【著作権泥棒】小説家になろうの小説を、許可なくキンドルで出版されてしまう案件が発生

2020年3月24日

こんにちは。
杞優橙佳です。

ある事件が起きました。

https://twitter.com/satouriesu/status/1242265447761920000?s=20

被害にあわれたユーザさんのツイートはこちら

悪意あるユーザが、小説家になろうなどに投稿されている誰かの作品を勝手にKindle電子書籍として出版してしまったという事件でした。

Kindleの信頼に関わる事件で、Kindle作家の私もエントリーを書かずにはいられませんでした。

本エントリーではKindleのチェック体制や、自衛する方法について書いていきます。

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そもそもKindleでのチェック体制はどうなっているのか

まずKindleでの出版の流れは下記となっています。

1.KDPに登録
2.所定のフォーマットで電子ファイル作成 
3.KDPで出版申請
4.審査
5.公開

冒頭の事件を防ぐようなチェック体制としては4.審査が該当するでしょう。

4.審査では、書籍が出版可能な状況かどうかを内部チェックしているようで、新しい書籍を出版する場合は最大で72時間程かかります。

しかしながら、本の審査では「表現の自由」に絡んでくるような検閲行為をすることはありません。

本の審査で行われることは「著作権の審査」です。

例えば私は以前、自分のブログへ掲載していた小説を電子書籍化しようとした際、これはあなたのコンテンツですか?と、Kindleから警告を受けたことがあります。以下本文からの抜粋です。

Kindle ダイレクト・パブリッシングをご利用いただきありがとうございます。

審査の結果、お客様は、以下の本の出版に関して必要な権利をお持ちでない可能性があるコンテンツが含まれていることがわかりました。お客様の作品の一部またはすべてのコンテンツは、インターネット上で無料公開されています。

xxx(作品名)
この本を出版するには、以下のいずれかの対応を 5 日以内に行ってください。

オプション 1: お客様がこの本の出版に関して必要な権利をお持ちである場合は、ご自身の権利を証明するために本を再提出してください。

本を再提出するには、以下の手順に従います。
1.「本棚」にアクセスします。
2.更新する本の横にある「アクション」メニューの省略記号 (…) ボタンをクリックします。
3.「電子書籍の詳細情報の編集」または「プリント本の詳細情報の編集」を選択します。 「詳細」ページが表示されます。
4.必要に応じて詳細情報を編集します。
5.「保存して続行」をクリックします。 「コンテンツ」ページが表示されます。
6.「保存して続行」をクリックします。 「価格設定」ページが表示されます。
7.このページの下部にある「出版」ボタンをクリックします。

オプション 2: コンテンツがパブリックドメインで公開されている場合は、お客様の作品が Amazon の要件を満たしていることが必要になります。以下の情報を確認できる URL を添えて、このメールに返信してください。

1.オリジナル作品の初版の出版日
2.著者全員の名前と各死亡日
3.この本が翻訳されたものである場合は、翻訳者全員の名前と各死亡日、その翻訳版の初版の出版日

パブリックドメイン コンテンツの出版について詳しくは、以下のヘルプ ページをご覧ください。
https://kdp.amazon.co.jp/help/topic/G200743940

5 日以内にご対応いただけない場合、この本は「本棚」で「販売停止中」のステータスとなり、Amazon の販売商品から除外されます。

ご不明な点がある場合や、このメッセージの内容が間違いであると思われる場合は、kindle-content-review@amazon.co.jpまでメールでお問い合わせください。

お客様により満足していただけるサービスをご提供できるように努めてまいります。 今後とも KDP をよろしくお願いいたします。

杞優橙佳に届いたメール

要約すると、
・再提出
・パブリックドメインとして無料で公開
のどちらかを選択するということです。

私がこのメールをうけとった際は、出版予定の小説を含むブログの記事を消すことで無事に出版ができました。警告を受け、修正後に出版可能となったことから、Kindle側でもきちんとチェックは行われているはずです。

今回のような事件が起きる原因は?

2点あります。

1点目は、先程の警告メールの中にあった『再提出』で、ブログの記事を削除しなくても、通る場合があるということです。

もちろん、あまりにもブログ記事の内容そのままだと差し止めもあり得ると思うのですが、画像を追加したり加筆していた場合にはチェックをすり抜ける可能性があります。

例えば誰かのなろう小説の登場人物の名前を書き換えたり、後日談やあとがきが(著者でもないくせに)追加されていると、チェックに引っかからなくなる可能性があります。

Kindle側もそのあたりをちゃんとしてほしいですが、自動でチェックするのが難しい部分でもあり、課題です。

2点目は、そもそも小説家になろうなどの小説投稿サイトの中身が、Googleなどの検索に引っかからないという問題です。

例えば私が小説家になろうへ投稿していたパーフェクトホープという作品のクライマックス。

(だとしたら俺は今日、手紙に書いた内容をもう一度話すべきだったんじゃないか?お前は誰とも競争する必要はないと。類稀なる能力を国の発展のためにつかい、決して戦争のない、女子供の泣かぬ国を造ってくれと。それを俺はホールデンに)

https://ncode.syosetu.com/n5975ft/14/

こちらをGoogleで検索してみたのですが引っかかりませんでした。

各小説プラットフォームが、自分のサイトに投稿されたコンテンツを守るため、検索できないようにしているのでしょう。それが仇となって、Kindleのチェックが機能しない状況となっています。

自衛のためにどうすればいい?

本来であればKindle側がシステムで解決してほしい問題ですが、小説プラットフォームの都合もあり、解決が困難な状況です。

ですので我々作家にできることは2つです。

1つはTwitterなどの発信力を持ち、自分の作品がどの小説プラットフォームで読めるのかを読者へ伝えることです。通知方法はプロフィールでも固定ツイートでも良いと思います。

それでも読者はKindleで作品を見つけたら、犯罪者のアップロードした違法電子書籍だと知らずに読んでしまうかもしれません。

2つ目はこれを防ぐための手立てで、自分もKindle書籍を出版してしまうことです。そしてTwitterで、自分のKindle書籍はこのアドレスだと通知すること。そうすれば犯罪者が違法アップロードしたKindle書籍があっても、これは違うと判断できます。

余計な手間が増えるのは、作家にとっても不満の種ですが、自分の作品を守るためにも、考慮に入れたいですね。

※もしKindle出版にご興味がある方はこちらまでご連絡いただければアドバイスします。もちろん下記を読んでいただいて、ご自分で試されてもよいかと存じます。

https://kosiboro.work/?p=24
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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