呪術の定義や種類、崇拝対象を解説!

 「呪術」は、ファンタジー世界で重要な役割を果たしています。特にシャーマンが登場するファンタジー作品においては、呪術について正しい知識を身に付けていないと、シャーマンの所属する社会構成が単純化されてしまい、面白みに欠けてしまいます。

 そこで本記事では、「呪術」の定義や種類はもちろん、呪術の世界における「崇拝対象」についても詳しく解説します。本記事を読み、ぜひファンタジー小説の創作に活かしましょう!

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呪術とは?

 「呪術」とは、古代のシャーマン(まじない師)が、神や精霊など、超自然的・神秘的な力に働きかけ(お祈りなど)、その願望を叶えようとする行為(魔法)の総称です。あるいは、それに関係する信仰体系を指すこともあります。

 人類最古の魔法とも言われる「呪術(magic)」という言葉は、古代ペルシア語の祭司や呪術師を意味する「magus(マグス)」が由来です。

 では具体的に、呪術とはどのように行われているのでしょうか?J・G・フレイザーという学者によると、「類感呪術」と「感染呪術」という2種類の理論に基づいて、呪術は行われているそうです。

 しかし、この理論は後に批判され、誤りを指摘されています。つまり「欠陥のある理論」です。ただし理論の仕組み自体は分かりやすく、使い勝手も良いため、創作作品に限って、現在でも使用されています。

呪術の種類

 それでは、「類感呪術」と「感染呪術」について順に解説します。

類感呪術

 「類感呪術」とは、「類似したもの同士は互いに影響し合う」という理論に基づいた呪術です。例えば、雨乞いのときに、水を周囲にふりまく方法は、この理論に基づいて行われています。水をまいて地面を濡らすことで、「雨が降ったときの地面と似た状態」を作り、雨を引き寄せようと祈願しているのです。

 他にも、シャーマンが「狩りの獲物となる獣の毛皮」を身に纏い、村の周辺を跳ね回るという儀式があります。これは、狩りで捕まえたい獲物とよく似たもの(この場合は毛皮)を身に付けることで、目的の獣がより多く現れるようにと、願っているのです。

 また、戦いのときに、強い獣(例えばライオン)に似せた化粧をしたり、毛皮を身に纏ったりするのは、熊や獅子の武勇を借り、自分も強くなりたいと願っています。

 これは私たちでも比較的実感しやすいですよね。例えばスポーツに励む学生が、憧れのプロ選手の格好やスタイルを真似して、「強くなった!」と感じるのと同じ理屈です。

感染呪術

 「感染呪術」とは、「接触したものは、離れても影響力が残り、互いに作用し合う」という理論です。例えば、戦時中の日本でも似たような習慣があります。戦地に赴く夫に、妻が自分の髪の毛をお守りとして持たせるのです。これも、自分の身代わりに髪の毛を持たせることで、「夫を戦いから守る」という、作用を期待していることになります。

 他にも日本には、下顎の乳歯は屋根の上に、上顎の乳歯は床下に投げ込むという風習があります。これは、「乳歯を投げる方向」と「永久歯が生えてくる方向」を合わせることで、「永久歯が健康的に生えてくるように」とお願いをしていることになります。

 もちろん、これらを両方使う呪術もあります。例えば日本の丑の刻参りです。これは、憎しみを抱く相手の体の一部(髪など)を入れた藁人形を、神社の樹木に釘で打ち付けることで、対象の相手に不幸を招こうとしています。

 つまり、「相手の体の一部を使う」ことは「感染呪術」であり、「藁人形を使う」のは、「類感呪術」を使っていることになります。

呪術の世界での崇拝対象

 つづいて、呪術の世界における崇拝対象について見ていきましょう。

 主な崇拝対象は以下の4つです。

物神崇拝(フェティシズム)

 「物神崇拝」では、「物の力を崇拝」します。例えば剣で人を斬りふせるのは、「剣に宿る魔力によるもの」だと考えるのです。

 それは単なる物だけでなく、動物の体の一部にも及びます。例えば獲物の頭蓋骨があれば、それが新たな獲物を呼び寄せる、というように考えるのです。

精霊崇拝(アニミズム)

 「精霊崇拝」では、「あらゆるものに霊が宿る」と信じます。そのため、例えば同じ存在でも、より強い霊を宿らせれば、その分霊を宿らせた対象は強くなる、という理屈になります。

族霊崇拝(トーテミズム)

「 族霊崇拝」とは、「一族と何らかの事物(例えば別の一族)が、ある共通の事柄(事象)に関して、特定の関係を結んでいる」ことを指します。例えば、古代中国では、動物の銅像などを使い、神権政治を行っていました。これも、トーテミズムの一つです。

祖霊崇拝(シャーマニズム)

 「祖霊崇拝」は、「すでに死んでいる祖先が、生きている者の生活に影響を与える」というものです。つまり、死後も先祖が、生き残った人々を援助してくれる、という考え方になります。

まとめ

 今回は呪術について紹介しました。

 内容を簡単にまとめると以下の通りです。

  • 「呪術」とは、古代のシャーマンが祈りによって起こす魔法の総称を言う
  • 「呪術の種類」には、「類感呪術」と「感染呪術」がある
  • 「呪術の世界での崇拝対象」は、大きく4種類に分類することができる

 本記事を通して「呪術」について詳しくなり、ファンタジー小説の世界観設定に活かしましょう!

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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