白黒思考に囚われることの危険性 – 0点か100点で評価するのはやめよう –
小説を書いていると自分には才能がないんじゃないか、いっそ辞めてしまおうと感じることはありませんか。
2020年台のトレンドは、タイムパフォーマンスだと強く感じています。若い世代は失敗を極度に嫌いますし最速で良質な経験をすることに力を注いでいます(動画を倍速で見たり、合わないと感じた会社をすぐに転職したりしていますね)。
つまり今の世の中は、0か100の価値観が蔓延っています。婚活をしていても、少しでも理想と合わない人についてはあっさりとコミュニケーションを断つ人が多くいらっしゃいます。
この記事では、こうした世の中や人間関係における「白黒思考(二極化)」についての問題点を指摘し、どうすればそれにとらわれずに済むかを考察しています。
世の中はグラデーションでできている
物事は、段階がなく滑らかに変化するグラデーションでできていることが多いです。小説の才能がある、ないの間にも無限の段階がありますよね。
ですが、それだと分かりにくいから人は段階的に区切ろうとします。区切ることで理解しやすくなりますが、細かい違いが見えなくなります。やりすぎると「白か黒か」の二択だけになり中間が無理やりどっちかに押し込められるから、問題が起きやすくなります。
二極化の危険性
自分の中だけで白黒分けしてるならいいけど、それを他人や社会に押し付けると厄介なことになります。
例えば「普通の人」を「勝ち組」か「負け組」に分けるなんて理不尽すぎますし、白黒思考が進むと「100点じゃなきゃダメ」「99点は全然ダメ」みたいになり、ほとんどのことが「ダメ」判定されるようになります。
小説を書くことについて言えば、10万文字書けるだけで50点以上の才能はあるはずなのに、100点じゃないからダメという考えになってしまいます。
もしあなたが白黒思考に囚われてしまうと、自分を「絶対的に正しい存在」か「完全にダメな存在」のどっちかに決めつけたくなりがちで、どちらにしても苦しい状態になります。
集団化すると危険性が高まる
白黒思考が強い人たちは、だいたい「自分たちが正義、反対する人は悪」と決めつけて仲間を作りたがります。
そうなると仲間内でのノリや排他性が強くなって、外部の人を排除していきます。この状態が進むと疑似宗教のようになり、内部のルールを守るために矛盾(ダブルスタンダード)が起きても無視されるようになります。
例えば、何らかの小説コンテストで賞を取っていない作家はダメという内部ルールができたとします。
しかし、小説コンテストが全てではないという風潮が高まっていき、賞以外の方法で小説家のデビューがスタンダードになったとします。
内部ルールは時代に合わせて変えるべきですが、小説コンテストで賞を取っていない作家はダメというルールが宗教の教典のようになってしまい、矛盾をいいながらルールを維持しようとします。
どうしたらいいか
白黒思考で自分や世界を見るのは、精神的な負担が大きいです。
もし白黒思考を使うなら、例えば0じゃなければ全て100点という逆転の発想にし、他人を褒めるといったポジティブな方向に活用するのが良いでしょう。
基本的に「世の中って自分の思い通りにならないもんだよね」って考えをベースにしておくと、無理がありません。
「白か黒か」だけで考えず、中間やグラデーションを意識することが大切です。適度に柔軟な視点を持つことが、個人にとっても社会にとっても建設的です。
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