陰陽説と五行説について詳しく解説!ファンタジー小説の設定に使おう!
「陰陽説」と「五行説」は、ファンタジー世界において重要な役割を果たしています。特に東洋のファンタジー感を強めたいときには、「陰陽説」と「五行説」は優れた効果を発揮するでしょう。
そこで本記事では、「陰陽説」と「五行説」について、詳しく解説します。両者を組み合わせた「陰陽五行説」についても説明しておりますので、ぜひ最後までご覧ください!
陰陽説とは?
「陰陽説」は、あらゆるものが「陰」と「陽」の二気が調和することで成立しているという考え方です。陰は「闇・水・地・植物・女性・冬・静・冷・月」などを指し、陽は「光・火・天・動物・男性・夏・動・熱・太陽」などを象徴します。
注意しなければいけないのが、「陰は悪ではない」ということです。この世界は、陰と陽が互いに消調し、調和することではじめて安定するのであって、「陰=悪」とし、陰を滅ぼしてしまうと、同時に陽も滅びます。
また、道教に由来する「陰陽思想」は、東洋独自の考え方です。そのため、東洋風のファンタジー作品と特に相性が良いと言えるでしょう。
五行説とは
「五行説」は、下の表のように、この世のあらゆるものが「火・水・木・金・土」の五要素で生成されている、とする思想です。
下記の表をチェックしながら、「相生」や「相剋」に関する解説を見ていきましょう。
五行 | 色 | 方角 | 季節 | 相生 | 相剋 | 惑星 |
火 | 赤 | 南 | 夏 | 火生土 | 火剋金 | 太白(火星) |
水 | 黒 | 北 | 冬 | 水生木 | 水剋火 | 辰星(水星) |
木 | 青(緑) | 東 | 春 | 木生火 | 木剋土 | 歳星(木星) |
金 | 白 | 西 | 秋 | 金生水 | 金剋木 | 螢惑(金星) |
土 | 黄 | 中央 | 土用 | 土生金 | 土剋水 | 填星(土星) |
相生
「相生(そうじょう)」とは、元は一つの要素から、異なる要素が生み出されること、つまり「相互助長」「相互産生」を指します。
例えば「火生土」とは、「火が燃えた後には灰(土)が残る」ことを言い、「水生木」とは「水によって植物が生長する」こと。「木生火」とは、「木が燃えて火を生じる」ことを表しています。
そして「金生水」とは、「鉱物(金属)は腐食して水に帰り、また溶融すれば液体(水)になる」ことを指し、「土生金」とは「土が集まって山となり、山から鉱物(金属)を産出する」ことを表しているのです。
相剋
「相剋(そうこく)」とは、「ある要素が、別の要素を滅ぼす力があること」を言います。
例えば「火剋金」とは、「火の中に金属を入れると溶融する」ことを指し、「水剋火」とは「水をかければ火を消せる」こと。「木剋土」とは「地面がどんなに固くても、木は根を張って生長していく」ことを指します。
そして「金剋木」とは、「金属の斧や刃物は、大木をも切り倒せる」ことを言い、「土剋水」とは、「土は流水をせき止め、あるいは大地に吸い込んでしまう」ことを指しているのです。
こうした考えを利用することで、「火の属性を持つ存在」は「水の魔法」に弱いとか、「火の属性を得ること」で、「土の属性も強化される」など、分かりやすく魅力的な関係性を、ファンタジー世界に構築することができます。
ちなみに方角に関しては、日本人は四元よりも、五行のイメージに強い影響を受けています。そのため、四元論と言いつつも、五行説風に解釈している人が多いため、注意が必要です。
五行説は、中国で発達した思想なので、中国の明代に成立した神怪小説である「封神演義」のような「中国ファンタジー」や、夢枕獏の伝奇小説で、安部晴明の活躍を描いた「陰陽師」のような「日本ファンタジー」に合います。架空世界ファンタジーでも、東洋風要素を取り入れたいときに利用すると、より効果的です。
陰陽五行説とは?
「陰陽五行説」とは、古代中国の世界観の一つで、先述した「陰陽説」と「五行説」を組み合わせたものです。つまり、「陰・陽」と「火・水・木・金・土」が合わさることで、「2×5=10通りの要素」になります。また、「陰・陽」を「月曜日・日曜日」として、五行の「火・水・木・金・土」と組み合わせることで、「一週間」を表すこともできます。
暦にある十干(じっかん)は、「甲(きのえ)」「乙(きのと)」「丙(ひのえ)」「丁(ひのと)」「戊(つちのえ)」「己(つちのと)」「庚(かのえ)」「辛(かのと)」「壬(みずのえ)」「癸(みずのと)」と言い、五行それぞれに、「陽・陰」すなわち「兄弟(えと)」を組み合わせたものです。これと十二支を組み合わせると、「60年周期」になります。だからこそ、「還暦は60歳」なのです。
まとめ
今回は「陰陽説」と「五行説」について紹介しました。
内容を簡単にまとめると以下の通りです。
- 「陰陽説」は、あらゆるものが「陰」と「陽」からなるという考え
- 「五行説」は、あらゆるものが「火・水・木・金・土」の五要素からなるという考え
- 「陰陽五行説」は、「陰陽説」と「五行説」を組み合わせたもの
本記事を通して「陰陽説」と「五行説」について詳しく知り、ファンタジー小説の世界観設定に活かしましょう!
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