美しさは時代を超える(物語のつかみ編)
Youtubeで動画を見ていたら、
hide with Spread Beaver – ROCKET DIVE
が流れて、昔好きだったなあと思いながら見ていました。
そしたら気づいたんです。
X Japanのhideのファッションセンスが時代を越えているなと。
この方、2019年に来てもファッションリーダですよ。
80年代のパワースーツとか
コギャルファッションとか
正直今の美的センスで見ると
あまり美しくないじゃないですか。
けれどhideのファッションは今でも違和感がなく、
むしろ美しいと感じます。
20年の時間を超えられる
美しさって、もう普遍なんじゃないかと。
(私の美的センスが止まっているだけ?)
とそう考えたときに、
物語書きとしてひとつのアイデアが浮かびました。
美しさが時代を超える、物語もそうでは
見出しにあるとおりですが、
美しさが時代を超えるなら、
小説などの物語の世界でも
そうなんじゃないかという疑問が浮かび上がりました。
何しろ私は境界を超えろ!という作品を書いている身。
時間という境界を超えられたらそれは最高の名誉じゃないですか。
そこで美しさとは何かについて調べてみました。
記事から気になった部分をピックアップ1
エレガントであること
「ただ外見が綺麗ってだけじゃ、美しいとは言えないと思うの。大切なのは態度。立ち居振る舞いの優雅さこそ、美しさと呼ぶにふさわしいわ」
美しさは時代の中に
「美しさは時代によって変わると思うわ。今の時流に乗った格好をしているなら、あなたは美しいと思う」
人生って美しいですよね
「その人の人生の物語とか、背景とか、大切なものがあったとして。追求し続ける姿は美しいですよね。その儚さを美しさって呼ぶんじゃないかな」
決意に満ちた瞳「人はみんな自分の人生の主人公で、すべてのことを自分で決断しなければならない。そういうときの瞳って、本当に美しいと思うわ」
https://tabi-labo.com/281908/define-beauty
記事から気になった部分をピックアップ2
ニューヨーク大学の心理学者らによる最新の研究では、
「美しさ」は1秒で決まる? 美の概念は科学的に説明できるものへ変わりつつある
「美」は、全く特別なものではなく、
単に「とても強烈な」快の感情であることが示されたのです。
美を感じるためにはたったの“1秒”あれば十分なのです。
具体的には、「左右対称性」や「丸み」といったものは
「美」の要素として考えられることが多い
美しさは人それぞれだが
美しさは人それぞれの解釈があり、
立ち居振る舞いの優雅さを美しいと表現したり、
その人の人生を追求し続ける姿を儚く美しいと表現する言葉に、
私も共感します。
(儚いは 消えてなくなりやすい。もろくて長続きしない。という意味です)
ですが科学者の意見が気になりました。
美を感じるためにはたったの“1秒”あれば十分。
「とても強烈な」快の感情 を想起するものが美だと。
つかみの1秒で物語を美しいと思うかどうかは決まる
だとすると美しさを物語に含めようと思うと――
表紙絵、文字の並びなどの見た目、冒頭の1文に
全てがかかっているといえるのではないでしょうか。
多少の執行猶予(読んでもらえる時間)がある場合は
数行の文章を使って気持ちいいも面白いも表現できるけれど、
美しさというのは最初の1文ですべて決まると。
確かに時代を超える名作は、
冒頭のつかみが秀逸です。
例えばひとつ時代を超えた名作を出しましょう。
『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。』
「雪国」 川端康成
美しい……です。
この一文は知っているけど小説の中身は正直知らない、
それくらい有名な一文です。
誰もが冒頭のつかみを大事にするのは、
美しさを追求しているからなのかもしれません。
物語の美しさの追求、これはやめないようにしたいですね。
P.S冒頭のhideの美しさについて
hideの美しさについては、
正直説明しきれるものではないと感じます。
1990年代を生きた人間と2010年以降に彼を知った人でも
意見が異なるだろうとも予想されます。
1990年代を生きた人間は、
hideの美しさをこう表現するかもしれません。
hideが美しいのは、
流行のファッションに流されるのではなくて、
彼自身が本当にカッコいい姿を追求し続けた結果であり、
その生き様や、人を愛し人に愛された彼の性格、
ミュージシャンとして出してきた楽曲の素晴らしさまでを
あわせて、hideという美が創りあげられている、と。
hideとともに生きたがゆえに、
彼のバックボーンまでを含めての美だと言うことですね。
けれどもしhideのそんなバックボーンを知らなくても、
2010年代にhideの姿へ美を感じる人がいるとすれば、
それはやはりひと目で
「とても強烈な」快の感情を想起させる魅力があるのだと思います。
研究者のいう
美を感じるためにはたったの“1秒”あれば十分
という研究結果と一致していますね。
だとすると、美しさという感情には2つの種類があるように思います。
ひと目見て美しいと感じる感情と、
長い物語を共有した先に感じる美しさです。
長い物語を共有した先に感じる美しさについては、
改めて書いてみたいと思います。
(今回はつかみの1秒で物語を美しいと思うかどうかは決まる
という話をさせていただきました)
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