小説のプロローグの書き方解説!冒頭ポエムはNG?適切な長さとは?

2021年7月10日

 本エントリーでは、読者に読んでもらえる小説のプロローグの書き方をまとめています。プロローグは小説の最重要ポイントです。プロローグの適切な長さや、冒頭ポエムを書きたくなる欲求についても書いています。

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プロローグとは?

 プロローグ(英:Prologue)とは、小説や物語における冒頭のエピソード(導入部分)です。

 プロローグはタイトルの次に読者が読む部分であり、読者がその物語を長く読んでくれるかの試金石となります。プロローグで興味を失った読者は早々に離れてしまい、二度と戻ってきません。それだけにプロローグは物語の最重要ポイントです。

 

プロローグの適切な長さは?

 プロローグと聞くと何文字くらいのストーリーを思い浮かべますか?
 500文字?2000文字?5000文字?

 小説仲間に聞いてみたら、幅があるのではないでしょうか。読者に読んでもらえるプロローグを書くためには、この文字数がポイントとなります。

 では何文字を目安に考えれば良いのか?

 私は、最初の3000文字〜4500文字がプロローグだと考えます。
 なぜなら一般的な小説の場合、プロローグに割ける文字数は8~10ページだからです。1ページの最大文字数は下の表にまとめている通り、532文字から756文字となります。

文庫本の文字数は1ページあたりどのくらい?

 では、8〜10ページで書ける文字数は何文字でしょうか? 756文字×10ページで7,560文字? これはありえません。10ページ全てが文字で埋め尽くされた小説など、誰も読まないでしょう。

 紙面に対する文字の割合は、紙面全体の1/2以内が望ましいとされています。 それ以上文章があると、画面のほとんどが文字ばかりの読みづらい紙面になってしまうからです。 つまり8〜10ページで書ける文字数は、756文字×10ページ÷2で、最大3,780文字程度が妥当でしょう。

  

 

冒頭ポエムはプロローグではない

 小説を書く人間は、冒頭ポエムが大好きです。例えばスターウォーズのオープニングクロールのような文章です。

時は内乱のさなか。凶悪な銀河帝国の支配に反乱軍の秘密基地から奇襲を仕掛け帝国に対し初めて勝利を収めた。

更にその戦闘の合間に、反乱軍のスパイは帝国軍の究極兵器の設計図を盗み出すことに成功。それは”デス・スター”と呼ばれ惑星をも粉々にするパワーを持つ宇宙要塞基地だった。

凶悪な帝国軍に追われながらレイア姫は盗み出した設計図を手に故郷へと急いだ。人類を救い銀河に自由を取り戻すために…

「スターウォーズ エピソード4:新たな希望」より

 こういった文章を書いてしまう原因は、壮大な物語を演出したいからでしょう。私も電子書籍版の『境界を超えろ!』で壮大な物語を演出するための冒頭ポエムを載せました。

 ですが、これこそが失敗の原因です。

 榊一郎さんはプロローグの要不要については、『それ、一章の冒頭ではいかんの?』と尋ねた上で、物語の世界観提示、主人公の人となりの確定など、物語冒頭で押さえておくべき流れを疎外するなら、『序章に隔離しろ』と教えているそうです。

弟子とかにはプロローグの要不要については、『それ、一章の冒頭ではいかんの?』と尋ねた上で、物語の世界観提示、主人公の人となりの確定など、物語冒頭で押さえておくべき流れを疎外するなら、『序章に隔離しろ』と教えてます。

榊一郎

 

 冒頭ポエムの何が悪いかというと、主人公が出てこないことです。

 読者は主人公に感情移入しながら本を読み進めます。主人公が出てこないまま文章だけで説明が行われる冒頭ポエムは最悪です。

 私は最初に、プロローグとは「冒頭のエピソード」だと書きました。「冒頭のエピソード」に書くべきものは、榊一郎さんの書いている通り、物語の世界観提示、主人公の人となりです。それらを書こうと思うと、500文字は少なすぎます。2000文字でも表現できるかどうか・・・となったときに、一息で読める文字数が参考になります。

 

 私は下記の記事で、Web小説の1話として適切な長さは、3000文字〜4500文字だと書きました。
 冒頭で紙面の都合上、最大3,780文字程度が妥当だと書きましたが、エピソードの長さという面からしても、3000文字〜4500文字がプロローグの適切な長さだと考えます。

 

プロローグで書くべき要素

 プロローグで書くべき要素としては下記があります。

  • 主人公の欲求を示す
  • ヒロインの登場(ラブコメの場合)
  • 弱い者を助ける(良いやつであることを示す)
  • 主人公が天才、または最強であることを示す
  • 主人公が仲間や家族から愛されていることを示す
  • 最初の挫折を書く(マイナスからスタート)
  • 続きが気になる終わり方
  • シンプルに書く

 先ほど、プロローグの適切な長さは3000文字〜4500文字と紹介しました。読者に読んでもらうため、プロローグを短編小説だと考えて書くことをオススメします。それぞれ見ていきます。

 

主人公の欲求を示す

 下記のエントリーでも紹介していますが、短編小説では「冒頭で主人公の「達成したい願望」や「問題」、「悩み」を書く」ことが大事です。それによって物語の目的が定まり、ゴールへと動き出すことができるからです。

 

ヒロインの登場(ラブコメの場合)

 ラブコメの場合は、冒頭のプロローグでヒロインを登場させましょう。ヒロインのいないラブコメは、冒頭ポエムが延々と続いている小説と同じです。

 主人公とヒロインの出会いからを書くのがラブコメです。前日譚は人気が出てきたら書きましょう。

 

弱い者を助ける(良いやつであることを示す)

 「教育を受けてない子供は無垢な天使でなく、狡猾なゴブリン」と言われるように、人間の本質は善とも悪とも言えません。ですが物語の主人公は、善人であってほしいです。

 そのため冒頭のプロローグで、弱いものを助ける良いやつであることを書きましょう。弱った猫を助けるとか、ドジでノロマなのにいじめられている子を放っておけないとか、ベタですがそういう正義感を示すと良いですね。

 

主人公が天才、または最強であることを示す

 近年、プロローグにおいて「主人公が天才、または最強であることを示す」重要度があがっています。追放ざまぁにしたって、主人公が「実は最強」「実は天才」であることを書きますね。

 「これをできるのは主人公だけ」というオンリーワンを書くと、キャタクターが一気に引き立ちますのでおすすめです。

 

主人公が仲間や家族から愛されていることを示す

 冒頭でパーティを追放される作品であっても、新しく出会う人たちに主人公が愛されている(尊敬されている)ことを書きましょう。

 人望のない主人公より、友達に囲まれている主人公のほうが魅力的に見えますし、作品も掛け合いが使えて、賑やかで楽しい物語になります。悪人を書く場合でも、理解者があらわれるシーンを冒頭で書くと良いですよ。

 

最初の挫折を書く(マイナスからスタート)

 冒頭のプロローグでは、主人公に何かを失わせることが重要です。失ったものを取り返すのが物語の典型だからです。

 主人公に何かを失わせるため、使える方法が挫折を書くことです。ですが失敗ではいけません。この塩梅が難しいのですが「最初の挫折を書く方法」は、下記のエントリーで解説していますので読んでみてください。

 

続きが気になる終わり方

 これはプロローグに限りません。読者に次の話を読んでもらうために、続きが気になる終わり方を常に心がけましょう。連載作品は1話完結の物語ではありませんから、読後に次が気になるモヤモヤを抱かせるのが正解です。

 では、プロローグで続きが気になる終わり方とはなにか? 具体的には第2話の導入を始めることです。

 例えば主人公とヒロインが学校で出会って喧嘩をし、自宅に戻ると、お互いの家族が実は親戚同士で一緒に住む展開になっていた。という展開でプロローグを終わらせると、第2話は一緒に住む主人公とヒロインはどうなるんだろうと気になりますね。

 また、こうして続きが気になる終わり方をしておくと、作者にもメリットがあります。話が一段落してしまうと、次を書き始めるのが大変ですよね。そこで続きが気になる終わり方をしておくと、作者としても次の展開はどうしようかと考えやすいです。結果として作品を早く書くことができます。

 

シンプルに書く

 ここまで「プロローグで書くべき要素」を7つ紹介しました。しかし3000文字〜4500文字で全てを組み込むのは難しいでしょう。

 「続きが気になる終わり方」は必須として、その他の6つは6回に分けて書けば構いません。あまり詰め込んだプロローグは、読者を疲れさせます。小分けにして、第6話までを実質的なプロローグとすれば読者も読みやすいです。

 

 

プロローグで書かないほうが良い要素

 冒頭ポエムは主人公が出てこないからNGという話を書きました。それ以外にも「プロローグで書かないほうが良い要素」があります。

 例えば戦闘シーンから始まるような本も多々ありますが、最近の傾向ですといきなりアクションシーンから始まっても、唐突な印象を与えて、読者が離れるという傾向もあるようです。主人公の圧倒的な強さを示すために500〜1000文字程度差し込むのらなら良いですが、あまりに長い戦闘シーンはオススメしません。

 それから、主人公の名前を明かさずに、『銀髪の男が〜』といった表現のまま数ページ引っ張る書く方がいらっしゃいます。あれも良くなくて、読者にとって、固有名詞がないままキャラクターを追いかけるのは負担です。あまりに引っ張ると、読者はこのキャラクター誰だっけ?となり、離れてしまいます。気をつけましょう。

 つまりプロローグのNGシーンは下記となります。

  • 主人公がでてこない
  • 唐突な戦闘シーン
  • 主人公の名前が明かされない

 これらを意識して書くことで、あなたの物語のプロローグはより良くなるはずです。ぜひ、試してみてくださいね。

※なお、一部のケースでは冒頭ポエムが成功することに気づきました。下記の記事についてもぜひご覧ください。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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