文章構造3つのポイント(同等関係、対比関係、因果関係)【ドラゴン桜2に学ぶ】

2021年4月30日

 ドラゴン桜2で太宰府先生が「優れた文章とは建築学に則って作られている!建築の基本は構造である!」と力説した、3つの文章構造(同等関係、対比関係、因果関係)について、小説家目線で紹介します。

 ドラゴン桜シリーズは、東大を目指す受験生に勉強のやり方を指南する漫画ですが、小説家を目指す人にも大変参考になります。東大を目指すか、小説家を目指すか、目標は違えど、なにかに向かって努力するところは同じですからね。

 では、さっそく同等関係から見ていきましょう。

 

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同等関係とは

 同等関係にある文章とは、様々な形で言い換えをしている文章のこと。
 言い換えのパターンは大きく2つ、「具体化」と「抽象化」。

 具体化とは、具体的で絵として想像できるもの。
 抽象化とは、抽象的で絵として想像できないもの。

 例えば、『ゴールデンウィークに古い友人と名探偵コナンを見に行くことになり、5/1に新宿駅で待ち合わせた。けれど緊急事態宣言で映画館がすべて閉まっていた。いやー私ら世間を知らないにもほどがあるね。』という文章があったとします。

 このなかの『ゴールデンウィークに古い友人と名探偵コナンを見に行くことになり、5/1に新宿駅で待ち合わせた。けれど緊急事態宣言で映画館がすべて閉まっていた。』は具体化した文章で、『いやー私ら世間を知らないにもほどがあるね。』は抽象化した文章になります。

 ここで気づいたことがあります。

 それは小説においては、「具体化」とは描写を指し、「抽象化」とは説明を指すことです。

 私は3種類の描写とは?説明との違いについても説明というエントリーで、説明と描写を下記のように定義しました。
・説明とは
 読者に完全にわからせるもの
・描写とは
 
読者に悟らせるもの
だと書きました。

 説明のほうが具体的っぽいじゃないか、と思われるかもしれません。私もずっとそう考えていたのですが、実は描写こそが具体化で、抽象化したものが説明だと今になって思い直しました。

 例えば、ビジネスでも具体的に説明しろと言われたら、状況を描写して伝えますよね。説明は具体的じゃないが、具体的な描写を聞いたあとだと、エッセンスを読者に完全にわからせるもの』と考えると、しっくりきます。

 私は抽象化が多い作家です。具体化3:抽象化7くらいなんじゃないだろうか。課題は具体化だとわかっていながらも、改善できなかったのは、「具体化」と「抽象化」の意味をつきつめてなかったからです。

 皆さんも是非、「具体化」とは描写を指し、「抽象化」とは説明を指すと考えてみてください。

 

対比関係とは

 主張を明確にするために反対のものを示して比較しているもの。
 「しかし」「それに対し」「一方」「だが/が」「ところが」「けれども」「むしろ」といった言葉か始まる文章は、対比関係で書かれています。 

 しかし、小説における対比関係とは、文章表現にとどまりません。例えば、多くの作品では主人公とライバル、主人公とヒロインを対比関係として書きますね。後ろ向きで内向的な少年と、前向きで活発な少女……なんて組み合わせは、エヴァのシンジとアスカとはじめとして、古今東西採用される組み合わせです。

 なぜ、対比関係となるキャラクターを配置するのかといえば、物語が面白くなるからでしょう。キャラクターが後ろ向きで内向的な少年だけでは、少年が外の世界を知ることもなく、内にこもって延々と考え込むストーリーになってしまいます。

 それを打破するために、対比関係となるキャラクターを配置する。それが予想できない面白さにつながるからです(予想の外し方(面白い物語づくりの1つの方程式))。

 ですが、対比関係をつくることの効果は、面白さを生み出すだけじゃありません。対比関係をつくることの効果は、冒頭に述べた通り。つまり『主張を明確にするために反対のものを示して比較している』ということです。そして主張とは、主人公の変化によって示すものです。

 例えばシン・エヴァンゲリオンは、後ろ向きで内向的な少年が、自分の意志で父親に立ち向かい、前向きに人生を歩むという変化を描いた作品です。この対比関係が主張ですし、物語を描く意味になります。物語の最初と最後で、どんな変化が起こったか……まさに感情の変化が物語なのですね。(【劇的な展開不要論】梶井基次郎の「檸檬」に学ぶ、感情の変化が物語

 

因果関係とは

 因果関係とは原因と結果を表す関係のこと。

 原因から結果を表す場合もあれば、結果から原因を表す場合もあります。それぞれ下記のような接続詞で始まります。

・原因から結果を表す接続詞
 「だから」「そのため」「その結果」「それで」「したがって」「よって」
・結果から原因を表す接続詞
 「なぜなら」「というのも」「その理由は」「きっかけは」

 小説を書く上で注意したいのは、原因から結果を表し続けることです。ビジネス文書に慣れた人だと、つい結果を先に書いて原因を述べる順序で文章を書いてしまいがちですが、これだと時系列が、現在の結果→過去の原因となります。この順序は小説としては読みづらいです。

 小説においては、すべての文章を「だから」でつなげていくような書き方を心がけるべきだと思います。もちろん、「だから」が頻発すると読者は飽きてしまいますので、「だから」という接続詞は使いません。

 私の住んでいるところは地震が多い。備えるためにスーパーで水を買った。2リットル×6本で12キログラム。そういえば、2歳の子供の平均体重が12キログラムだと聞いている。それにしても重たい……こんなの持てるわけない。自分がこの水をかついで街を歩く姿を想像できない。母親は強い。

 上記の文章は、全て「だから」でつないでみようと努力した文章です。それでも2箇所「だから」で繋がらない部分がありました。その部分には接続詞を入れました。

 全てを「だから」で繋げ、「だから」にできない部分は、接続詞を入れる……というのはわかりやすい文章の書き方ルールではないでしょうか。

 

まとめ

 ドラゴン桜2から、文章の構造のポイントである3つの関係(同等関係、対比関係、因果関係)を紹介しました。ドラゴン桜2には、物事を続けるためのモチベーション維持のヒントなど、小説家を目指す人にも参考になる知識が詰まっています。

 ぜひ読んでみてくださいね。

 このブログには文章の書き方について役立つ記事がたくさんあります。
 ぜひ、あわせて読んでみてくださいね。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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