読みやすい日本語の語順。ポイント2点お伝えします。

こんにちは。
杞優橙佳です。

突然ですが皆さんは、文章を書くとき、語順を意識したことはありますか?
例えば「いつ」「どこで」「誰が」「誰と」「何をする」など。

ある程度執筆経験のある方でも、感覚で書かれている方が多いのではないでしょうか。

今回は日本語の語順について考えてみます。

重要なポイントは2点。
・係助詞「は」と、要素の長さです。

そのために英語の語順の話からしていくことになります。
ためになる内容なので、ぜひお付き合いください。

英語の基本語順

 英語の勉強をしているときに、SVOという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

 それぞれ主語 (Subject) – 動詞 (Verb) – 目的語 (Object) の頭文字であり、I like him.のような文章をSVO型といいます。

 英語では主語がかならず冒頭に来て、次に来るbe動詞や一般動詞、助動詞(canなど)の選択に影響を及ぼします(be動詞で言えばIならam、Youならareが選ばれますね。これが影響を及ぼすということです)。

 影響を及ぼすがゆえに、SとVを引き離すことができず、SVが固定化されます。

日本語の基本語順

 一方の日本語では主語とは英語のようには順序は明確に決まっていません。

 「食べるのは私」でも、「私が食べる」でも、意味は通じますよね。

※勘の良い方あれば、助詞(「は」とか「が」)が主語と述語の順番に影響を及ぼしていることに気づかれたかもしれませんね。

 では日本語はどんな語順でもよいのかというと、そうでもありません。

 例えば下記の2つの文章を読み比べてみてください。

①半月ほど前からホテルの七階のオフィスでは六人のRFP通信の駐在委員が現地採用の十数名のスタッフとともに仕事をしている。

②現地採用の十数名のスタッフとともに半月ほど前からホテルの七階のオフィスでは六人のRFP通信の駐在委員が仕事をしている。

 どちらの文章も下記要素を含んでいるにも関わらず、①のほうが圧倒的に読みやすかったのではないでしょうか。

半月ほど前から/ホテルの七階のオフィスでは/六人のRFP通信の駐在委員が/現地採用の十数名のスタッフとともに/仕事をしている。

 どうやら日本語は、「いつ」「どこで」「誰が」「誰と」「何をする」の語順が読みやすいようです。

最大の要因「は」

 これに影響を及ぼす最大の要因が係助詞「は」です。

 冒頭で英語のSVO型の話をしました。英語の文章では主語 (Subject) が周囲に影響を及ぼし、重要な役割を担っていました。

 日本語でももちろん主語は重要です。主語と動詞によって文章はできていますからね。では、日本語ではどんな言葉が主語になるのでしょうか?

 一般的に「は」や「が」の直前にくる名詞が主語になりそうです。

 ・私は日本人です。
 ・私が日本人です。

 という文章では、「私」が文章の中心になっています。

主題を表す「は」

 日本語の難しいところは、「は」を使っても主語にならないケースがあることです。

 例えば下記の2つの文章を見た時、①は「小説家になろう」が主語ですが、②は「小説家の卵」が主語になっています。(主語=述語に対し、それが表す動作・作用を持つものを表した語)

 ①小説家になろうは小説家の集まるプラットフォームだ。

 ②小説家になろうは小説家の卵が多い。

 ①の場合「小説家になろうはプラットフォームだ」②の場合「小説家の卵が多い」が主語・述語で、他の文言はあくまで修飾語です。

 ②のような「は」のことを、主題を表す「は」と言えるでしょう。

「~についていえば」という意味の「は」と言い換えてもいいかもしれません。
この場合、「は」の前の語は主語にならず、あとに主語が続くはずです。

《参考》主題、主語、主格について
 主題:「~についていえば」(話のテーマ)
 主語:「が」「は」(述語と対応するもの)
 主格:「僕から話す」の「から」など、動作主を示す

「が」より「は」の方が前に出てきがち

 「は」が語順に影響を及ぼす最大の要因と書いた理由は、「が」より「は」の方が前に出てきがちだからです。

 例えば冒頭でも似たような文章を書きましたが、下記2つの文章を比較してみてください。同じように「は」を使って主語を示しているのですが、②は読みにくいですよね。

①六人のRFP通信の駐在委員は、半月ほど前からホテルの七階のオフィスで現地採用の十数名のスタッフとともに仕事をしている。

②半月ほど前からホテルの七階のオフィスで六人のRFP通信の駐在委員、現地採用の十数名のスタッフとともに仕事をしている。

 ところが③のように、「が」を使うと読みやすい気がしませんか?
 「は」は、「~についていえば」の意味が強いために、冒頭に来てくれないと話の主題がわかりにくいのですね。

③半月ほど前からホテルの七階のオフィスで六人のRFP通信の駐在委員、現地採用の十数名のスタッフとともに仕事をしている。

要素の長さも語順に関係あり

要素は長い方から短い方へ並べていくのが原則です。

例えば下記の①②を比べたときに、②のほうが自然なのではないでしょうか。

①山田さんはカリブ海に浮かぶセントビンセントおよびグレナディーン諸島のセントビンセント島でケーキを食べた。

②カリブ海に浮かぶセントビンセントおよびグレナディーン諸島のセントビンセント島で山田さんはケーキを食べた。

これは「カリブ海に浮かぶセントビンセントおよびグレナディーン諸島のセントビンセント島で」という要素が長いためです。

※もちろん読点を打てば、下記の選択も可能です。
③山田さんは、カリブ海に浮かぶセントビンセントおよびグレナディーン諸島のセントビンセント島でケーキを食べた。

まとめ

語順に影響のある要素2点。

格助詞「は」⇛「が」より「は」の方が前に出てきがち

①「は」は、これから説明を受ける話題を提示する
②「は」は説明や判断の文でよく用いられ、特にすでに出てきた話題をうける
③「は」は前の文の話題をうけることが多いため、文頭に近い位置に出現しやすい
④「は」は「が」とくらべて遠くの述語、つまり文末に近い述語にかかっていく傾向がある

・読点で区切られていない文章においては、要素は長い方から短い方へ並べていく。

以上2点、文章を書くときの参考にしてみてくださいね。

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