「旧約聖書」【モーセの十戒】から学ぶ物語づくりのポイント

2021年6月5日

 1956年公開の「十戒」を見ました。なんと3時間40分の大作です。大ベストセラー「旧約聖書」の「出エジプト記」を映画化した作品となります。

 1956年の作品ということで、古臭いんだろうなと先入観をもっていましたが、裏切られました。当時の技術でここまでできるのか?という大スペクタクルです。

 本エントリーでは、十戒のストーリー概要をご紹介してから、現代にも通用する物語づくりのポイントと、現代には通用しない(であろう)物語づくりのポイントをご紹介します。
 ストーリー概要を見たら、意外と現代でも通用するぞと思う展開がいくつもあり、参考になる記事になりましたよ。では、さっそくストーリー概要に入ります。

 

 

映画「十戒」ストーリー概要

 十戒のストーリーを箇条書きでまとめますね。

・エジプトの奴隷たちの間で、今年生まれた子供が救世主になるという伝説が流行る。
・エジプトのファラオは子供を皆殺しにするよう命じる。
・奴隷の女性が赤ん坊を川に流す。
・夫を失って悲しみに暮れるファラオの王妃が、流された赤ん坊を救い出しモーセと名付ける。
・王子モーセはファラオ(王)を助ける軍神になる。
・王子モーセの活躍をよく思わない兄がモーセを中傷する。
・モーセは戦で活躍し、敵国の王子と王女を客人として認めるようファラオに進言する。
・モーセは敵国の王子王女からも称賛され、国宝の宝石を送られる。
・モーセは奴隷に休日を与えて、救世主扱いとなる。
・モーセはファラオの娘を愛する。しかしファラオの王女は次期ファラオと婚姻する運命にあった。次のファラオは、モーセの兄である。
・モーセの兄は、王妃は毒のあるクジャク。聖なる供え物としてもらってやると言い切る。
・モーセは圧倒的に数の多い奴隷を手懐け、兄が実現できなかった都市建設をやりとげる。
・ファラオは、モーセを次の王にするという。
・王女の召使いは、モーセが奴隷の子であると王女に伝える。
・王女は、モーセが奴隷であることがばれないようにするため、召使いを殺す。
・モーセは召使いを殺した王女を批判し、理由を問い、真実を知る。
・王女はモーセの産みの母に姿を消すよう命じ、産みの母はモーセを愛しているがゆえに姿を消すことを決めるが、モーセがそこにたどり着き、自分の母親が誰であるかを知る。
・かつてモーセが助けた女性(スフィンクス建設中に石に挟まれて死にかけた女性)が、実は母親だった。
・王の子から奴隷の子にかわってもはずかしくないのかと問われ、恥ずかしくないと言い切るモーセ。
・わざわざ奴隷の子になって苦労したいのか?王として全ての人に恩恵を与えればいいじゃないか?と王女は問い、モーセはそうではないと回答する。
・モーセは奴隷とともに生活を始めた。
・奴隷の現場では、ファラオの総督が奴隷の老人を容赦なく殺した。
・ファラオの女王は、奴隷とともに過ごすモーセを臭い汚いと蔑む。
・ファラオの総督(奴隷の仕事を監督する立場の人間)は、愛し合う奴隷の男女から、権力を使って女を奪う。
・モーセはファラオの総督を殺し、捕らえられる。
・ファラオの大王の前で、モーセは自ら奴隷の子であることを告白する。
・モーセは、人種と宗教を異にするだけで信仰を禁じられるのは王に背くことを宣言する。
・ファラオの大王は最後までモーセを愛していた。モーセが王になるならば、奴隷の解放でも許すつもりだった。しかしモーセはそれを拒否した。
・ファラオの大王は、王族からモーセの名を消す。
・モーセの兄は、モーセを殺さずに苦しませるため、僅かな食料と水を与え砂漠に向かわせる。
・モーセはオアシスまでたどり着く。羊飼いの女性を妻にする。
・神と出会い、エジプトに戻り、ファラオとなった兄に進言する。兄はモーセの愛した女を娶っていた。
・女王はモーセが羊飼いと結婚したことを知り、汚く肌もガサガサの女性と結婚したのね、もっと綺麗な女を手に入れられたのにと嘲笑する。
・モーセは奇跡によりファラオに恐怖を与え、嘲笑を悲鳴にかえる(池を血の池にする、死の霧を街に立ち込めさせる)。
・モーセは自由を得て、奴隷とともにエジプトを出る。
・ファラオは、エジプトを出たモーセと奴隷を殺すために進軍する。
・モーセは海を割り、炎の嵐を起こし、奴隷とともに逃げ切る。
・モーセは神の言葉を聞くために山に登るが、何日も降りてこない。欲望の赴くままに謳い踊り交わり合う奴隷たち。
・モーセは神から十戒を賜る。
・欲望を制御できなかった奴隷は神に皆殺しにされる。
・約束の地カナンを目指して旅をするモーセたち。たどり着く直前でモーセは倒れ、ヨシュアに次のリーダーを託す。

 

 ざっくり書くと、このようなストーリーでした。

 

 

現代にも通用する物語づくりのポイント

・優秀な人が、本当は下級階級の子供である。
→アイドルだけど病弱だとか、超優秀だけどブラック企業に勤めているとか。
 光の部分と影の部分の両方があるキャラクターは現代でも通じます。

・下級階級の子供であることがわかったとき、それを恥ずかしいと思わず受け入れる正直さ
→例えば学園のヒーローだった学生がいじめられっ子の親友をもっているとして、親友がいじめられっ子であることを恥ずかしいと思わず、一緒にいじめられることになろうとも親友であり続ける。というキャラクターは、現代でも通じます。
 下級階級の子供であることがわかっても、嘘を付き続けるずる賢さがもてはやされる場合もありますが、そういった主人公は愛されません。やはり主人公は、痛い目を見るとしても、バカ正直の方が愛されると思います。

・下流階級の救世主となり自由を奪還する
→小説家になろうの追放系の作品を思い出しました。例えばSランクパーティから追放されて、癖のあるFランクパーティに所属したとします。
 そこから持ち前の特殊能力で大活躍して、大成功するようなストーリーは十戒に通じますね。
追放小説とは?世界観と設定解説【主流人気ジャンル分析調査シリーズ】

 

現代に通用しない物語づくりのポイント

・人間よりも上位の存在である神に認められたから救世主になれる
→異世界転生時に神様から能力を与えられて無双する……という作品がかつて流行ったが、今の日本では、上位の存在から何かを与えられる展開は好まれないように感じます。
 どちらかというと最近は、何か一点にこだわって特化し社会不適合者と扱われていた人が、その特化した一点で逆転するような物語が好まれると感じます。

・神の決めたルールに従わなければ裁かれる
→最近ですと、神のきめたルールを破壊する物語のほうが好まれると感じます。モーセの十戒を定めるような神だと、敵扱いされるかもしれませんね。正しすぎて。

【参考 モーセの十戒】
 1.主が唯一の神であること
 2.偶像を作ってはならないこと(偶像崇拝の禁止)
 3.神の名をみだりに唱えてはならないこと
 4.安息日を守ること
 5.父母を敬うこと
 6.殺人をしてはいけないこと(汝、殺す勿れ)
 7.姦淫をしてはいけないこと
 8.盗んではいけないこと(汝、盗む勿れ)
 9.隣人について偽証してはいけないこと
 10.隣人の財産をむさぼってはいけないこと

 ※1.とかは、物語の中だと邪神が言いそうですね。

まとめ

 以上、映画「十戒」から学んだ物語づくりのポイントを書いてみました。

 「旧約聖書」は、人々が普遍的に好ましいと感じるからこそ、世界中で伝承されるのでしょう。だとすると、学ぶべき物語づくりのポイントが沢山有ります。そのエッセンスを取り入れることは、現代の物語づくりにも役立ちます。この記事が、物語づくりの役に立てば幸いです。

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