「小説家になろう」の長文タイトルつけ方講座
小説家になろうの長文タイトルについて、賛成・反対が定期的に話題となります。まずは賛成・反対を議論する前に、長文タイトルとは何なのか……を、「小説家になろう」の長文タイトルつけ方講座として書かせていただきます。
長文タイトルのつけ方講座
長文タイトルのつけ方のポイントは、起承転結でいう、起承転まで書くことです。
起:背景や事前情報(世界観の説明)
承:本題の導入部分(無能だと思ったら実は有能だったとか、チート能力に目覚めるとか)
転:できごとや展開(長文タイトルでよくある「〜が、」のあとにくる意外な展開のこと)
「起承」で読者に展開を予想させ、「転」でその予想をどう裏切るか。これが読者に読んでもらえるポイントとなります。
さらにいえば、起承転のあとに物語が続くとわかってもらうことが大事です。
でないと読まなくてもいいやとなってしまいますからね。
これだけですと分かりづらいと思いますので、2020年9月13日時点の小説家になろう日刊ランキング上位5つを例に考えてみますね。
・その無能、実は世界最強の魔法使い 〜無能と蔑まれ、貴族家から追い出されたが、ギフト《転生者》が覚醒して前世の能力が蘇った〜
起:「無能と蔑まれ」で主人公が無能ということがわかります。
承:「貴族家から追い出された」で、導入部分が想像できます。
転:「ギフト《転生者》が覚醒して前世の能力が蘇った〜」。承転で、追放された主人公が覚醒するというギャップがあります。これが惹きつけるのですね。
ここからどうなるんだろうと、興味をそそられます。
・絶滅危惧種 花嫁 ~無能だと蔑まれていましたが王子様の呪いを解いて幸せになります~
起:「絶滅危惧種 花嫁」で花嫁がいないんだろうという世界観がわかります。
承:「無能だと蔑まれていました」で、導入部分が想像できます。
転:「王子様の呪いを解いて幸せになります」。承転で、無能が王子様の呪いを解くというギャップがあります。これが惹きつけるのですね。
・Sランク冒険者パーティーのサポート役をクビになった俺は、念願の錬金術師となりスローライフを送りたい
起:「Sランク冒険者パーティーのサポート役」で、冒険者のいる世界観だとか、級数がある世界だとわかります。
承:「クビになった俺」で、導入部分が想像できます。
転:「念願の錬金術師となりスローライフを送りたい」。最強パーティーから錬金術師でスローライフ。ギャップですね。
・日本語が話せないロシア人美少女転入生が頼れるのは、多言語マスターの俺1人
変則的ではありますが、下記となるでしょう。
起:「日本語が話せないロシア人美少女転入生」が、世界観。
承:「頼れるのは、多言語マスターの俺1人」で、導入部分が想像できます。
転:は記載がありませんね。「多言語マスターの俺を頼るが」……どうなるかが作中で描かれるのでしょう。
・世界最速のレベルアップ ~無能スキル【ダンジョン内転移】が覚醒した結果、俺だけダンジョンのルールに縛られず最強になった~
変則的ではありますが、下記となるでしょう。
起:「世界最速のレベルアップ」と「無能スキル【ダンジョン内転移】」で、レベルがありダンジョン内の冒険があり、スキルの概念もあるんだなとわかります。
承:起と一部かぶりますが、「無能スキル【ダンジョン内転移】が覚醒した結果」で、無能だったけど力に目覚めることで逆転……という導入部分が想像できます。
転:「俺だけダンジョンのルールに縛られず最強になった」。無能から最強へのギャップですね。
補足ですが、「〜なった」というタイトルは多く見られます。「〜なった」と書かれていると起承転結の結のように思うかもしれませんが、多くは「〜になった」が転で、その後どうなるかが作中で描かれることになります。
起承転まで書く?起承まで書く?
2020年9月13日時点の小説家になろう日刊ランキング上位5つを例に、長文タイトルについて書いてみました。
ここでひとつ、質問です。
起承転まで書かれている作品と、起承まで書かれている作品では、どちらのほうがクリックしたくなるでしょうか?
私としては起承転まで書かれている作品のほうがクリックしたくなります。「転」によるギャップに惹きつけられるのでしょうね。
人は、予想していたのと違う展開が起こると、面白いと感じます。起承で次の流れを予想させて、転で外す。これができれば面白いと感じてもらえるはずです。
ということで、私としてはこう書かせてほしいです。
長文タイトルのつけ方のポイントは、起承転結でいう、起承転まで書くこと。よければこれを意識してタイトルをつけてみてくださいな。
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