常識がないやつ、行動力だけバケモノみたいなやつ、頭の悪いやつ、を一人用意しておくととても便利

2023年3月25日

 小説を書く上で、常識がないやつ、行動力だけバケモノみたいなやつ、頭の悪いやつ、を一人用意しておくととても便利というツイートが注目を集めていましたのでシェアします。これは物語を行き詰まらせないための超重要なヒントです。

これはガチのおススメ

小説を書く上で、常識がないやつ、行動力だけバケモノみたいなやつ、頭の悪いやつ、を一人用意しておくととても便利
物語の展開上仕込みたいけど、常識的に考えると無茶だよね……って枠組みを取っ払ってくれる
トンデモ展開でも、この馬鹿ならやりかねないで許されるからね

 今回のエントリーでは、上記について深く考えていきます。

Unlimited 読み放題 - 200万冊以上の本が読み放題 2ヶ月99円!

境界を超えろ!シリーズが特別キャンペーン中!5冊セット495円!

ロジカルな登場人物ばかりだと物語に行き詰まる

 どんなに詳細なプロットを練って物語を書き始める人でも、ロジカルに物語を勧めていると場面転換に困ることがあります。

 プロットが雑だったならなおさらです。敵キャラクターの感情を変化させるのも一苦労だと以下のエントリーで書きました。

 登場人物が全員賢くて、倫理的で、リスク管理ができて、損得を考えて動くようだと、物語はかんたんに行き詰まります。

 例えば主人公とソリの合わないライバルは、永遠に歩み寄ることがありません。お互い絡まないのが一番リスクもないし損もしないからです。そんなとき仲の悪い2人を巻き込む非常識な馬鹿がいると、2人を絡ませやすくなります。

 また、味方がみんな賢いと、トラブルなく問題を解決してしまって、つまらない作品になりがちです。トラブルメーカーを配置するのは、物語に緩急をつけるのに重要です。この話は以下のエントリーで書きました。

 リコリス・リコイルの二次創作が活発なのは、井ノ上たきなが行動力だけバケモノだからという説もあります。11話のラスト、旧電波塔のシャッターをぶち破って登場する展開などは、非常識でしたが最高でした。

 常識がないやつ、行動力だけバケモノみたいなやつ、頭の悪いやつを配置することで、無理な物語を読者に納得させることができます。「無理を通して道理を蹴っ飛ばす」というやつです。これは物語を行き詰まらせないための超重要なヒントです。

常識がないやつ、行動力だけバケモノみたいなやつ、頭の悪いやつの参考書

 「常識がないやつ、行動力だけバケモノみたいなやつ、頭の悪いやつを配置すると、物語を進めやすくなる」ことを書きました。

 ですが単に常識がない、行動力だけがバケモノ、頭が悪い、だと読者のヘイトを集めかねないです。物語に突然出てきて、これまでの展開をぐちゃぐちゃにして去っていくわけですからね。作者にとっては便利ですが、読者にとっては雰囲気をぶち壊す邪魔者にもなります。

 じゃあ、どんなキャラを作れば良いのか。最近非常に参考になる漫画を読んだので紹介します。それは「僕のヒーローアカデミア」です。

 この漫画、常識がないやつ、行動力だけバケモノみたいなやつ、頭の悪いやつだらけなんですよ。一人用意しておくととても便利な存在が、大量にいるんです。以下に例をまとめます。

主人公の緑谷出久からしてそうです。緑谷出久は内気で怖がりのナードでしたが、困っている人を見ると足が勝手に前に出てしまうという狂った少年です。敵がどんなに強くても、足が前に出るんですね。普通怖がるのに、非常識です。

・爆豪勝己も常識がないです。みんなを助けるヒーローを目指す子どもたちがあつまるヒーローアカデミアで、口癖が「殺すぞ」です。ヒーローとして非常識です。緑谷出久にはひときわ強い殺意を発します。ですが最後には緑谷出久を認め、ともに戦います。

・オールマイトもそうです。オール・フォー・ワンという能力を持ち、世界一のヒーローとして平和を守っている彼は、圧倒的な強さを持つバケモノです。どんなに敵が強くても、苦戦しても、最後には必ず勝つ男です。そのくせ過去の古傷により時間制限があるというハンデを背負っています。

・体を固くするという地味な能力を持つ切島鋭児郎は、頭の悪い脳筋です。ですが脳筋だからこそ、無理を承知で敵に立ち向かいます。先述の爆豪勝己を含め、誰とでも仲良くできる熱血漢です。しかし切島鋭児郎は「高校入学までは意外にも内気で、いじめ現場を見つけても止めることができず後悔する」という繊細な面ももっています。

 他にも体を鉄にする能力を持つ鉄哲徹鐵も脳筋です。敵方のギガントマキアはオールマイト以上に行動力だけのバケモノです。敵の女の子、トガヒミコの非常識さも捨てがたいです。

※余談ですが、私の一番好きなシーンを公式動画から貼っておきます。ショック吸収という反則的な敵に対する、バケモノ・オールマイトの出した答えが最高でした。ロジカルに考えたら絶対に出せない、この答えを出せるキャラクターがいるのは強いです。

常識がないやつ、行動力だけバケモノみたいなやつ、頭の悪いやつにヘイトをためないヒント

 「僕のヒーローアカデミア」がすごいのは、「常識がないやつ、行動力だけバケモノみたいなやつ、頭の悪いやつ」の宝庫なのに、登場人物にイライラしないことです。ヘイト管理がうまくできているんですね。漫画を全巻読むと、以下のような特徴が見て取れました。

  • 常識がないやつ→反論するキャラクターをつくる(緑谷出久には爆豪勝己、爆豪勝己には緑谷出久。非常識を明確にし、責めることで読者のヘイトを代弁する)
  • 行動力だけバケモノみたいなやつ→制約をつける(オールマイトには時間、ギガントマキアには主の命令が必要という成約をつけています)
  • 頭の悪いやつ→意外と繊細な部分をくわえる(切島鋭児郎の過去)

 これは「常識がないやつ、行動力だけバケモノみたいなやつ、頭の悪いやつ」を書く上でのポイントだと考えます。

まとめ:少なくとも主人公は非常識がいい

 結論、「僕のヒーローアカデミア」をぜひ読んでください。常識がないやつ、行動力だけバケモノみたいなやつ、頭の悪いやつの宝庫です。

 大量の能力者が登場し、能力を活かして戦うバトル漫画ですから、能力バトルの小説を書きたい人のネタ帳としても超有益です。

※私の所感としては、主人公を非常識なキャラクターに設定するのは有効だと感じます。
 私の物語の主人公アイン・スタンスラインも「あらゆる問題を解決した先に、誰もが望む理想の未来がある」と本気で考え、そのためには自分の命も厭わない狂人です。緑谷出久に通じるものがあります。それでいて、周囲から徹底的に糾弾されるシーンもあります。彼はとても物語を書き進めやすいキャラクターです。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
このホームページは創作者支援サイトです。
創作者の方向けの記事を発信しています。



下記ボタンを押して頂けたら
モチベーションが高まります。
応援よろしくお願いします!
にほんブログ村 小説ブログ ライトノベル(小説)へ腰ボロSEのライトノベル奮闘記 - にほんブログ村
ライトノベルランキング