃」「補助」「回復」などの形式にあてはめ、顕在化させるのです。
こうした西洋の魔法体系を簡単にまとめると以下の表のようになります。世界観設定の参考資料にお使いください。
魔法名 | 物語での役割 |
神聖魔法(光) | 世界の秩序を守る |
暗黒魔法(闇) | 世界に混乱を招く |
五大元素魔法(火・水・木・金・土) | 中立 |
無属性魔法(その他) | 中立 |
ファンタジー世界における魔法体系の重要性
ファンタジー世界において「王国」「ドラゴン」「魔法」などと言った要素は世界観を演出する上でとても大切です。日本では、上述したような「安倍家」や「陰陽道」などがこれにあたります。
こうした夢想に溢れるファンタジー作品は、子供から大人まで大人気です。ただし、現在はその状況に変化が起こりつつあります。
それは読者の求めていることの変化です。つまり、以前は「ストーリーや登場人物の表現の仕方」にファンタジーの魅力を感じていた読者が、最近では「魔法のシステムがきちんと作られているかどうか」で、作品の良し悪しを判断しているのです。まるで物理学のような説明を、現代の読者はファンタジー小説に求めています。
下記にこんな言葉を残した人物がいます。
「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」(アーサー・C・クラーク)
「十分に分析された魔法は、科学と見分けがつかない」(業界関係者)
確かにこの言葉には納得できる部分があります。なぜなら、数百年前の日本人が現代の科学を見れば、「魔法(魔術)」のように感じるだろうことは容易に想像できるからです。
また、現代のメディア配信の流行からも、時代の変化を感じ取ることが出来ます。例えば、「論破王」で有名なひろゆきさんや、「時代の革命児」とも言われるキングコング西野さんです。彼らの本業としている活動は横に置いておくとして、YouTube等の配信を見ていると、「正論で視聴者を納得させる」という場面をよく見かけます。
見ていて爽快ですし、知識の習得にも繋がるため非常に有益です。特に「論破」は、「お笑い業界の一ジャンル」と呼べるほど、そうした情報発信、番組作りが多いように感じます。
以前のお笑い業界では、「コント」や「ものまね」といった、いわゆる「プレイヤー」と呼ばれる芸人に、もっとスポットライトが当たっていたように思います。ですが現在は、豊富な知識や頭の回転を活かした「鋭い切り返し」や、場をコントロールする司会者、つまりオーケストラにおける「指揮者」のような能力を持つ人が、視聴者に求められているように感じます。
つまり「笑い」や「涙」と言った感情を大きくゆすぶる「感動」ではなく、「納得」や「尊敬」と言った、どこか学術的にすら思える「感動」に、視聴者ないし読者の興味が移っていると言えるでしょう。
そうした読者の想いに応えるためにも、「魔法体系」の知識をしっかりと把握し、緻密な構成に基づいた作品づくりをすることが大切です。
まとめ
今回は「日本の魔法体系」について紹介しました。
内容を簡単にまとめると以下の通りです。
- 「日本の魔法体系」で、ファンタジー作品によく取り入れられているのは、「陰陽道」と「密教」
- 「西洋の魔法体系」でよく用いられている手法は、「魔法を属性で分類すること」
- 最近のファンタジー作品の読者は、「ストーリーの面白さや登場人物の描写」よりも、「魔法体系」を重要視している
本記事を通して「日本の魔法体系」について詳しくなり、ファンタジー小説の世界観設定に活かしましょう!
※魔法や呪術については下記の記事でも紹介しています!
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