面白い小説の書き方|今日から使える3つの実践テクニック

2022年3月2日

「面白い物語を書きたい」。

面白さの正体を理論的に知ったら、次は実践です。この記事では、初心者でも今日から意識するだけで物語が面白くなる3つのテクニックを紹介します。

kosiboro.work ― 腰ボロSEの創作ノウハウ550記事超|小説の書き方ガイド

テクニック1: 「ドキドキハラハラ」を設計する

人が面白いと感じるメカニズムには共通点があります。それは「ドキドキハラハラする」こと。

ジャンルが違っても、ドキドキハラハラした瞬間に脳内ではドーパミン(いわゆる「幸せホルモン」)が分泌されます。恋愛小説でもバトルものでも日常ミステリーでも、この原理は変わりません。

ではどうすれば「ドキドキ」を作れるか?

ポイントは「情報の非対称性」です。

読者が知っていて、キャラが知らない ── 「危ない! 早く気づいて!」(サスペンス型)

読者もキャラも知らない ── 「この先どうなるの?」(ミステリー型)

キャラが知っていて、読者が知らない ── 「何を隠しているの?」(信頼できない語り手型)

この3つのパターンを意識するだけで、読者を「ハラハラ」させる場面が作れるようになります。

ページターナー効果 ── 章末フックの技術

2025年、Web小説の世界では「ページターナー効果」が改めて注目されています。

章末フックとは、各話の最後に「次が気になる引き」を置く技術です。

• 新たな謎や問題を提示する

• キャラの決断の直前で終わる

• 衝撃的な一行で締める

「なろう系」のトップランカーを分析すると、ほぼ全話にこの章末フックが仕込まれています。読者が「次の話も読まなきゃ」と感じる仕組みは、偶然ではなく設計です。

テクニック2: 「不完全さと気付き」を組み込む

ミステリー小説を例に考えてみましょう。

冒頭で未解決の事件(不完全さ)が提示される。読者は「真相が知りたい」と興味を惹かれる。そしてクライマックスでトリックが回収され、「そうだったのか!」という気付きを得る。

この「不完全さ→期待→ドキドキハラハラ→気付き→満足」のサイクルが、面白さの基本構造です。ミステリーに限らず、あらゆるジャンルに応用できます。

恋愛小説 ── 不完全さ=両片想い(お互い気づいていない) → 気付き=告白

バトルもの ── 不完全さ=圧倒的な強敵 → 気付き=新技の覚醒

日常もの ── 不完全さ=誤解やすれ違い → 気付き=本当の気持ちの理解

キャラクターの「不完全さ」が物語を動かす

「不完全さと気付き」の効果を最大化するには、キャラクター自体が不完全であることが重要です。

完璧なキャラクターには物語が生まれません。欠点がある、トラウマがある、間違った信念を持っている。その不完全さが物語を通じて変化(気付き)していくプロセスこそが、読者を惹きつけます。

キャラを描く上でのおすすめは、「自分がなりたかった、けどなれなかった人生を描くこと」。そうすることでキャラの動機や生き方が鮮明になり、作者自身の感情が乗った物語になります。

テクニック3: キャラクターに「障壁」を与える

では、不完全なスタートから気付きのゴールまで、どうやってキャラクターを走らせるか?

答えは「障壁を与える」ことです。

障壁があるから、キャラクターは簡単に目的を達成できない。その障壁を乗り越えるところに読者はドキドキハラハラし、物語が面白くなります。

2種類の障壁

内的障壁 ── 心の葛藤、自信のなさ、過去のトラウマ、間違った信念

外的障壁 ── ライバルの出現、環境の制約、時間制限、物理的な困難

優れた物語は、内的障壁と外的障壁を連動させます。

たとえば:外的障壁として最強の敵が立ちはだかる(外的)→ 主人公は過去のトラウマで力を発揮できない(内的)→ トラウマを克服して敵を倒す → 読者は外的勝利と内面的成長の両方に感動する。

障壁のエスカレーション

物語を通じて、障壁は段階的に大きくなるべきです。

序盤で最終ボスを出してしまうと、それ以降の展開が尻すぼみになります。小さな障壁→中くらいの障壁→最大の障壁、というエスカレーションが、読者の「もっと読みたい」を維持します。

RPGに例えるなら:スライム → 中ボス → 裏ボス。この段階的な難易度設計が、物語のテンポを作ります。

2025年人気作の冒頭に見る「3つのテクニック」

これらのテクニックが実際にどう使われているか、近年の人気作の冒頭で確認してみましょう。

『葬送のフリーレン』第1話

ドキドキハラハラ: 「魔王を倒した後」という異例の始まり方で、読者の予測を外す

不完全さ: フリーレンは人間の感情を理解できない(キャラの不完全さ)

障壁: 仲間の死 ── 千年を生きるエルフにとって、人の命の短さが最大の障壁

たった1話目で3つすべてが組み込まれています。

Web小説ランキング上位作品の傾向

2025年のカクヨム・小説家になろうランキング上位を分析すると:

90%以上の作品が、1話目に何らかの「不完全さ」を提示

章末フックは上位作品ほど意図的に設計されている

内的障壁+外的障壁の両方を持つ主人公が、評価ポイントが高い傾向

まとめ ── 今日から意識する3つのこと

1. ドキドキハラハラを設計する ── 情報の非対称性を利用し、章末フックを仕込む
2. 不完全さと気付きを組み込む ── 謎→期待→解決のサイクルを回す
3. キャラクターに障壁を与える ── 内的・外的障壁を連動させ、段階的に大きくする

これらは才能ではなく技術です。意識するだけで、あなたの物語は確実に面白くなります。


関連記事

「面白さ」とは何か|理論で理解する ── 面白さの定義を深堀りしたい方に

【保存版】プロが使う「物語の法則」5つ ── さらに上のレベルへ

この記事が参考になったら、ブックマーク or シェアしていただけると励みになります。

腰ボロ作家について
創作の「設定資料」と「物語の書き方」を中心に、550記事以上を公開中。
サイトトップX(Twitter)

よく読まれている記事

小説の書き方本をもっと読むなら → Kindle Unlimited