【プロットで悩んだらこう考えろ!】物語上の「展開の優劣を決める」ヒント

こんにちは。
杞優橙佳です。

理系人に役立つ科学哲学という本を読んでいます。

科学とはなにか、検証とはなにか、生き残っていく理論とはなにかといった普段意識しないものを意識させてくれる名著です。

本エントリーでは、この本を読んでいて、物語を書く中でもそういえば意識してなかった気付きがありましたので共有しますね。

例えばキャラクターの設定をどう取捨選択していますか?

理系人に役立つ科学哲学のなかで、「どうすれば理論の優劣を決められるか」という一節があります。

そういえば我々は物語を書くとき、どうやって色んなことを決めているのでしょう。このエントリーでは、例えとしてキャラクター設定の優劣を決めることについて考えてみます。

理系人に役立つ科学哲学によると、
説は大きく3つ紹介されていました。

・研究プログラム説
→どのプログラムを選ぶべきかは、「どちらのプログラムがより真であるか」ではなく、いわば「どちらのプログラムにより発展性があるか」といった観点から比較決定される

・研究伝統説
→科学の進歩は「どれだけ解決された問題があるのか」で測ることができる。さらに、競合する研究伝統があるとき、どちらを選択するべきかは「どちらがより高い問題解決能力をもっているか」で合理的に決めることができる

・社会構成主義
→科学的知識が現在のような形であるのは、決して不可避なものではなく、別の形でもあり得た。科学的知識が現在のような形であるのは、社会的なできごとや力によるものである。例えば超ひも理論はなにか実験的なテストを経て力を持ったわけではなく、一度それが学界で優勢な理論となると、「若い物理学者からすると、この分野に加わらないのは、この世界ではほとんど自殺行為」となってしまい、新たに別の理論を研究するものが減り、超ひも理論が実験的な検証もなしに唯一の量子重力理論の座に座ってしまう可能性がある

これらの理論をキャラクターの設定に置き換えてみると、ポイントは

・研究プログラム説→発展性
・研究伝統説→解決できる課題の数
・社会構成主義→時代の流行、読者の趣向
となります。

キャラクターの家族を父親にするか義父にするか

私はいまピカレスクロマンを書こうと頑張っており、主人公が初っ端で倒すことになる相手を、義父にするか父親にするかで悩んでいました。

ポイントは
・両親に捨てられたことを初っ端で表現したい
・両親にすがらず自立した強いキャラクターにしたい
・このあと両親が話に絡むことはほとんどない
という点です。

結果から言うと、私は研究伝統説に則って父親を選んだのですが、他の説をなぜ取らなかったのかを書いてみます。

・研究プログラム説
発展性に則って考えれば、父親よりは義父のほうがなぜ父親は子どもを義父に預けたのか。義父と父親の関係はどうなっているのか。など発展性がありそうに思います。しかしこの発展性は不要なんです。なぜなら「このあと両親が話に絡むことはほとんどない」からです。義父を殺すとなった場合、義父と父親の関係を新たに書かねばならず、課題がひとつ増えます。私は課題を減らしたかったので研究プログラム説を破棄しました。

・社会構成主義
時代の流行、読者の趣向に則って考えれば、むしろ主人公が父親を殺すという展開がNGな気がします。事故や病気で両親を失うならありでしょうか。今は主人公の非を書きづらい傾向はあると思うんですね。才能はあるけど発揮できなくてパーティから捨てられたり、主人公を好きな幼馴染に照れ隠しで冷たくあたられたりするのが流行りにも思うので。もちろん織田信長における平手政秀のように、主人公の賢さを見抜けないあまり自殺というのもありと思いましたが、それを描くにしても主人公の賢さと、父親がそれを見抜けない描写を行う必要があり、初っ端にそこまで書いたらスピード感が失われるというので社会構成主義を破棄しました。

つまり
・義父と父親、父親と主人公、義父と主人公の関係を書く必要を省く
・スピード感をもって主人公を自立させるため、主人公が悪くないという描写を省く
ことができる点。

課題を減らせる点から相手を父親にしました。

物語を書く上ではいくらでも「展開の優劣を決める」必要がでてくる

物語を書いていく上では、どんなにプロットをねっていても、都度の雰囲気で「展開の優劣を決める」必要が出てきます。

そんな時にはぜひ、下記の考え方を活用して、どんな展開がよいかを考えてみてくださいね。

・研究プログラム説→発展性
・研究伝統説→解決できる課題の数
・社会構成主義→時代の流行、読者の趣向

※私個人の趣向として、どうしても課題解決を好む傾向にあるようです。このタイプの人って、自分の思う通りに書いていくと話を長く続けられないと思うんですよね(問題解決能力が高い人ほど)。ですので物語が多少複雑になってごちゃごちゃしてしまったとしても、時には発展性や、時代の流行、読者の趣向を踏まえて展開し、物語の幅を広げていくのが大事だと思います。

参考になりましたら幸いです。
私がヒントを得た、理系人に役立つ科学哲学という本はこちらから。

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