アイデアは持ってくるもの | アイデアの出し方

 本エントリーでは「アイデアは持ってくるもの」というテーマについて書きます。このエントリーを書くきっかけは、性転換(Trans Sexual)を扱うフィクションを表すジャンルのひとつ、TSF創作を書きたい人に向けたメッセージが話題になっていたことです。 

何?しんのすけはTSF創作を書きたいのか。いいかしんのすけ、ステップ1は「良いと思った作品を10個並べ、その作品の何がいいと思ったのかを箇条書きで書く」だ。直感だけではなく言語化してみるのは大切な整理だぞ。

次にその中から特にいいと思った要素を何個か選び、そのシチュエーションをまずは真似して書くんだ。構図や文章のシチュエーションの丸パクりは良くないが、要素だけを真似するとアウトプットとしては大抵お前だけの表現になるはずだ。この過程で出てくる疑問や悩みが沢山あるはずだから、手を動かしながら考えるんだ。

ここまででは十分ではない。更に、「自分がいいと思っているのに、世の中には少ない、またはオリジナルのシチュエーションや表現」にチャレンジしてみるんだ。いわゆる「ないから作りました」というやつだな。これができるとようやくオリジナルの創作や表現に意識が向くようになってくるんだ。
このステップを無視して最後の段階からやってもいいが、大抵のオリジナリティはまずは模倣やリスペクトから生まれていくんだ。その中で「創作」が出来るようになっていくんだ。

そして、いいかしんのすけ、このステップを全てクリア出来る人はおろか、「そうか、やってみよう」と思える人間は全体の0.1%いればいい方なんだ。多くの人は時間がない、体調が悪い、やる気がないなどの理由をつけて踏み出すことすらしないんだ。だからしんのすけ、このうちのひとつでもステップを進めることが出来たら、お前はお前を褒めてやっていいんだ。

 このメッセージは、アイデアを作り出す際の重要なポイントを示しています。ただし、私はこのメッセージだけを頼りに作品をつくるのは非常に難しい(失敗する可能性が高い)と考えます。

 なぜなら良いと思った作品を10個並べ、その作品の何がいいと思ったのかを箇条書きで書いたあと、ピックアップした要素を混ぜ合わせて、物語として整える難易度がとてつもなく高いからです。

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アイデアの作り方

 岡田斗司夫氏は以下のYoutube動画で「アイデアを作るときは、ゼロから作ると間違います。アイデアは基本的に持ってくるものと考えるのが良いです」と語っています。

 語られている内容は、冒頭で紹介したメッセージと一緒です。自分が好きな他のジャンルのもの、自分が夢中になったものから要素を抜き出し、構成している要素を分解して、新しいものを作るという話です。

 ただし、冒頭のメッセージと方向性は違います。岡田斗司夫氏のおすすめは構造をまるっと真似ることを推奨しています。つまり好きな原作を1つ選び、その作品の構造をまるっと持ってきて、要素を変換して新しいアイデアに見せるパターンです。

 すでに成功している実績のあるアイデアの構造を持ってくることで、失敗の確率を減らし、要素を入れ替えることでオリジナリティを出せるんですね。

アイデアの構造とはなにか?

 それでは「アイデアの構造」とはなにか? 端的に説明するため、岡田斗司夫氏の動画においては「カレーと肉じゃがの構造は同じ」という話が語られています。つまり、肉とじゃがいもを煮込んで最後に調味料を加えるという構造は同じで、要素として最後の調味料に「しょうゆを加えるか、カレー粉を加えるか」が違うだけということです。

 マンガにおいては、例えばこち亀とドラえもんは同じ構造だと言います。つまり困っている人と、解決する人を物語に登場させ、困っている人が最後は欲によって失敗するという物語の構造です。

 ドラえもんは困っている人=のび太、解決する人=ドラえもんですが、こち亀は困っている人と、解決する人が同じ両津になります。これら2つの作品は、絵柄も世界観も異なりますが、困っている人が何かに困り、解決する人がアイデアを出し、困っていた人が調子に乗って失敗してチャンチャンとなる構造は同じということです。

 追放ものものでもそうですよね

 追放される人と、追放した人がいて、追放された人が追放する人を見返すという前半の構造はどの作品も一致しています。あとはどういう理由で追放されたのか? 追放されたあとどうやって見返すのか?という要素にオリジナリティが求められます。

 

まとめ

 今あるヒット作を、構造(テンプレートと言ってもいい)と要素に分解し、要素を自分なりにアレンジすることが新しい作品を作る近道ですし、失敗する可能性も低いということですね。「大抵のオリジナリティはまずは模倣やリスペクトから生まれていく」という冒頭のメッセージのとおりだと感じます。

 また、リスペクトをするけれど、丸パクリと思われないように要素は別のところから持ってくるというのもポイントですね。少年漫画が好きなら、少女漫画風に物語を書いてみるとか、逆をしてみるとか。ファンタジーが好きなら現代物を書いてみるとか、自分の興味と作品を若干ずらすと、構造そのままで目新しい作品が作れるかもしれませんね。

 このエントリーがアイデアを出すときのヒントになれば幸いです。

■アイデア関連のエントリーも参考にしてみてくださいね。

「『斬新なアイデア』なんて先人が出し尽くしてる。だから『自分がやる』必然性に価値を見出しなさい」という話

アイデアが出てこない問題を解決する2つの方法

「アイデアとは複数の問題を一気に解決するものだ」

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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