筆がのらない方へ。一つの場面で感情を変化させようとしていませんか?
こんにちは。夏休み中に短編小説を書き上げようとして、書き上げられなかった作家です。
最初の三日間、どうにも筆がのらず、遅々として進みませんでした。よくあることなのですが、せっかくの夏休みだったので、悔しいです。
その後、遅ればせながら筆が乗り始めたきっかけがありましたので、シェアします。
その原因は、1つの場面で感情を変化させようとしたから
筆がのらない一つの原因は、1つの場面で感情を変化させようとしたからです。
プロットが雑だったというのも問題の一つです。頭に思い描いていたプロットは、主人公が〇〇というセリフを言って、敵キャラクターを改心させるという、ただこれだけ。
※とはいえ、こういった雑なプロットでこれまでも書いてきたので、プロットについては今回問題にしないようにします。
一番の問題は、どう会話を続けていけば敵キャラクターを改心させられるようなセリフが飛び出すんだろう?と延々悩んだこと。同じセリフでも、そこへ至るまでのもっていき方によって、敵キャラに与えるインパクトが違うのですよね。
おかげで筆が進みませんでした。
そこでふと冷静になったのです。第一キャラクター2,3人の会話劇だけで、キャラクターの感情を変えるなんて……できるの?
説得は、説得→実感→改心のステップ
私は改心させるためには、説得→実感→改心というステップが必要じゃないかと感じました。つまり
ステップ1 説得して相手の心に、疑心を生ませる。
ステップ2 疑心が本当だったと思わせるイベントを発生させる
ステップ3 改心する
の3ステップです。これは相手を説得するための王道中の王道だと思います。ですが王道だけに、違和感がないのですね。
例えばステップ1で説得してすぐ改心するような敵キャラだと、こいつすぐ裏切るなーという軽いキャラクターになってしまいます。
(かませキャラにするなら、それでいいのですが、今後も長く主人公と行動をともにさせたいなら、忠義心を書きたいですよね)
ですので一度は説得を払い除け、疑心を抱かせて、その疑心が正しかったことを実感させた上で、改心させる方が良い。
さて、この3ステップを描こうと思ったら、ひとつの場面で足りるでしょうか? 足りないですよね。場面転換が必要です。
場面転換はぶっきらぼうでいい
私をさらに悩ませたのは、場面転換のタイミングです。
毎回、場面転換をさせるタイミングって結構悩みます。キリのいいところまで書いてから場面を転換させたい……私なんかは、そんな完璧主義の一面がときおり顔を出します。
ですが、物語の各場面で1から10まで起こったことを説明する必要はないんですよね。例えば主人公が剣を抜いたところで、もう次の場面に移行したっていいわけです。
だれてきたな〜と思ったら場面を転換しちゃう。あとで推敲して足りなければ付け足せばいいや、くらいの軽い気持ちで場面転換する。
これを意識すると筆が進み始めました。
スティーブン・キングは行き詰まった先にキャラクターの半分を爆死させた
小説家にとって必読のハウツー本『書くことについて』著者のスティーブン・キングが新作の執筆中、何週間も行き詰った末に、増えすぎたメインキャラクターの半分を爆死させて解決した話は特に勇気付けられます。
物語が展開していかない時は、使いづらいキャラクターがいるのかも……そんなキャラクターたちに一旦退場してもらうと、筆か進み始めるかもしれません。『書くことについて』は以下の記事でも触れています。
筆がのらなかったらつまらない。でも書きたい、楽しい場面があるはず
小説を書こうとしている人なら、この場面が書きたいんだ!というシーンをひとつふたつ思いついてから、執筆をはじめますよね。そこにたどり着くまでが遅々として進まなければ、つまらないなーと思ってやめたくなります。
そんなときは場面転換を上手くつかって、気分を一新してみるといいかもしれません。あとで不足する部分は付け足せばいいわけですから。
なにより「書いていて楽しい」が第一です。
書きたい、楽しい場面を目指して、ポンポンと場面を転換して書いていく、これが精神衛生上もいいのかもしれませんね。
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