筆がのらない方へ。一つの場面で感情を変化させようとしていませんか?

2020年8月20日

 こんにちは。夏休み中に短編小説を書き上げようとして、書き上げられなかった作家です。
 最初の三日間、どうにも筆がのらず、遅々として進みませんでした。よくあることなのですが、せっかくの夏休みだったので、悔しいです。

 その後、遅ればせながら筆が乗り始めたきっかけがありましたので、シェアします。

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その原因は、1つの場面で感情を変化させようとしたから

 筆がのらない一つの原因は、1つの場面で感情を変化させようとしたからです。

 プロットが雑だったというのも問題の一つです。頭に思い描いていたプロットは、主人公が〇〇というセリフを言って、敵キャラクターを改心させるという、ただこれだけ。
※とはいえ、こういった雑なプロットでこれまでも書いてきたので、プロットについては今回問題にしないようにします。

 一番の問題は、どう会話を続けていけば敵キャラクターを改心させられるようなセリフが飛び出すんだろう?と延々悩んだこと。同じセリフでも、そこへ至るまでのもっていき方によって、敵キャラに与えるインパクトが違うのですよね。

 おかげで筆が進みませんでした。

 そこでふと冷静になったのです。第一キャラクター2,3人の会話劇だけで、キャラクターの感情を変えるなんて……できるの?

説得は、説得→実感→改心のステップ

 私は改心させるためには、説得→実感→改心というステップが必要じゃないかと感じました。つまり

 ステップ1 説得して相手の心に、疑心を生ませる。
 ステップ2 疑心が本当だったと思わせるイベントを発生させる
 ステップ3 改心する

の3ステップです。これは相手を説得するための王道中の王道だと思います。ですが王道だけに、違和感がないのですね。

 例えばステップ1で説得してすぐ改心するような敵キャラだと、こいつすぐ裏切るなーという軽いキャラクターになってしまいます。
(かませキャラにするなら、それでいいのですが、今後も長く主人公と行動をともにさせたいなら、忠義心を書きたいですよね)

 ですので一度は説得を払い除け、疑心を抱かせて、その疑心が正しかったことを実感させた上で、改心させる方が良い。

 さて、この3ステップを描こうと思ったら、ひとつの場面で足りるでしょうか? 足りないですよね。場面転換が必要です。

場面転換はぶっきらぼうでいい

 私をさらに悩ませたのは、場面転換のタイミングです。

 毎回、場面転換をさせるタイミングって結構悩みます。キリのいいところまで書いてから場面を転換させたい……私なんかは、そんな完璧主義の一面がときおり顔を出します。

 ですが、物語の各場面で1から10まで起こったことを説明する必要はないんですよね。例えば主人公が剣を抜いたところで、もう次の場面に移行したっていいわけです。

 だれてきたな〜と思ったら場面を転換しちゃう。あとで推敲して足りなければ付け足せばいいや、くらいの軽い気持ちで場面転換する。

 これを意識すると筆が進み始めました。

スティーブン・キングは行き詰まった先にキャラクターの半分を爆死させた

 小説家にとって必読のハウツー本『書くことについて』著者のスティーブン・キングが新作の執筆中、何週間も行き詰った末に、増えすぎたメインキャラクターの半分を爆死させて解決した話は特に勇気付けられます。

 物語が展開していかない時は、使いづらいキャラクターがいるのかも……そんなキャラクターたちに一旦退場してもらうと、筆か進み始めるかもしれません。『書くことについて』は以下の記事でも触れています。

筆がのらなかったらつまらない。でも書きたい、楽しい場面があるはず

 小説を書こうとしている人なら、この場面が書きたいんだ!というシーンをひとつふたつ思いついてから、執筆をはじめますよね。そこにたどり着くまでが遅々として進まなければ、つまらないなーと思ってやめたくなります。

 そんなときは場面転換を上手くつかって、気分を一新してみるといいかもしれません。あとで不足する部分は付け足せばいいわけですから。

 なにより「書いていて楽しい」が第一です。

 書きたい、楽しい場面を目指して、ポンポンと場面を転換して書いていく、これが精神衛生上もいいのかもしれませんね。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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