「TEAPOT」の特徴と魅力紹介【誰もが小説を出版】

2020年10月8日

 2019年12月から2020年1月末にかけて、クラウドファウンディングが行われたTEAPOTというプロジェクトがあります。

 これは出版革命を目論むメガネ……と自己紹介されている芳蓮蔵さん(@renzo_yoshi)が、『誰もが無料で本を出版し、販売できる』仕組みづくりを目指し、立ち上げられたプロジェクトです。

誰しもが自分の作品を書籍化し作家となれる。革新的な出版サービス『TEAPOT』は、そんな夢のような話を実現するためのプロジェクトです。“書籍化したい作者”と“紙書籍で読みたい読者”を結べば、本の世界はもっと面白くなります。小説家・読書家の皆様、是非ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。

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【2020/11/10】ついにTEAPOTノベルズ始動!

 2020/11/10、芳蓮蔵さん(@renzo_yoshi)からついにTEAPOTノベルズ始動の報告がありました。
 https://teapot-novels.com/

 入会特典で、500ポイントが全員に配布されます。

 このタイミングでぜひ会員登録してみてくださいね。

 また、TEAPOTはクラウドファンディング発のサービスですが、こちらについて、30万円の支援を行った人間が二人います。
 一人は青空顎門@aozoraagitoさん。

  

  

 そしてもうひとりは、

何を隠そうこの私です(な、なにー!?)

  

 はは。いよいよ、サイトも始まりましたので、その喜びを兼ねて! TEAPOTの特徴と魅力をご紹介したいと思います。

  

  

TEAPOTとはどんなサービス?

 一言でいえば、書籍化したい!という作家と、本で読みたい!読者のマッチングサービスです。
 TEAPOTの仕組みはクラウドファウンディングサイトにも記載のあった、下記の絵がわかりやすいと思います。書籍化したい作家の本に対して、300部以上の購入希望数が集まると、その時点で書籍化決定となります。

 Web小説サイトのようにPVを目指すわけではない、新しい小説投稿サイトだと言えますね。このサービスの売りは、後ほどご説明しますが、低価格で質の良い本です。

 今の時代に紙の本?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、出版不況で各社がほんの質を落とさざるを得ないであろうこの時期に、あえてプレミアムな紙の本を出すというチャレンジは、実はものすごく先鋭的ですよね。

https://camp-fire.jp/projects/view/204500

 ここからはTEAPOTの特徴とそれに対する私の思いを書いていきます。手元に届いた素敵な本も、ご紹介いたしますね。

  

  

  

TEAPOTの特徴その1 『出版したい』と『読みたい』が出会える

 TEAPOTは、作者の『本として出版したい』という想いと、読者の『本で読みたい』という声が出逢える場所です。作者がサイトのシステムを通じて登録した作品を、読者からの購入希望数に応じて出版(印刷・製本・発送)します。

 つまり書籍化してから販路を開拓するという従来の出版スタイルではなく、このサービスでは『売れてから作る』という逆の手法をとっています。

 そのため売上実績やコンテスト受賞歴などの資格も必要無く、誰しもが書籍化を前提として作家の道を歩めるのです。

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 私はこの腰ボロ作家のライトノベル奮闘記にて、売上実績やコンテスト受賞歴などの資格も必要無く、誰しもが出版できる方法として、Kindle出版を紹介するエントリーをいくつか書いています。

登録できたらこれを読め!KDPで本を出版する方法

 Kindleこそ、ラノベ作家に収益を還元する仕組みだと信じてもいます。

ラノベ作家の収益化をAmazon Kindleで実現する

 

  

 ですが芳蓮蔵さん(@renzo_yoshi)のTEAPOTはそれをもう一歩進めたもので、「誰しもが書籍化を前提として作家の道を歩める」ところに特徴があります。

  

  

TEAPOTの特徴その2 デザイン・装丁にこだわった高品質の本

(中略)TEAPOTでは、高品質な書籍用紙と最適化された組版を使い、全ての出版物にPP加工されたフルカラーの表紙カバーが付き、その装画・デザインはプロのイラストレーターやデザイナーが担当します。またISBNやJANコードも全て標準仕様として付随されます。

 これによって一般の書店に流通している書籍に勝るとも劣らない、高い品質の本を作り上げることができます。

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 私は昔、今はなきDL Marketというサイトで本をつくったことがあります。これはPDFで販売している電子書籍をプリントアウトして製本してくれるサービスでした。確か、1冊1500円ほどかかりました。

 出来上がった本は以下の写真にある通りです。表、背表紙は分厚目の紙(アートポスト、マットポストかコート紙135K以上だったかは覚えていません)にカラーで印刷。中身はコート紙90Kに印字だったと思います。

 私自身は手にとった時、とても感動した思い出があります。

 しかし、今回手に入れた本を触ってしまうと……その感動が霞んでしまいました。その本がこちらです。

 あまりにもクオリティが高い!! お店に売っている本だ!! 手触りも良い!

 DL Marketの本は、あくまでも同人誌の一環だったなと感じる作りでしたが、TEAPOTはまるで違います。通常の出版社の本すら凌駕するクオリティの紙質……発光……字の美しさ……どれをとっても商業レベル! いや、むしろ商業レベルを超えているクオリティに感じました。

 『デザイン・装丁にこだわった高品質の本』という特徴は伊達じゃないです。本当に!

 そして小説には、Webで読む方が面白いものと、本で読むほうが面白いものの2パターンがあると思います。私は今回あらためて「本で読むほうが面白い」作品を書いていたのだなと感じました。Web版から修正しているところが多々あり、それが面白さの原因となっているかもしれませんが、Web版と比較して面白さ3割増です。

  

  

  

TEAPOTの特徴その3 初期費用不要。お金をかけずに出版

 他サービスではサイトの初期登録料や販売手数料などがあり、また実際に売り物として謳えるだけの品質で本を出すとなると、表紙カバーの制作費や装画のデザイン料など、多くの追加費用が発生します。

 そのため著者は収入を得るより先に、数万円〜数十万円という金額を負担する必要があるのです。これが小規模の出版において、大きな壁となっているのが現実です。

 しかしTEAPOTでは前述したカバー装丁、プロのイラスト・デザイン、ISBNの取得などは全てが無料です。必要なのはたった200円(※予定)の月額利用料だけ。つまり元手が無くとも出版が可能です。

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 私は昔、 自費出版をしないか?と文芸社の方に声をかけられ、見積もりを頂いたことがあります。

 その時頂いた金額が、1000部 120万円だったと思います。高すぎてたまげました。

 また、昔同人誌を作って販売したこともありますが、これは50部で50000円くらいでした。確か表紙カラー、本文モノクロ64ページとかそういった条件だったと思います。1冊1000円で売ってもトントンでしたね。

 それに対してTEAPOTは「初期費用不要。お金をかけずに出版」可能なサービスとなっています。もちろん購入したい!と言ってくれる人がいないと成り立たないのですが、そのボーダーラインは特徴その4へ書く通り、非常に低いです。

  

  

TEAPOTの特徴その4 読者からの応援数が150部を超えれば書籍化

 本来プロの作家に求められる販売部数は最低でも8000〜10000部です。自分の作品を書籍化して利益を得るには、そのハードルを常に超え続けなくてはならないのです。

 しかしTEAPOTではそのボーダーラインが大きく引き下げられます。このサービスで出版するのに必要な購入希望数は僅か300部

 この数を多いと見るか少ないと見るかは人それぞれですが、少なくともこの数字で書籍化にGOサインを出す出版社は他に無いでしょう。

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 もともとは上記の通り300部が目標値でしたが、2021年5月18日書籍化に必要な「読みたい人」の数が、300人から150人に改定されました!

 実はこれまで数年間かけて私がDL Market含めて販売してきた本の数って、300部を超えています。販路を持たない無名の人間でも、300人の人へ本を売れた。

 150部となれば、これは本当に手の届く範囲ですよ。誰でも書籍化が夢じゃない、こんなサービス他にないです。

 瞬間的なバズでも十分出版の可能性があるということです。※Twitterでバズったら広告してもいいという文化がありますが、あれ一回で出版できるんじゃないかな?

 TEAPOTでの出版、宝くじよりも遥かに夢のある、可能性のあることだとわかっていただけたのではないでしょうか。

  

  

TEAPOTの特徴その5 出版業界の常識を覆す高い印税率

(中略)TEAPOTで出版した場合、著者印税率は20%です。現在の出版業界では、ベストセラー作家と呼ばれる先生でも15%程度なので、これは正に革命的な数字であると言えるでしょう。それに加えて部数に応じた報奨金制度まであります。

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 印税については、もちろんKindleやBookbaseのほうが高いです。

 ですが本というかけがえのない物質が残る点。それも国立国会図書館へ納品されて、私が死んでも永遠に残るであろう点を考えると、紙の本にしかない魅力ってあるなぁと感じます。

 利益の電子書籍、ロマンの紙の本。
 どちらを選ぶかはあなた次第です。

 

 

TEAPOTの特徴その6 自分のペースで自由に執筆できる

 商業出版契約を結ぶと、当然のことながら作者は出版社の刊行スケジュールに合わせて原稿を書き上げなくてはなりません。
(中略)
 しかしTEAPOTでの入稿(作品登録)は作者に一任されており、出版は読者の要望に応じて行われます。ですからそこには〆切も制約もありません。作者は自由なペースで執筆でき、納得のいく状態で作品を世に送り出すことができます。

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 私の出版した本は16年をかけて作り上げてきた本です。16年間一冊も本を出さなかったら小説家では食べていけませんし、商業作家としては確実に首を切られますね。(ハルヒのような大ヒットを飛ばした実績のある作者は別ですよ)

 私が続編を出すまでには、また長い時間がかかるでしょう。TEAPOTでの執筆であれば、そんな私も心ゆくまで本を推敲して、出すことができます。

 作品は自分の子供のようなものですから、納得のいく形で送り届けたい……そういった人もたくさんいるでしょう。TEAPOTは作品と納得いくまで向き合える出版サービスです。

 

 

TEAPOTの特徴その7 出版社都合による打ち切りがない

(中略)
 出版社は書籍の売上によって成り立つものですので、作品の売上が伸びなかったり落ち込んできたりすれば、その作品は当たり前のように打ち切られます。そのため近年では、千人単位の読者が残っているにも関わらず、続刊されぬまま消えてゆく作品が目立ちます。
(中略)
 しかしTEAPOTにおいてその心配が無いのはお解りでしょう。このサービスは作者と読者によって作り上げられるものですから、作者が書き続け、読者が作品を求めるならば、物語が途中で終わることなどないのです。

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 特徴その6とつながっている特徴ですね。「このサービスは作者と読者によって作り上げられる」まさにそうだと思います。作者と読者の信頼関係が崩れなければ……物語は最後まで書き上げることができます。かのファンタジー、指輪物語は J・R・R・トールキンが1937から1949の13年間をかけて少しずつ執筆したそうです。

 世の中は、若くて才能あふれることをもてはやします。ですが若さというのは過ぎ去れば取り返しのつかないもので、それをもてはやしている私たちは虚しくありませんか? 若くなくてもいい、長い時間をかけて良いものをつくることが、若き天才であることよりも素晴らしいことだとしなければ、頑張る気力も湧いてこないでしょう。

 長い時間をかけて良いものをつくる……そういった考えにたてば、TEAPOTは素晴らしいサービスだと感じます。私はTEAPOTが末永く続くことを期待しています。

 

 

書籍化までの流れ

 クラウドファウンディングの時点では、下記のような流れで書籍化すると記載がありました。

 10/15のプレリリース以降、変更があった点については随時更新していきますね。

 ① TEAPOTではアカウントが作者と読者に分かれており、作者アカウントのみサイト内での原稿入力が可能になります。いわゆる小説投稿サイトと似た形式ですが、作業の目的は実際に印刷される組版(縦書き)の作成です。

 ② 原稿を完成させたらそれを販売書籍として登録します。するとその作品が『書籍化待ち』としてサイトに陳列され、読者アカウントからは試し読みや購入希望ができます。

 ③ 読者が『購入を希望する』を選ぶと、購入希望数がカウントされます。24時間毎にこれを集計し購入希望数が300部を上回ると、その作品が書籍化され購入者へと発送されます。※数が条件に満たない場合、カウントは翌24時間の集計に持ち越されます。

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◆書籍に関する仕様

●大きさ:準B6版 新書サイズ
●表示:フルカラーPPグロス加工カバー
●組版:22字×18行×2段組
●頁数:200〜300頁
●文字数:11万〜16万字
 ※版面率70%とした場合です。
●価格:1,200円(税抜)
●その他:ISBN及びJAN登録

その他の仕様

 TEAPOTに作品を登録する際に表示画像を登録可能。
・サイズ:512 × 728 px ・解像度:300 ppi 以下

 TEAPOTノベルスのWordテンプレート。とても美しい仕上がりになります。文字サイズを変えることはできないそうです(試し済み)。

  

  

TEAPOTに対する想い

 私は以前下記のようなエントリーを書きました。詳細はエントリーを呼んでいただければと思いますが、私のスタンスは「絶対正しい意見なんてないから、新しい側に立つ」というものです。

「なろうデビューに未来は無い」本当に?考えれば考えるほど……

「なろうデビューに未来は無い」本当に?考えれば考えるほど……へのご反応【私の立ち位置表明】

 芳蓮蔵さん(@renzo_yoshi)が思い描かれ、プレリリースまでこぎつけられたこの夢を、私は応援したいです。

 芳蓮蔵さんは「紙の匂い、手に取った時の重み、ページをめくる感触、そしてそれを読む人の姿――そういった様々な要素があって、初めて本としての価値が生まれるのではないでしょうか」と語られています。

 芳蓮蔵さんが本に賭けた想いは、実際に製本された本を手にした者にしかわからないでしょう。そして実際に手にした私の抱いた感想は、「紙の本は素晴らしい」という気持ちでした。

 かつて手にしたどんな本よりも、いい本が届きます。みなさん、一緒にTEAPOTを応援しましょう! いざ、誰もが出版できる未来へ!

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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