物語における期待値管理【感情曲線も活用】

2020年12月30日




 小説の連載を始めたけれど、第1話はPVを集められても、途中で読者が離脱してしまう。そんな悩みを持っている方に向けた記事です。

 読者が物語にどのような展開を期待しているかを意識して、物語を書けるといいですが、難しいですよね。そこで使えるのが感情曲線です。

 本エントリーでは『感情曲線6パターンと物語の類型12パターン。どう活用したらいいの?活用方法も伝えます。』でご紹介した感情曲線6パターンから、まず読者が物語にどのような展開を期待しているか?を考えます。

 そしてその期待に対して、
・期待に応える(プラス要素)
・期待の裏切り(概ねマイナス要素)
・失望の維持(マイナス要素)
・失望の裏切り(プラス要素)
という4つの期待値管理をどう行っていくか、書いていきます。

 

期待に応える(プラス要素)

 期待に応えるは、読者にプラスの効果をあたえる期待値管理です。

 私は期待を、ワクワクと言い換えてもいいと考えています。
 ワクワクとは、心が落ち着く要素を排除することと、ポジティブな方向に進んでいることです。
ワクワクする物語とは〜ワクワクの正体を掴んだ〜

 当たり前ですが、期待させておいてそれを裏切ると、ガッカリします。
 期待が大きいほどガッカリも大きくなる……(勝てるはずの勝負に負けるとか)は、心にグサッときますよね。物語における期待の裏切りは、作り手としては絶対に避けたい要素です。
 一度、期待が裏切られると、作り手への信頼感が落ち、その後の「ワクワク要素」も価値が落ちます。そうなると読者は、離脱してしまうでしょう。

 では、読者の期待に応えるにはどうすればいいでしょうか。

 私からご提案するのは、二つの方法です。
①感情曲線6パターンのどの物語を書くかを決める。
②感情曲線に応じたラストに向けて、期待値を管理する。

 下記に感情曲線6パターンごとに、読者の期待と期待に応えるための方法をまとめました。

成功型
 勝ち続ける、立身出世物語に見られる
 感情値の「一定して継続的な上昇」型
→読者の期待は勝つこと。主人公が勝つことが期待に応えることとなります。

悲劇型
 負け続ける、悲劇に見られる
 感情値の「一定して継続的な下降」型
→読者の期待は負けること。主人公が負けることが期待に応えることとなります。

逆転型
 感情値の「下降から上昇」型
→読者の期待は勝つこと。主人公が追い込まれていきながらも、最後に勝つことが期待に応えることとなります。

絶望型
 感情値の「上昇から下降」型
→読者の期待は負けること。主人公がポジティブな方向へいきながらも、最後に負けることが期待に応えることとなります。

感動型
 感情値の「上昇⇒下降⇒上昇」型
→読者の期待は勝つこと。幸せな立ち位置の主人公が、追い込まれていきながらも、最後に勝つことが期待に応えることとなります。

お笑い型
 感情値の「下降⇒上昇⇒下降」型
→読者の期待は勝つこと。冴えない立ち位置の主人公が、成功していきながらも、最後に負けて読者の期待を裏切ることで笑いを生じさせます。

 

期待の裏切り(概ねマイナス要素)

 期待の裏切りは、読者に概ねマイナスの効果をあたえる期待値管理です。

①感情曲線6パターンのどの物語を書くかを決める。
②感情曲線に応じたラストに向けて、期待値を管理する。  
という二つの方法に取り組む中で、期待の裏切りも考える必要があります。

成功型
→読者の期待は勝ち続けること。
 負けることが期待の裏切りとなります。成功型については、主人公は本当に負けないまま終わるほうが良いケースがあります(負けるシーンは仲間に任せる)。

悲劇型
→読者の期待は負けること。
 勝つことが期待の裏切りとなります。とはいえ勝つことは読者にとって気持ちのいいことですから、悲劇型でまれに勝つことも有りだと思います。

逆転型
→読者の期待は勝つこと。主人公が追い込まれていきながらも、最後に勝つことが期待に応えることとなります。
 主人公が追い込まれていきながら、勝ってほしいところで勝たないことが期待の裏切りとなります。いつまでも主人公が勝たなければ、読者は気持ちよくありません。追い込むのも程々にする必要があります。

絶望型
→読者の期待は負けること。主人公がポジティブな方向へいきながらも、最後に負けることが期待に応えることとなります。
 主人公がポジティブな方向へいきながら、負けてほしいところ(例.調子に乗っているところ)で負けないことが期待の裏切りとなります。最終回だけが負け……というのも読者への裏切りになります。

感動型
→読者の期待は勝つこと。幸せな立ち位置の主人公が、追い込まれていきながらも、最後に勝つことが期待に応えることとなります。
 幸せな立ち位置の主人公が、追い込まれていきながらも、勝ってほしいところで勝たないことが期待の裏切りとなります。いつまでも主人公が勝たなければ、主人公が可哀想になってきます。読者は気持ちよくなりたいのです。

お笑い型
→読者の期待は勝つこと。冴えない立ち位置の主人公が、成功していきながらも、最後に負けて読者の期待を裏切ることで笑いを生じさせます。
 冴えない立ち位置の主人公が、成功し続けてそのまま終わることが、期待の裏切りとなります。ツッコミ、オチのない物語はお笑いじゃないですね。

 

失望の維持(マイナス要素)

 失望の維持は、読者にマイナスの効果をあたえる期待値管理です。
 失望の維持は、どの感情曲線パターンでも、できるだけ短くします。

 

失望の裏切り(プラス要素)

 失望の裏切りは、読者にプラスの効果をあたえる期待値管理です。
 期待の裏切りの逆パターンとなります。

成功型
→読者の期待は勝ち続けること。
 負けることが期待の裏切りとなります。逆にほとんど負け……からの圧勝が失望の裏切りになります。

悲劇型
→読者の期待は負けること。
 勝つことが期待の裏切りとなります。逆にほとんど勝ち……からの圧勝が失望の裏切りになります。まさに悲劇です。

逆転型
→読者の期待は勝つこと。主人公が追い込まれていきながらも、最後に勝つことが期待に応えることとなります。
 主人公が追い込まれていきながら、勝ってほしいところで勝たないことが期待の裏切りとなります。逆にもう勝たないんだなーと思わせておいて……からの勝ちが失望の裏切りになります。いかにもう勝たないんだなと思わせるかが、逆転型のポイントです。

絶望型
→読者の期待は負けること。主人公がポジティブな方向へいきながらも、最後に負けることが期待に応えることとなります。
 主人公がポジティブな方向へいきながら、負けてほしいところ(例.調子に乗っているところ)で負けないことが期待の裏切りとなります。逆にもう負けないんだなーと思わせておいて……からの負けが失望の裏切りになります。……でも最終回ではじめて負けるのは無しだと思いますね。。読者は成功型だと思って読んでいると思いますので。

感動型
→読者の期待は勝つこと。幸せな立ち位置の主人公が、追い込まれていきながらも、最後に勝つことが期待に応えることとなります。
 幸せな立ち位置の主人公が、追い込まれていきながらも、勝ってほしいところで勝たないことが期待の裏切りとなります。逆に主人公が勝たなさすぎて可哀想になったころ、勝つのが失望の裏切りになります。

お笑い型
→読者の期待は勝つこと。冴えない立ち位置の主人公が、成功していきながらも、最後に負けて読者の期待を裏切ることで笑いを生じさせます。
 冴えない立ち位置の主人公が、成功し続けて……成功したまま終わるんかいーと思わせておいて、最後の最後にオチが待っていた、というのが失望の裏切りになります。

 

まとめ

 感情曲線6パターンと物語の類型12パターン。どう活用したらいいの?活用方法も伝えます。で、ご紹介した感情曲線6パターンから、読者が物語にどのような展開を期待しているか?を考え、その期待に対して、

・期待に応える(プラス要素)
・期待の裏切り(概ねマイナス要素)
・失望の維持(マイナス要素)
・失望の裏切り(プラス要素)
という4つの期待値管理をどう行えばいいか、ご紹介しました。

 あらすじやSNSでの紹介時点で、物語が感情曲線6パターンのどのパターンなのか明示しておくと、読者も心構えしやすいかもです。参考にしてみてくださいね。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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