創作ネタ | AIが適職選んでくれて栄養バランスのよいご飯を三食出してくれたらどうする?AI時代の管理社会の書き方

2021年9月10日

AI「人間は愚かだ。だから適性にあった職をこちらで用意し栄養のある食事を与え管理されている方が幸せなのだ」主人公「それは違う!」大衆「え?いや…?」

 この一連のツイート物語のネタとしてとてつもなく面白いですよね。

管理者AI「人間は愚かだ。その上弱い。だからそれぞれの適性にあった職をこちらで用意し、栄養素を管理した食事を与え、病気もさせずに管理されている方が幸せなのだ」
主人公「それは違う!人間はどんな困難も乗り越えるべきなんだ!管理される幸せなど偽りだ!」
大衆「えっ?いや……?」

 もちろん先ほどのツイートはギャグだと理解していますが、一昔前の物語であればどうだったかな?と考えてしまします。AI側はもっと明確な悪として書かれているでしょう。
 例えば主人公が「AIによる管理を打ち破る」「すべてが決まっている管理社会を打倒する」作品、管理ではなく自由な生き方を選ぶ!という物語が多いはずです。

 決められたレールを歩くだけなんで絶対嫌という気概もあったのでしょうし。昔はAIが何をできるのかわからない、不気味な存在だったという理由もあるかもしれません。
 昨今AIが身近な存在になって、AIの優秀さや信用度も高まってきて、今の国や会社の上層部が嫌になって……、感情のないAIに管理される物語を受け入れる土台ができたのかもしれませんね。

 ですが世の中が管理されたい人間しかいなくなってしまったらどうなるのか……とても怖いですよね。そんなときに思い出してほしいディストピアものが、アーマード・コアです。

 

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【ネタバレ】地下世界の管理者と戦う神シナリオ【アーマード・コア3】

 アーマード・コアシリーズのシナリオといえば、初代で繰り広げられた「暗い地下世界で繰り広げられる企業間紛争」が有名です。企業が巨大な力をもって国がなくなるというのは、GAFAが台頭する現代に似ていて、リアルですよね。

 そのアーマード・コアシリーズの中でもシナリオがいいと評判なのが、PS2で発売されたアーマード・コア3です。

―その世界に、空は無かった―
惑星規模での大規模な災害から数百年後――。
僅かに生き残った人々は、この大災害を予見していたいくつかの国家によって建造された地下都市「レイヤード」に移り住み、
「管理者」と呼ばれるAI管理機構に自らを委ね、その庇護と統制のもとに暮らしていた。

長い時の中で、レイヤードでは国家に代わって「企業」が力を持ち、やがて「企業」は力を求め、互いに争いを始めた。
しかしその争いすらも、「管理者」の掌の上の出来事に過ぎなかった。
「管理者」があまりに生活に溶け込んでいるため、「管理者」自体の存在が希薄になるほど、日常の全てが管理されている世界。
その支配を受けない唯一の例外は、報酬によってのみ依頼を決定し、機動兵器「アーマード・コア(AC)」を駆る「レイヴン」と呼ばれる傭兵達のみであった。
~
全てが予定された世界。
だがそれは、徐々に狂いを生み始めていた。

 主人公は「アーマードコアと呼ばれる機動兵器を操る傭兵であるレイヴン達を管理・ミッションの仲介をする企業」に所属し、薄汚い依頼をこなすレイブンです。アーマード・コア3は「地下世界の統制者」つまり「管理者」に起こった異変と、「管理者」に立ち向かう企業がストーリーの中心となります。

『我々が頭上に見ることが出来るのは、人工の、作られた空です。それが我々の世界なのです。』

このディストピア感あふれるアーマード・コア3。シナリオが神がかっていたんですよ。
 全てはこのツイートにまとめられていますが

 AC(アマコア)3は管理者が市民の自立の最後の試練として、管理された世界(地下空間)を崩壊させていき市民が管理者に対抗して管理者を打倒出来るかを測り、達成出来れば地下空間から地上へ出ていくゲートを開放するという神シナリオを思い出した。

 アーマード・コア3のシナリオは地下世界の全てを統率する管理者が暴走した!?と思わせておいて。実は人間が「惑星規模での大規模な災害から復旧した世界」を「作られていない空」を頭上に見るに足る存在で存続するべきかを試していた……。つまりAIからの卒業試験だったという神シナリオだったんですね。

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AI時代の管理社会の書き方

 私が古い世代だからか、人間が管理される世界というのは、どうしてもディストピア・バッドエンドに感じてしまいます。そこには自分の意志がないから。それに誰の意志にも染まらない道具というのは、逆に言えば誰の意志にも染まる恐ろしい兵器なんですよね。

 だから物語の中では、AIが権力者に利用される展開も多いです。ネタとしても考えやすいです 笑

 しかしだからこそ、常識に逆行して「誰にも利用されない、無謬の存在としてあり続けるAI」を書くのも面白いかもしれません。
 AIといえば敵になるか乗っ取られるかがお約束だったのが、守るべき仲間になるという選択肢も取れるようになれば、物語の幅が広がります。SF作家の皆様、ぜひ試してみてください。
 今後は物語の登場人物に、男と女が当たり前に出るように、AIも当たり前に出るようになったらいいな。楽しみですね。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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