ファンタジー小説の参考になる、貴族のライフスタイル

2023年3月9日

 本記事では中世ヨーロッパにおける貴族のライフスタイルを詳しく紹介します。貴族の人たちが公私ともにどのような振る舞いをしたのか、また、そのライフスタイルを紹介します。また、貴族が持っていた特権や義務についても詳しく説明します。この記事を読むことで、中世ヨーロッパにおける貴族のライフスタイルについて、より深く理解することができるでしょう。

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貴族のライフスタイルの構成要素

 中世の貴族は、特権と権力を享受する生活を送っていました。

 例えば手の込んだごちそう、豪華な衣服、広い城などです。一般庶民にとって、貴族の日常生活は壮大で豪華なものに見えたでしょう。このようなライフスタイルは、経済力、政治力、軍事力、そして使用人や労働者、さらには僧侶を雇う能力によって実現されました。

 さらに、貴族は狩猟やトーナメントなど、一般庶民にはない娯楽も楽しんでいました。日常生活では宮廷行事、宗教行事、トーナメントなどに時間を費やすことも多かったようです。

 

貴族制度の理解

 中世ヨーロッパでは、個人の特権や地位を規定する社会階層として、貴族制度(封建的ヒエラルキー)がありました。この制度は、君主を頂点とし、公爵、男爵、伯爵、子爵などの貴族がそれに続くものでした。

 これらの貴族は自分の領地を持ち、契約によって下位者を従えていました。最下層には、契約によって上位者の土地に縛られた平民、つまり農奴がいます。この制度は主に、特権、土地所有、相続によって形成されていました。

※貴族の特権は、都市を守る騎士や兵隊に支えられています。貴族制度、騎士階級、中世都市の人々については下記のエントリーも参考にしてください。

 

中世ヨーロッパにおける世襲身分制度

 貴族制度の最大の特徴は、その世襲制にあります。公爵、男爵、伯爵、子爵、騎士などの貴族の称号は、家系を通じて受け継がれるものでした。このため、貴族は絶大な権力と特権を持ち、それが子々孫々と引き継がれていく(かつ成長していく)ために、一般庶民よりも高い地位にありました。

 ただし、たとえ貴族の生まれであっても、君主の行為によってのみ、その称号と地位を剥奪されることがありました。そのため王国や帝国においては、貴族は上位者に気に入られることを重要視していました。

 

貴族の特権と義務

 中世ヨーロッパにおける貴族の特権は、土地の支配、荘園の所有と支配など、多岐にわたります。課税を免除され、特定の法的特権(狩猟や武器を持つ権利、自由な裁判手続)を享受し、使用人、労働者、廷臣を利用することもできました。

 貴族の義務は、農民、小作人、貧民をもてなし、保護し、外部の脅威から地域を守ることでした。また、君主に軍役を提供したり、地元の平和を維持するなどの義務を負っていました。

 貴族はその影響力と富があるために、政治に参加することを許された唯一の存在でした。貴族は政治的発言権を持って社会階層を守り、仲間や農民のために礼儀やもてなし、名誉の模範となることを期待されていたのです。

 

貴族間同盟

 貴族間では、自分たちの影響力や権力を高めるために同盟が結ばれていました。任天堂の貴族を題材としたゲームの傑作「ファイアーエムブレム聖戦の系譜」でも貴族間の友情や同盟が描かれていました。

 このような同盟は、下層階級にはほとんど浸透していませんでしたが上層階級には有益でした。上層階級の仲間を作ることで、お互いを守りやすくなるためです。義兄弟の誓いを立て、命果てるまで裏切らないことを誓うケースもありました(その結果、上位者からの命令と、同盟間の誓いとの葛藤に悩まされるドラマも生じます)。

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貴族の趣味

 中世ヨーロッパの貴族は多くの趣味を持っていたが、中でも狩猟とトーナメントスポーツは人気がありました。狩猟は貴族を活性化させる活動であり、彼らは資源と権力をフルに活用し、追いかけることに喜びを感じていました。

 トーナメントでは、馬上槍試合や柵試合など、貴族の間で善意の競争が行われ、仲間に自分の腕前を披露することができました。音楽とダンスも盛んで、貴族たちは歌ったり、楽器を演奏したり、あるいは自分たちの音楽を作ったりと、さまざまな音楽活動を楽しんだようです。

貴族の楽しみ

 貴族は趣味のほかに、さまざまな楽しみをもっていた。宗教的な行事や儀式、饗宴、吟遊詩人や道化師による娯楽など、さまざまな楽しみがありました。また、貴族は公私ともに贅沢な衣服も手に入れ、その生地や素材は外国から取り寄せることもありました。

 貴族の衣服は、その富と地位を反映するものですから、ビロード(和名で天鵞絨)や絹の衣服、毛皮のマントなど、貴族は衣服やアクセサリーに莫大なお金を費やしました。

貴族と結婚

 中世の貴族の結婚は重要な制度でした。封建制度では、親が政治的・経済的な利益を得るために結婚を斡旋し、異なる家や領主の間で同盟が結ばれることが多かったようです。また、結婚は家系の継承と継続のためにも重要であり、何人もの息子を持つことは、一族の権力を何世代にもわたって確保するために望ましいことでした。

貴族と家族

 貴族の家族は、貴族階級の価値観を守ることが期待されていました。服装や立ち居振る舞いは、高い水準にある礼儀作法に則っていなければならなりません。また、家名の繁栄と幸福のために尽力することを示すような生活を送ることが期待されました。個人主義ではなく、血縁主義だったのですね。家のために生きてこそ、貴族ということです。

騎士道精神

 貴族は騎士道などの規範や法律で縛られ、社会的行動や貴族間の関係を規制していました。

忠誠(上位者がいかに愚かでもそれに準じることを正義とする)
武勇(負け戦でも勇敢に戦うものを称する)
神への奉仕
廉恥(人として恥ずかしいことをしない、人殺しや弱い者いじめ、卑怯で狡猾な企みなど)
婦人への奉仕(レディファースト)
名誉(金より名声)

 貴族の日常生活は、騎士道精神による厳しい行動規範とエチケットに支配されていました。例えば、最高級品でない食べ物やワインを提供することはエチケット違反とされました。なかなか懐具合が厳しくなりそうですね。

 

ノブレス・オブリージュ

 痩せ我慢とも言えそうな騎士道精神ですが、これは貴族の責務を言葉にしたものです。

 貴族は前代の蓄積したアドバンテージを世襲できます。これはゼロからのスタートとなる市民からするとズルです……が、貴族は市民にそれを気前良く分け与え、市民から信頼を得ることで、世襲というズルを許容してもらえるのです。

 19世紀のフランスで、この概念に名前がつきました。それがノブレス・オブリージュ(noblesse oblige )です。
 ノブレス・オブリージュとは人の上に立ち権力を持つ者には、その代価として身を挺してでも果たすべき重責があるという意味の言葉です。

 

 権力者である貴族は、正しく力を使う責務があるのですね。社会的地位を持ち、人と金を動かす力のある人は、なんとかして社会に明るい未来を示せよ、ということです。

 明るい未来を示すためには品格が必要です。力と品格の話は以下のツイートにも書きました。

 小説のネタとしては、貴族に憧れ、品格を身につけることで貴族になろうとする平民の物語…なんてのも魅力的です。

 現代の漫画や小説においては、騎士道精神やノブレス・オブリージュに則らない貴族が多すぎじゃないかと思います笑 レアだからこそ悪い貴族が際立つんですけども。今では非騎士道の人が多くなりすぎて、騎士道精神に共感できない人が多いのかもしれませんね。

※ノブレス・オブリージュといえば、100億円で日本を救うことを課せられた名作アニメ「東のエデン」を思い出します。「ノブレス・オブリージュ 今後も救世主たらんことを」は貴族の精神ですね。

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まとめ

 本稿では、中世の貴族の生活様式を紹介しました。特権、義務、権力、そして服装、日常生活、社会的行動などを紹介しました。この記事が、この時代の貴族の生活について理解を深める一助となれば幸いです。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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