小説家のための「魔法の歴史」とお役立ち豆知識

2021年1月11日

 本エントリーでは、「ファンタジー世界」を書く上で必須の「魔法」についてお届けします。
 魔法の歴史をご紹介したあとで、お役立ち知識として「ストーリーテラーとして押さえておきたい魔法の概念」を紹介します。

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魔法の起源

 物書きとしての立場から見たときに、多くが「ファンタジーの世界の産物」としてとらえられる「魔法」ですが、「魔法」という考えや概念は遥か彼方の時代、紀元前に遡り、「願い・祈り」と呼ばれるものから発展しました。「獲物に困って飢えることがありませんように」などの日々の暮らしの無事を祈り願うものが「魔法」の起源だったのです。

 歴史を進めて、「願い・祈り」であったものは、「それを得るための力」と変化します。「獲物を得るための行動予想能力」・「崩した体調を取り戻すための薬の知識」・「雨に慌てないための天気の先読み」などに移り変わり、それらの力を備えた人を「特別」と見做すようになります。

 また、自然の驚異に対する畏怖から人々はそれらを「自分たちを超越したもの」として崇めて敬おうとするようになりました。「生け贄」という概念は、「畏怖の対象」への「祈りや呪い」と呼ぶべき形で歴史に刻まれるようになります。これは「紀元前」と呼び表される時代、文明がもたらされる前の歴史です。

 

魔法の発生

 知識の交流が盛んになり、「文明」と謳われる時代が発展します。人々の生活には「神」や「神話」が身近になりました。「人知の及ばない自然の驚異への畏怖」から生まれた「祈り・願い」は、「神」と密接に結びつく形でさらに発展します。「星から天候や脅威を読み取る術」などを身に着ける人々も出てきました。

 「文明」により人々は「文字」を会得していて、知識や技術の交流は文明発達以前の比にならない盛んさを帯び、広がっていきます。「星によって天候を読み取る術」を持つ人々から「星読み(占星術)」と呼ばれる「一つの魔法」が生まれました。

 現代では主に「占い」と称される「呪術」です。

 「占星術」に始まった「魔法」を更に人類が発展させた考え方(魔法)が、古代エジプト王国に出現した「錬金術」という手法と思想でした。
 「古代錬金術」の始まりは、「薬の調合」からくる「薬草術」を起源とします。人々は異なる薬草を組み合わせることで新たな「薬」ができあがるように、異なるものを「調合」させることで「新たな何かが生まれる可能性」を求めました。

 これは現代の「科学」につながる、最初の挑戦です。つまり「魔法」の考え方から「科学」が生まれたと言えるのです。
 そして「魔法」も「科学」から考え方を逆輸入し、「新たな何かが生まれる可能性」を追い求め、進化していきました。現実離れした空想の領域で、あんなことが・こんなことができればいいねと、新たな魔法が考えられていくのです。

 

「ストーリーテラー」として押さえておきたい「魔法」の概念

 さて、「魔法」の歴史を学んだところで、「ストーリーテラー」として押さえておきたい「魔法」の概念にも触れていきましょう。「自然への畏怖」を起源とする「魔法」の世界。物語を生み出す際に使われるものとしては、それらに「属性」と呼ぶ要素を交えていることが多いのではないでしょうか。

 「火」・「水」・「風」・「土」の四つの「自然の力」に加えて、「光」・「闇」などに分類する「魔法のジャンル分け」がスタンダードな「魔法属性」だと考察します。もう少し加えますと、「雷」・「精神」などを定義する「魔法属性」もよく使われるものであると言えるでしょう。

 

自然の概念と、人のつくりだした概念

 「火」・「水」・「風」・「土」は自然からそのまま生まれた「魔法の概念」です。
 ですが「光」・「闇」を定義する際には注意が必要です。

 例えば「光」を朝・太陽の比喩として用い、「闇」を夜・月といった自然の比喩として用いる場合は、「火」・「水」・「風」・「土」と同じで、自然からそのまま生まれた「魔法の概念」となります。

 ですが「光」を神に近いもの・「闇」を魔に近いものと定義する場合は、自然の概念だけでなく、「神という概念」が必要になります。

 つまり、設定する世界に神がいるべきだし、人々は神を善とし魔を悪としなければなりたたない。世界観が魔法観にも影響を及ぼすのですね。

 体系化した「魔法」を描く際には、世界観と魔法観がリンクしているか、を頭に押さえながら作っていきましょう。
 「火」・「水」・「風」・「土」の四つを「光」と「闇」から切り離して作るのか、「光」が扱う「火・水・風・土」と「闇」が扱う「火・水・風・土」とつくるのか、随分と「魔法」の設定が物語上で異なってきます。ぜひオリジナルを生み出すにあたって参考にされてみてください。

 ちなみに私が魔法を定義した際には、「火」・「水」・「風」・「土」・「光」・「闇」・「雷」の7属性を用いました。概念については「ハテの世界!」に載せていますので、見てみてくださいね。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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