小説のプロローグの書き方、冒頭ポエムが成功する条件

 このホームページでは小説のプロローグの書き方についてご紹介しました。小説のプロローグというのは読者が一番最初に目にする部分であり、最重要の箇所です。ですから具体的な例もまじえ、わかりやすく書いてあります。

 そして、この記事でプロローグを書くときの注意点として、冒頭ポエムはNGという話をしています。スターウォーズのオープニングクロールのような文章を、小説の冒頭に差し込みたい、その欲望はよくわかります。ですがプロローグというのは、物語の世界観提示、主人公の人となりの確定など、書くべきポイントがあります。主人公と何の関係もないポエムは、作品を失敗に導くだけです。

 しかし、しかしそう言われても、冒頭ポエムをかっこよく決めたいという作家さんは少なからずいることでしょう。今回の記事はそんな人のために書きました。

 

冒頭ポエムは本当にダメなのか??

 冒頭ポエムは作品を失敗させる毒です。しかし、抜け道は存在します。
 つまるところ冒頭ポエムの問題は、主人公の人となりが出てこないこと。例えばNGの例を幾つかあげましょう。

・夢の中で天使と悪魔が戦っているようなシーンからはじまる。主人公は登場しない。
・「本当に大事なものはココロの中にある……そしてココロの中は誰にも見えない。誰にも」などと訳のわからない要領を得ない薄いポエムではじまる。

 主人公の人となりがわからない、何が伝えたいのかわからない、本のタイトルとも関係ない、なんでこの文章からはじまった?そんな疑問を抱かせるプロローグは本当にNGです。

 しかし裏を返せば、主人公の人となりと関連している、何が問いであるかを明確にしている(読者にも考えさせる)、本のタイトルと関係している。そんな冒頭ポエムであれば読みたいと思わせることができます抜群に上手くできていると感じたのは「ようこそ実力至上主義の教室へ」です。冒頭ポエムをご紹介します。

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〇日本社会の仕組み

 突然だが、ちょっとだけオレの出す問題を真剣に聞いて、答えを考えてみて欲しい。
 問い・人は平等であるか否か

 今、現実社会は平等、平等と訴えて止まない。
 男女の間は常に平等であるべきだと叫ばれ、その差を無くそうと躍起になっている。
 女性の雇用率をあげよう、専用車両を作ろう、時には名簿の順番にまでケチをつける。
 障害者ですらも、差別するべきではないとして『障がい者』と言葉を改めるように世論は働きかけ、今の子供たちは人は皆が平等だと教え込まれる。
 それは本当に正しいことなんだろうか。と、そんな風にオレは疑問を抱いた。
 男と女は能力も違えば役割も違う。障がい者はどれだけ丁重に表現しようとも障がい者であることに変わりはないのだ。そこから目を背けても何の意味もない。

 つまり答えは否。人は不平等なもの、存在であり、平等な人間など存在しない。

 かつて過去の偉人が、天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず、と言う言葉を世に生み出した。でも、これは皆平等なんだよと訴えていた訳じゃない。
 そう、この有名すぎる一節には続きがあることを皆は知っているだろうか。
 その続きはこうだ。生まれた時は皆平等だけれど、仕事や身分に違いが出るのはどうしてだろうか、と問うている。そしてその続きにはこうも書かれてある。
 差が生まれるのは、学問に励んだのか励まなかったのか。
 そこに違いが生じてくる、と綴ってある。それが有名すぎる『学問のすゝめ』だ。
 そして、その教えは少なくとも2015年を迎えた現代においても何一つ事実として変わっていない。もっとも、事態はより複雑かつ深刻化しているが。

 兎にも角にも……オレたち人間は考えることの出来る生き物だ。
 平等じゃないからと言って本能のまま生きていくことが正しいことだとは思わない。
 つまり、平等という言葉は嘘偽りだらけだが、不平等もまた受け入れがたい事実であるということ。オレは今、人類にとって永遠の課題に新たな答えを見出いだそうとしていた。

 なあ、今この本を手に取って読んでるそこのお前。
 お前は将来について、ちゃんと考えたことがあるか?
 高校、大学に通う意味って何だろうって想像したことがあるか?
 今はまだ漠然としていて、いつか何となく就職してるだろうなんて考えてないか?
 少なくともオレはそうだった。
 義務教育を終えて高校生になった時にはまだ気が付いていなかった。
 ただ義務という言葉が外れ自由になったことだけに喜びを感じていた。
 自分の将来が、人生が、その瞬間、進行形で大きな影響を与えていることに気が付いていなかった。学校で国語や数学を勉強することの意味すら理解していなかったんだ。

ようこそ実力至上主義の教室へ

 主人公の独白と思われる口語文。タイトルにある「実力至上主義の教室」と対応する平等か否かの問い、日本社会の仕組みという出だしで読者に他人事じゃないと思わせる手法。どれをとっても一流の冒頭ポエムです。

冒頭ポエムに必要なのは問い

 この「ようこそ実力至上主義の教室へ」の手法は、再現性があるように感じます。ポイントは以下の4つです。

・主人公の独白
・タイトルと対応する問い
・読者の日常と密接に関わっている問い
・現在進行系で答えがアップデートされている問い

 4つ中3つを問に関するものとしました。

 結局のところ作品の提示する問いに興味を持てれば、人は読むのです

 

2022年に一番興味を持てる問いは?

 冒頭ポエムを使っても良いケースとして、主人公の独白によって興味深い問いかけをすることを紹介しました。

 ですがこの手段をとるなら絶対に必要なものがあります。それは現代の読者が何に興味を持っているかを知ること、です。今の時代は価値観が多様化しており、どんな問いでも一定の興味を引く可能性はあります(男女平等、環境問題、菜食主義など)。しかし、せっかくですから大きなパイを取りに行きたくないですか?

 2022年中盤、世の中が一番興味を持っている問いの一つが、成田悠輔さんの「22世紀の民主主義」です。この本の要約からポイントを紹介します。

 経済と言えば「資本主義」、政治と言えば「民主主義」。勝者を放置して徹底的に勝たせるのがうまい資本主義は、それゆえ格差と敗者も生み出してしまう。生まれてしまった弱者に声を与える仕組みが民主主義だ。暴れ馬・資本主義に民主主義という手綱を与えることで、世界の半分は営まれてきた。

 二人三脚の片足・民主主義が、しかし、重症である。ネットを使って草の根グローバル民主主義の夢を実現するはずだった中等の多国民主化運動「アラブの春」は一瞬だけ火花をちらして挫折した。むしろネットが拡散する扇動やフェイクニュースや陰謀論が選挙を侵食。北南米や欧州でのギャグのような暴言を連発するポピュリスト政治家が増殖し、芸人と政治家の教会があいまいになった。

 ただの印象論ではない。今世紀に入ってからの20年強の経済を見ると、民主主義的な国ほど、経済成長が低迷し続けている。
(中略)
 政治家はネコとゴキブリになる

 えっ!?て想いますよね。結論は過激です笑 興味が湧いたらぜひ↓からポチってください。

 現代日本に住む私たちが漠然といだく不満を、成田さんは本にしてくれています。この本の中では、将来の社会の姿を提案していますが、まだ現代技術で実現できていない重要要素がいくつかあります。

 小説家を目指す私たちにできることは、現代で実現できていない重要要素を魔法やSFで実現してみせ、理想の社会を描く。その上で理想の社会を舞台にした学園ラブコメや巨悪との戦いを通して、成田さんの考えの矛盾や問題点に切り込めるとカッコいいですよね。

 「22世紀の民主主義」は本屋さんでも平積みされていますし、成田さんはAbematvやYoutuberの動画でよく見るようになりました。いま一番面白い問いと、いま一番面白い人のコラボレーションです。作品づくりにも良い影響を与えること間違いなし。時代においていかれないよう、読んでおくことをおすすめします!

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