小説を書こう!投稿前に知っておくべきマナーと心構え【2026年版】
ここまでこのサイトでは、テーマの決め方からタイトル・あらすじ・プロローグの書き方まで、小説を書くための技術を解説してきました。
この記事は、その最終ステップ。「書いた小説を世に出す」ための心構え、マナー、投稿先の選び方をまとめた、投稿直前〜投稿後のガイドです。
基本の心構え:自分の作品を好きになること
小説を書きたいと思い立って、実際に書き上げた時点で、あなたは多くの人より先に進んでいます。
• 「読みたい」と思う人は多い。でも「書きたい」と思う人は少ない
• 「書きたい」と思う人は多い。でも実際に書く人はもっと少ない
• 最後まで書き上げた人は、さらに少ない
だから、自分に自信を持ってください。「私の作品なんか……」と謙遜するのは、作品が可哀想です。「自信作です!」と言い切っていいんですよ。
「世界にばっかり目をむけて、今日も元気に生きられるか。徹底的に、自分のものを好きになる。そういうお目出たさが大事だと思うのだ。」
――あかしゆか
徹底的に「おめでたく」なって、自分の作品を好きになる。その心構えがあれば、投稿への一歩を踏み出せます。
書式マナー9箇条
マナーを掲げて他人を指導するのは好きではありません。体裁より光るアイデアが大事だと考えています。
ですが、「マナー警察」は必ず存在します。
体裁が整っていないだけで「読みにくい」と判断して離脱する読者がいるなら、その読者をもったいなく逃す理由はありません。以下の9点を意識しましょう。
1. 改行後の行頭は1文字、字下げする
2. 「…」(三点リーダー)や「―」(ダッシュ)は2つ、または偶数個セットで使う
3. 句読点や伸ばし棒「ー」などの記号を行頭に置かない
4. 会話文中の疑問符・感嘆符の直後に全角スペースを空ける(○「おお! いいね」)
5. 閉じカッコ直前の句点は省略する(× 「はい。」 → ○ 「はい」)
6. 括弧の中で他者の発言を引用する場合は二重鍵括弧を使う(○「おー『いいね』」)
7. 縦書きでは漢数字、横書きでは算用数字を使う(横:2000年 / 縦:二千年)
8. 二重表現を避ける(×「危険が危ない」「頭痛が痛い」)
9. 文が閉じ括弧で終わる場合は、その後に句点を打つ(○ 明日は「どっちだ」。)
9箇条を守るべき優先度
全てを完璧にする必要はありません。特に投稿サイトでは、1番(字下げ)と2番(三点リーダー)を守っているだけで、読者の印象は大きく変わります。
9番は出版社によって見解が分かれるルールで、投稿サイトでは気にしなくても大丈夫。新人賞に応募する際は、応募要項に従いましょう。
常識は「崩していい」
マナーと常識は違います。マナーは読者への配慮。常識は世間一般で言われているだけの、正解とは限らないもの。
よく言われる「常識」を挙げてみましょう。
• 女主人公は不人気
• 小説は戦闘描写に向かない
• SFは売れない
• ダブル主人公はNG
• 投稿は1日2回以上
• スキルやステータスのあるゲーム的世界観が好まれる
• 小学4年生にもわかる文章で書く
これらは一定の傾向として参考にはなります。しかし、常識にあえて逆らって成功した作品は無数にあります。
• 女主人公が不人気? →『薬屋のひとりごと』は女性主人公でシリーズ累計3,400万部突破
• SFは売れない? →『三体』は世界的ベストセラー
• ダブル主人公はNG? →『推しの子』はダブル主人公で社会現象に
常識はあくまで参考に。あえて逆らって、オンリーワンを目指すのも立派な創作活動です。
2026年版・投稿サイト比較
2026年現在、主要な小説投稿サイトの特徴を整理します。
小説家になろう
• 特徴:最大手。異世界転生・ファンタジーが圧倒的に強い
• 収益:直接的な収益還元なし。書籍化・コミカライズがゴール
• ユーザー層:10代後半〜30代男性がコア。近年は女性向けも成長中
• URL:https://syosetu.com/
カクヨム
• 特徴:KADOKAWA運営。表示が美しく、作家への収益還元あり(リワード)
• 収益:広告収益分配。一定の閲覧数で収益発生
• ユーザー層:なろうより文芸寄り。ラブコメやミステリーも強い
• URL:https://kakuyomu.jp/
アルファポリス
• 特徴:書籍化が多い。スコアシステムで作品を評価
• 収益:投稿インセンティブあり。書籍化率が高い
• ユーザー層:異世界系と女性向けTLが二大柱
• URL:https://www.alphapolis.co.jp/
ノベルアップ+
• 特徴:HJ文庫系列。コミュニティ機能「のべらちゃん」が魅力
• 収益:ポイント還元あり
• ユーザー層:ライトノベル寄り
• URL:https://novelup.plus/
エブリスタ
• 特徴:文学寄りの作品が多い。短編コンテストが盛ん
• 収益:エブリスタeスターライト(収益プログラム)
• ユーザー層:女性が多い。恋愛・ミステリーが強い
• URL:https://estar.jp/
新興プラットフォーム(2024-2026年)
近年、新たな投稿プラットフォームも登場しています。
• Nolaノベル:執筆ツールNola連携。プロット管理と投稿が一体
• ネオページ:2024年登場。新しいUI/UXで差別化
• Caita:クリエイター支援型。投げ銭機能あり
新興サイトは読者数が少ない反面、競争が緩い。先行者利益を狙えるチャンスがあります。
マルチプラットフォーム投稿のコツ
2026年現在、1つの作品を複数のサイトに同時投稿するのが主流になりつつあります。
メリット
• 読者の絶対数が増える
• サイトごとに異なる読者層にリーチできる
• 1つのサイトのアルゴリズム変更に左右されない
注意点
• 各サイトの利用規約を確認(「独占」を求めるサイトもある)
• 投稿タイミングを揃える(サイト間で更新速度に差があると読者が混乱する)
• あらすじはサイトの文化に合わせて微調整する(なろうは長めの説明型、カクヨムは文芸寄りの表現が好まれる、など)
実践的な投稿順序
1. 小説家になろうに最初に投稿(最大の読者プール)
2. カクヨムに同時投稿(収益還元狙い)
3. 反応を見てからアルファポリスにも展開
4. 短編はエブリスタのコンテストに投稿
AI生成作品の投稿ルール(2026年版最新)
生成AIの普及に伴い、各投稿サイトがAI生成作品に関するルールを設けています。2026年現在の状況を整理します。
基本的なスタンス
• 人間が書いた」ことが前提のサイトが多い
• AI生成テキストをそのまま投稿するのは、多くのサイトで禁止または非推奨
• AIをアイデア出しや推敲の補助に使うことは、多くのサイトで許容
サイト別の方針(2026年2月時点)
各サイトのガイドラインは頻繁に更新されるため、投稿前に必ず最新の利用規約を確認してください。
• なろう:AI生成作品の投稿に関する注意喚起あり。人間の創作物であることが前提
• カクヨム:AI利用に関するガイドラインあり。詳細は公式サイトで確認
• アルファポリス:独自のガイドラインあり
創作者としての判断基準
ルールは変わりますが、創作者として押さえておくべき原則は変わりません。
• あなたの作品は、あなたが責任を持てるものか?
• AIの出力をそのまま使うのではなく、自分の言葉で書き直す
• AIを「共著者」ではなく「壁打ち相手」として使う
ネタの仕込みとメモの習慣
投稿を始めると、常にネタとアイデアが必要になります。日頃からメモを取る習慣をつけましょう。
メモの方法
手書きでもアプリでもスマホのメモ帳でも構いません。大事なのは記録することと見直すこと。
• SNSでリツイートやいいねをしただけでは、アイデアはあなたのものになりません
• 見つけたアイデアを自分の言葉で書き直すことで初めて記憶に定着する
• メモを定期的に見直すことで、アイデアの組み合わせが生まれる
ネタ帳の作り方について詳しくは「ネタ帳入門」で解説しています。
勇気を出して投稿しよう、そして完結させよう
Web小説プラットフォームに登録できたら、勇気を出して投稿しましょう。
投稿で大切なこと
1. 完結まで投稿し続けること。物語は終わるときに完成する
2. 読者の反応を受け止めること。批判もあるかもしれないが、改善のヒントがある
3. 1作品で完璧を目指さないこと。2作目、3作目と書くことで確実に上達する
投稿を続けるコツ
• 最初から長編を狙わない。5万字程度の中編から始めるのも良い選択
• 投稿スケジュールを決める(例:週3回、月水金の18時)
• 読者が1人でもいたら、その人のために書き続ける
最後に
> 「どんな人間でも、必ず一本はベストセラーを書くことが出来る。それは自分の人生を書くことだ。どんな人間も、必ず波乱万丈の人生を送っている」
あなたの人生は傑作。それを文字に起こせば、人生に一つは傑作を書ける。
さあ、小説を書こう。
小説の書き方 入門ガイド 全記事リンク集
投稿までの道のりを振り返りたい方は、以下の記事を順番に読んでみてください。
Step 0:土台を作ろう
• ネタ帳入門
Step 1:テーマと題材を見つけよう
• テーマとは何か
• プレミス入門
Step 2:面白さの技術を学ぼう
• 面白さの定義
Step 3:構造と設計を固めよう
• 初心者NG7選
Step 4:タイトル・あらすじ・冒頭を磨こう
Step 5:書いて投稿しよう
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