創作ネタ | 小説が売れない時代に何をするか【モノ消費→コト消費→トキ消費→イミ消費】

2020年7月28日




 先日、自作品のキャラクターセリフ集をTwitterのモーメントにまとめました。そのなかでも、一番気に入っているフレーズを紹介します。

「そうだ。全生物の中で唯一、人間だけに与えられた、想像力という武器。この武器によって、復元者から地上の主権を取り返す。それが私の望みだ」

リーダーシップと紙とペン: プロジェクトレボリューション/インビジブルハンド LinkAuter Chronicle Xceedよりカリアス・トリーヴァ

 想像力。まだ見ぬ未来を思い描くことのできる力。クリエイターに備わった力ですね。

 さて、クリエイターなら先を見据えて作品を作るのも一興です。今日はちょっとした想像をしてみたいと思います。これからのWeb小説の展望についてです。

モノ消費→コト消費→トキ/イミ消費

 ものを販売するためにお客さんのニーズを調査したり、キャッチーなフレーズをつけたりする販売戦略全般のことをマーケティングといいます。

 マーケティングの世界ではだいぶ前から、「時代はモノ消費からコト消費へ」が謳われています。そして最近では、コト消費もすでに古くて、「時代はコト消費からトキ消費へ」「時代はコト消費からイミ消費へ」というメディアも現れました。

 移り変わりの早さが凄まじいですね。
 これまでの消費を一覧化すると、下記のようになります。

モノ消費:物質の所有に重きを置く消費
 目的:ステータス、利便性

コト消費:物質の所有よりも体験・経験を重視する消費
 目的:特別な体験、人間関係、パーソナリティ

トキ消費:体験・経験の中でもその時その場所でしか
     できないこと、人とのつながりに重きを置く
     非再現性や参加性、
     貢献性(ムーブメントへの参画)を重視。
 目的:所属、貢献

イミ消費:貢献の中でも、
     意識して行う社会貢献に重きを置く
 目的:社会貢献、エコ

 こういった情報を見たとき、我々クリエイターがここで考えてみるべきは、次にどういった消費が来るか。そしてその消費にあわせて、どういった作品を作り出すかでしょう。

 10万文字を書いて発表しようとしたら時間がかかります。ですが次の時代を見越した作品作りをしておけば、先駆者となれる可能性が上がりますよね。

マズローの欲求5段階説を活用しよう

 ここで参考にしたいのが、マズローの欲求5段階説です。

 人間の欲求にはピラミッド状の序列があり、低次の欲求が満たされるごとに、もう1つ上の欲求をもつようになるという考え方です。ピラミッドを下記に示します。

https://www.jimpei.net/entry/maslow

1段目 自分の生命を維持したい
2段目 身の安全を守りたい
3段目 他者と関わりたい、集団に属したい
4段目 自分を認めたい、他者から価値を認められたい
5段目 能力を発揮して創造的活動をしたい
6段目 至高体験を経験したい
※5段階説といいつつも6段階あります。

 モノ消費からコト消費、トキ消費という言葉は2段階目から3段階目に位置するのではないでしょうか?
 そしてイミ消費は4段階目を達成するために、他者から認められる「いいこと」をしているのではないでしょうか?

今は3段階目から4段階目の狭間にいる

 イミ消費は、これが全人類にとっての善なのだよという、わりと押し付けがましい考え方に見えます。ですので、私はこの消費は流行らないと思います。

 押し付けられた価値観が嫌いなんです。私たちって、自分らしく生きたい世代じゃないですか?(これも押し付けかな)

 議論は尽きないと思いますが、話をすすめるために、まだ4段階目は達成されていないとしましょう。

 となるとこれからは、

4段目 自分を認めたい、他者から価値を認められたい

 を満たすための消費が来るのでしょう。
 ですがちょっとここで立ち止まり考えてみます。

 あれ?これってWeb小説サイトで実現されてませんか?

 だいぶ前からWeb投稿サイトでは、チートや追放系が流行っていましたね。これは『他者から価値を認められたい』を具現化したものじゃないでしょうか。

 つまりWeb小説は、一般社会よりも一歩先をいってしまっています。いうなれば『自分を認めたい、他者から価値を認められたい』というニーズを、小説を通して満たしてあげるという、

ロール消費:他者から認められる体験

 がすでに進んでいるんですね。

 だとすると、Web小説の今後は、第5段階。
 自分自身の能力やアイデアを具現化、実現化するような消費が、ブームとなるのではないでしょうか。

 そう、つまり。

モデル消費:能力を発揮して、消費者自身が創造的活動をする(モノを作りあげる)

 ような消費が主流になるのではないかと。

※一般社会では、2020年代なかばくらいにVRが全盛期を迎えて、ようやくロール消費が活発化するでしょう。モデル消費が活発化するのは、さらに先……脳の電気信号を読みとって3D化2D化するような装置が生まれて、ようやく実現されるものと予想します。

モデル消費の問題

 モデル消費には一つの問題があります。

 というのも、モデル消費の段階まで進んでしまうと、『読者がWeb小説に書く』ことが読者のニーズを満たすというループが発生してしまうのです。
 つまり、誰もが創造者であり消費者になるということ(これも、半ば実現しているかもしれません)。

 この状態になると、小説を書く人間はいても、買う人間はいなくなります。小説という媒体は今以上に売れなくなるでしょう。

 そんな恐ろしい世界が来るのか……と絶望するのはまだ早いです。
 なぜならモデル消費の世界においては、他分野との交流が活発化すると考えられるからです。

 つまり、小説家が絵をかけないように、絵は描けるけど小説は書けない。音楽はつくれるけど詞がつくれないという人が出てくるはずです。

 Web小説で生計を立てたい人は、ここに目をつけるしかありません。
 SKIMAは、絵を描けない人のために、プロのイラストレータさんが絵を描いてくれるサービスでした。

イラスト依頼サイト『SKIMA』でイラストのプロに挿絵を依頼してみた!

 では、小説の書けない人のために小説を書いてあげる。誰かのつくったアイデア(プロット)をかわりに物語にしてあげる。そんなサービスの需要が出てくるでしょう。

ココナラ – あなただけの台本づくり、あなただけの物語づくり

 また、誰かが書いた小説を、より良いものにしてあげるお手伝いをしたり(このサイトもそうです)、下読みをしてあげるサービスも需要があるはずです。

メモリアさんの下読み
 https://togetter.com/li/1466246

ココナラ – 物語へのアドバイス、感想

 これらのサービスは、今後もどんどん伸びるでしょう。

他人の創作のお手伝いをしないとお金が稼げないなら……自分を捨てて奉仕するしか無いのか?創作者には地獄なんだが……。

 誰かの創作を助ける時代……では自分を捨てて奉仕するしかないのか?

 答えはもちろん、否です。
 むしろこれからは、これまで以上にお金を稼ぐことと、自分の創作をすることを切り離して考えたほうがいい時代となります。

 では作家としては何を創るべきか。これは自分の願望を叶える作品じゃないでしょうか。流行らないかもしれないけれど、自分の書きたいものを書いて、欲求を発散させたり、悩みを解消したりする……禅の精神がいま求められていると思います。

Zen is about finding yourself (finding out who you really are), as well as finding truth – not worshipping others, but believing in yourself, knowing “who you really are,” being yourself, living in your own way. These are the goals of Zen.

禅とは自己の探究(本当の自分を見つけ出すこと)であり、真理の探究です。他者を崇拝するのではなく、 自分を信じること、「本当の自分」を知ること、自分らしくあること、ありのままの自分を生きることです。これが禅の目指すものなのです。

https://samuraimeetups.or.jp/culture/the-top-10-zen-sayings-zengo

 そして、ありのままの気持ちで書いた作品が、誰かの胸に響いたとしたら。これが作家にとって、一番の幸せじゃないでしょうか。

物語を書くときに大切にしているものはなんですか?

 実は「注意を完全に保持するに足るような興味深い事柄に魅惑させられ、熱中し夢中になること」。要約すれば、ありのままの気持ちで書いた作品が誰かの役に立つこと。
 これこそが、マズローの提唱した第6段階、至高体験です。私たち作家は、一般の人よりも一歩先にいるように感じます。

 熱中できる何かを探し当てて、至高体験を経験したいですね。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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