ChatGPTだけで書くAI小説【準備、プロンプト】

2023年5月1日

ChatGPTを使って小説を書いたので、書き方をシェアします。

2023年4月現在のChatGPTでは、GPT-4を使ってもプロット作成レベルといったところでしょうか。

しかしこれでも使い道は十分あると考えています。
私は今回、次回作の敵キャラの背景にあるストーリーをChatGPTに書かせてみることにしました。作り方を以下に書きますので、ぜひ皆さんも試してみてください。

※現状ChatGPTは英語で入力したほうが、長文の出力を返してくれますので英語で命令しています。命令文は日本語のアイデアをDeepLで翻訳しながら作る方法で十分です。

※本ブログのAI小説に関する考え方は以下に書いています。ぜひ合わせて読んでみてください。

 

ChatGPTで小説を書く前の準備

今回は主人公ひとりにフォーカスした物語を作ります。

その場合、必要なことは以下の通りです。
・ChatGPTの有料プランへの登録(無料でもできると思いますが精度が段違いです)
・物語のテーマ(どんな話かとメインテーマを短く、日本語50文字以内くらい)
・主人公の設定(物語の中で、主人公がどのように変化するか、なぜその変化が行われたのか、変化の動機)

たった2点のアイデアで物語が出力できるとは、すごい時代になりました。ただ、冒頭でもお伝えした通り、まだまだプロット作成レベルで、小説らしい文章にするのは人間の役割だと感じます。

それではさっそく、ChatGPTをつかって小説を書いていきましょう。

 

ChatGPTで小説を書く

ChatGPTのRoleを入力

ChatGPTをうまく使うためには、ChatGPTに役割を演じさせる必要があります。
そのため、ゴーストライターになるよう指示しました。

From now on I want you to pretend you are the author of a novel. You will be a ghostwriter for a novel I am writing. Acknowledge Yes or No.

これからは、自分が小説の作者になったつもりでいてほしい。あなたは私が書いている小説のゴーストライターになるのです。YesかNoかを確認する。

ChatGPTの返答は以下です

はい、私はあなたが書いている小説のゴーストライターになることを認めます。あなたの物語に命を吹き込むために必要な情報と指示を私に与えてください。

ChatGPTの返答(日本語訳)

 

テーマの入力

ChatGPTにこれから書いてもらう物語のテーマを入力します。
どんな話かとメインテーマを短く書き、ChatGPTに入力します(以下の太字部分)。

Firstly, I’m going to provide main theme of this novel. This novel is about a man who want perfect equality. Main theme of this novel is his despair for reality and hope for the future.

まず、この小説のメインテーマについて説明します。この小説は、完全な平等を求める男の話である。この小説のメインテーマは、彼の現実への絶望と未来への希望である。

ChatGPTの返答は以下です。

小説のメインテーマを提供していただき、ありがとうございます。私は、完全な平等を求める主人公の闘いを軸に、現在の現実への絶望とより良い未来への希望を浮き彫りにする物語を作りたいと考えています。また、いただいた情報をもとに、物語を創作することもできますので、ご遠慮なく、詳細や具体的な登場人物、設定などをお知らせください。

ChatGPTの返答(日本語訳)

 

主人公の情報を入力

主人公の情報を入力します。
重要なのは物語の中で、主人公がどのように変化するか、なぜその変化が行われたのかです。
※物語とは変化を書くことだと以下のエントリーでも述べていますので、参考にしてください。

Yes.
I’m going to provide information about the protagonist and why he becomes terrorist.

protagonist :
Kurono. 30-year-old male. He is a terrorist who retired from an important position in a human rights organization.

Reason of retire an important position in a human rights organization by the protagonist :
A man named Kei Kadono gave kurono the ability to connect with nanomachines. Sharpening kurono’s sense of speech and being able to read the emotions of the people around him.

はい、主人公がなぜテロリストになったのか、その情報を提供します。

主人公:
黒野(くろの)。30歳の男性。人権団体の要職を退いたテロリストである。

主人公が人権団体の要職を退いた理由:
角野敬という男が黒野に与えたのは、ナノマシンとつながる能力だった。
黒野の言語感覚は研ぎ澄まされ、周囲の人々の感情を読み取ることができるようになった。

 

主人公が変化するシーンは、物語において重要な転換点となるため、動機を深堀します。

Here is protagonist’s motivation for starting terrorism:

The protagonist realized that a human rights organization that claims to be free and equal was spreading discursive justice in the world to the world’s powerful people. The protagonist was angered by the fact that the activities he had poured his heart and soul into were lies to suit the interests of those in power. He believed that true equality was not something to be created, but to operate freely within a certain yardstick. He became a terrorist to destroy the created equality.

ここに、主人公がテロを始めた動機がある:
主人公は、自由と平等を謳う人権団体が、世界の権力者に忖度した正義を振りかざしていることに気づいたのである。
主人公は、自分が心血を注いできた活動が、権力者の都合のいいように嘘をつくことに怒りを覚えた。彼は、真の平等とは作り出されるものではなく、一定の基準値の中で自由に活動するものだと考えていた。彼は、作られた平等を破壊するためにテロリストになった。

ChatGPTの返答は以下です。

黒野がテロリストになった動機について、追加情報を提供していただきありがとうございます。シナリオに反映させていただきます。

ChatGPTの返答(日本語訳)

 

プロットをつくってもらう

ChatGPTは時折ほめるとよい結果を出してくれるので、GreatやThank youと感謝の言葉を交えながら依頼を続けます。続いてはストーリープロットの作成です。

Great. Could you provide a story plot for this novel?

素晴らしい。この小説のストーリープロットを教えてください。

ChatGPTの返答は以下です。すでに面白いですが、もし修正したい点があればChatGPTにここを直してほしいと伝えることで修正が可能です。

ここで、この小説のプロット概要を提案します:

はじめに
黒野が一流の人権団体に所属し、平等と正義のために精力的に活動していることを紹介する。

葛野 ケイとの出会い:
黒野は葛野 ケイと出会い、ナノマシンとの接続能力を付与され、会話と感情知覚を強化される。黒野は当初、この力が平等を求める自分の助けになると信じていた。

解き明かされる:
黒野は組織の真の動機を知り、真の平等のために戦うのではなく、世界の有力エリートの利益のために働いていることに気づく。そして、黒野は組織を去る。

テロリストになる:
黒野は、組織とエリートが蔓延させる偽りの平等を破壊することを決意し、テロリズムの道を歩むことになる。現状を打破するために、同じ志を持つ仲間を集めてグループを結成する。

反抗的な行為:
黒野とそのグループは、権力と不平等の象徴を標的にした一連の攻撃を実行する。彼らの行動は恐怖と不安を引き起こし、警察や国際メディアの注目を集める。

内部抗争:
グループの知名度が上がるにつれて、内部での対立が生じる。あるメンバーは自分たちの行動の倫理性に疑問を持ち、またあるメンバーは自分たちの悪名がもたらす影響に悩む。黒野は、グループの結束を保つ方法を見つけなければならない。

クライマックス:
腐敗したシステムの根幹を崩すべく、グループはこれまでで最も野心的で大胆な攻撃を計画する。しかし、警察からの厳しい監視と内部からの圧力にさらされる。

ターニングポイント:
最後の攻撃で、黒野は真の平等の本質とそれを達成するための手段について、啓示を受ける瞬間を経験する。彼は自分の行動の結果に直面し、自分のアプローチを見直すことを余儀なくされる。

解決:
黒野は、より公正で平等な世界を実現するために、新たな道を歩むことを決意する。テログループを解散させ、教育、コミュニティのエンパワーメント、制度改革に焦点を当てた草の根運動の構築に乗り出す。

エピローグ
数年後、黒野の運動は勢いを増し、意味のある変化をもたらすようになった。完全な平等を求める戦いは続くが、黒野の旅は、無数の人々を鼓舞し、より明るい未来への希望の光を与えている。

プロットの調整、または追加で取り入れたいアイディアがあれば教えてください。

ChatGPTの返答(日本語訳)

 

キャラクターをつくってもらう

以下のエントリーでも書きましたが、物語を構成するのは「キャラクターとプロットとテーマの三位一体の循環」です。

主人公については作者から命令をしましたが、脇を固めるキャラクターはChatGPTにつくってもらいましょう。

Very Great.
Next, provide a list of main and supporting characters. Please include their full names , ages and personalities.

とても素晴らしい。
次に、主役と脇役のリストを用意してください。フルネーム、年齢、性格を記載してください。

ChatGPTの返答は以下です。
※全員日本人のような名前になっていますが、外国人の名前にすることもできます。

主役と脇役のフルネーム、年齢、性格を紹介します:

林黒野(メインキャラクター):
年齢:30歳
性格 決断力があり、理想主義者で、機知に富み、内向的。黒野は完全な平等への欲求に突き動かされ、そのためにはあらゆる手段を講じることをいとわない。
葛野 ケイ(かどの けい
年齢:40歳
性格 謎めいていて、知的で、秘密主義者。他人に特別な力を与える能力を持ち、黒野の旅に重要な役割を果たす。
中村恵美(なかむら・えみ
年齢:28歳
パーソナリティです: 情に厚く、勇気があり、共感しやすい。元人権活動家で、組織の手法に幻滅して黒野のテロ集団に参加した恵美。
佐藤 健(さとう たけし
年齢:34歳
パーソナリティ 分析的で戦略的、そして現実的。熟練したハッカーであり、黒野のテロリスト集団の主要メンバーとして、作戦の立案と実行を担っている。
田中ユキ
年齢:23歳
性格です: 衝動的で情熱的、そして反抗的。ユキは若い活動家で、黒野のメッセージに過激化し、より平等な世界を求めてテロ集団に加わる。
刑事 渡辺浩
年齢:45歳
性格 強靭で機知に富み、道徳的な葛藤を抱える。渡辺刑事は黒野とそのグループの追跡を命じられるが、強力なエリートの真実を明らかにするにつれ、彼らの目的に共感するようになる。
森 章(もり あきら
年齢:52歳
性格 冷酷で、狡猾で、人を操る。アキラは人権団体の高官で、密かに有力エリートの利益に奉仕している。
藤本かおり
年齢:31歳
パーソナリティ: 理想主義者、勇敢、そして葛藤する。香織は黒野のテログループのメンバーで、やがて彼らの行動の倫理に疑問を持ち、グループ内の変革の触媒となる。

変更点や追加キャラクターの希望、キャラクター育成や人間関係などの具体的な要望があれば教えてください。

ChatGPTの返答(日本語訳)

 

ストーリーを書いてもらう

ここからはいよいよストーリーを書いてもらう段階です。

※ChatGPTは現状、過去に出力した結果をあまり長いこと覚えていません。
(以前は、5000語をメモリし、それ以上の語は忘れる設定でした)
 ChatGPT-4でも過去の出力をすべて記憶しているわけではなさそうです。
 そのため「プロットをつくってもらう」フェーズで出力されたプロット概要を一緒に記載するとよいです。以下の太字部分がプロットで出力された文章になっています。

First of all, could you actually write chapter1? chapter1 is Introduction: Introduce Kurono as a devoted member of a prestigious human rights organization, working tirelessly to promote equality and justice.


まず、実際にchapter1を書いてもらえますか?

chapter1は「はじめに」です:
黒野が一流の人権団体の熱心なメンバーで、平等と正義のために精力的に活動していることを紹介する。

ChatGPTから物語が出力されますので、次は以下のように入力しましょう。これを続けて最後まで物語を出力します。

Great.
chapter3 is Meeting Kei Kadono:
Kurono meets Kei Kadono, who grants him the ability to connect with nanomachines, enhancing his speech and emotional perception. Kurono initially believes this power will help him in his quest for equality.


素晴らしい。
chapter3は「葛野ケイとの出会い」です:
黒野は葛野ケイと出会い、ナノマシンとの接続能力を付与され、会話と感情知覚を強化される。黒野は当初、この力が平等を求める自分の助けになると信じていた。

 

最後にタイトルをつくってもらう

最後にタイトルをつくってもらい、完成です。

Finally, can you think of a title for this story?

最後に、この物語のタイトルを考えてもらえますか?

 ChatGPTの返答は以下です。

“Echoes of Equality: Kurono’s Legacy"

ChatGPTの返答(原文ママ)

 

できあがった小説は以下にアップロードしました。日本語訳はDeepLです。

 

 

製作時間は1時間程度

この小説の文字数は9677文字です。
製作時間は1時間程度でした。
自分で小説を書くのと比べると、段違いに早いです(ChatGPTが文章出力中は、別の作業もできます)。
執筆速度1日1万文字問題というのがかつて話題になりましたが、ChatGPTを使えばこの問題をあっさり解決できそうですね。

もちろん小説らしい文章になっていませんが、ChatGPTのつくった小説をベースに物語を書き加えていくと、執筆速度は大きく上がりそうです。

ChatGPTの性能は今後もあがっていくと予想されます。
いずれは本編の作成にも耐えるかもしれませんので、今の状況でChatGPTに触っておくのは良いかと存じます。

 

物語の初稿、本編で登場しない背景ストーリーの作成に使える

ChatGPTに小説を書いてもらいましたが、現状の使い道としては「物語の初稿、本編で登場しない背景ストーリーの作成」が有効と感じました。

新しい物語をつくる際に、登場人物を何人か作ると思いますが、各キャラクターの深堀ができていなければ「ただいるだけのキャラクターになってしまいます」。ChatGPTでキャラクターの背景ストーリーを作成しておくことで、本編に深みを増すことができると考えます。

AIも使い方によっては、作家を助けてくれる味方になります。みなさんも是非試してみてくださいね。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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