小説を面白くするものとは?哲学者アリストテレス著の『詩学』に学ぶ




 もしかしたらこの題名を見ただけで拒否反応を示している人も多いかもしれません。一体何が始まるのさ?と思ったそこの小説家のあなた、これは小説家を含めた作家には欠かせない話です。

 実在していたといわれている古代ギリシアの哲学者のアリストテレスは、著書『詩学』の中で「面白い物語に不可欠なもの」それが何かを語っています。難しいといわれる哲学書から、面白い!といわれる小説の極意を学びます。

面白くするのは「プロット」である

 アリストテレスは、物語の中で「ミュートス=筋」いわゆる「プロット」がもっとも重要であり、このプロットの出来こそが、小説を面白くするかどうかの分水嶺となるといっています。よって、プロットの逆にあるといってもよい「キャラ立ち」を、完全否定するまではいかないものの相対的に軽視をしているといってもいいでしょう。

※「プロット」について知りたい方はこちら→プロットは小説に欠かせない!プロットの作り方2つを解説します。

※アリストテレスとは逆に、「キャラ立ち」こそが重要という理論を提唱しているのが

 ホラティウスの「詩論」です。

なぜ「プロット」が物語を面白くするのか?

 アリストテレスは、「ミメーシス=模倣」という言葉について語っています。

 芸術はすべて「現実の模倣」、「模倣=まねぶ=学び」、つまり芸術は「現実の学習」だといいます。そしてその「学習」のもつ「不完全性」が芸術の魅力の1つだとも。

 そもそも「学習」は万物の因果関係や事実を見つけ、それがきれいに結びつくとき(=わかった!という「気付き」)に快楽を得るものですよね。

 アリストテレスは、このような「学習」の産み出す「気付き(認知)」や、「不完全性」といった魅力を支えるものこそが、「プロット(筋)」だというのです。

 もっと平易にいうと、人為的に作られた「物語」の中で、さまざまな事実を起し、それをまとめたものが「プロット(一連の流れ)」です。そのプロットに乗せて読者に「気付き」を提供するのが物語という芸術ですから、「プロット」という巧妙な舞台がそもそもなければ、そのような気付きを提供することはできないと考えたわけです。

「キャラ」よりも「プロット」思想は、今は売れない?

 アリストテレスは、「キャラ立ち」を優先させるあまりに、「プロット」が破綻することをひどく嫌っていたようです。

 ここからはあくまで筆者の考えですが、現代において「売れる」という観点からみると、この説は無難しいかなというのが正直なところです。現代は、プロットを作りこむ前にキャラクタ―を作り「キャラが動くままに展開していく」作品の方が多く売れているのかもしれません。

「この小説はプロット作りが巧妙だ」という理由で、小説を買おう!という人は、よほどのプロか、そういう目線で小説を選ぶと決めている人かもしれませんよね。

 そういった意味で、アリストテレスの提唱する「物語を面白くするのはプロット」説は、確かに物語は面白くなるのかもしれませんが、現代では高尚すぎて少々受けが悪いといえるのかもしれません。

まとめ

 突如として始まった哲学の話に驚いた方も多かったかもしれませんね。もう一度復習しましょう。

 アリストテレスは、「物語を面白くするのはプロット(筋)だ」と提唱しました。芸術は「現実の学習」であり、学習によって「気付き」や「不完全性」を得ることが芸術の醍醐味である。そのためには、舞台となる一連の流れ=「プロット」が何より大切であるというものでした。

 ただし、現代において芸術で「売れたい」場合に限っては、この考えが全てとは言い切れないのではないかというのが筆者の意見です。現代は登場キャラが大変重視されている世の中だからです。

 今一度この哲学から学び、自分なりの小説作りのスタイルを見つけてもらえれば幸いです。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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