文末表現が文章力を高める!リズムと変化で読者を飽きさせない。

2019年7月7日

 このエントリーでは、私が物語を書くときに注意しているたった1つのポイント「文末表現」についてお話します。

 私はそんなに賢くないので、物語を書く時、2つも3つもポイントを考えて書いていません。本当にたった1つ気をつけるだけで、後は自然と変化していきます。

文末表現は文章のリズムを決める!

 日本語と英語の最も大きな差は、英語が最初に文のニュアンスを伝えるのに対し、日本語は文を最後まで読まないとニュアンスがわからないことです。
 つまり文末表現は、その文の意味やニュアンスの伝わり方、リズムなどを決める重要な要素です。書いた文章を読んだときに、「なんだか自信がなさそう」「文章がながったらしい」「上から目線な感じだ」と違和感を覚えたら、文末を変更してみましょう。

おもな文末例一覧

〜です・〜ます/ 〜だ・〜である 断定
〜でしょう/〜だろう推量
〜でしょうか/〜ですか/〜だろうか疑問
〜かもしれません/〜かもしれない推量・可能性
〜そうです/そうだ伝聞
〜ようです/ようだ様態
〜と考えられます/〜と考えられる
〜と推測されます/〜と推測される
〜とされています/〜とされる
その他(推量など)

文末表現に変化を付けて読みやすく!

 文末表現は読者の読みやすさにも関係します。
 文末表現で、文章を読みやすくする方法とは何かわかりますか?
 それは『文末に変化を付ける』ことです。

 どういうことか?わかりやすいように読みにくい文章例を2つピックアップしてみます。

例1
私は昨晩ハンバーグを食べました。
とても美味しいと思いました。
その時は、できることなら明日も食べたいと思いました。
でも今日になってみてみれば、そうでもないと思いました。

例2
私はギターを弾いていました
そのときに小指を痛めました。
そのあと晩御飯の準備をする前、小指にテーピングをしました。
すると無事包丁を使って目玉焼きをつくれました。

 それぞれ『ました』を4回続けています。

 リズムが悪くて読みづらかったですよね?

 なぜ文字に書かれた文章を読むのに、リズムが気になるのか?

 それは『文字で書かれた文章を読む時』、無意識のうちに頭の中で文章を声を出さずに朗読しているからです。

 ですので、文末が一定だったりして、リズムが悪い文章は読みにくいのですね。

 それでは、これを文末に変化をつけて書き直してみると、どうなるでしょうか。

例1添削
私は昨晩ハンバーグを食べました。
『とても美味しい。できることなら明日も食べたい』と思ったくらいです。
でも今日になってみてみれば、そうでもなかったな。

例2添削
私はギターを弾いていました。
そのときに小指を痛めたのです。
なので晩御飯の準備をする前、小指にテーピングしています。
おかげで無事包丁を使って目玉焼きをつくれました。

 『ました』を減らす という制約に沿って添削をした結果、随分文章に変化が生まれました。リズムも良くなったのではないでしょうか。

文末表現が文章力を高める

 先ほどの例1では「」を使って思ったことをまとめてみたり、最後は「~な」と独り言のように終えてみたりしました。同じ文末表現を使わないと考えるだけで、表現が変わっていくことがおわかりいただけましたか?

 また、例2では、過去のことを話している文章なのに、「~た」以外に「~しています」と進行形の助動詞を使いました。それでも文章としての違和感はあまりなかったのではないでしょうか。
 読者の頭の中で(なので晩御飯の準備をする前、小指にテーピングしていました)と読み替えてもらえるはずだ……と、読者を信頼した攻めた表現になっているわけです。

 このように、同じ文末表現を続けないという制約を設けることで、文章レベルが一気に上がります。

 少し制約があるからこそ、書き手にとっても、読み手にとっても、想像力を働かせられるのだと思います。私はここが小説の一番素敵なところだと感じます。

まとめ

 本エントリーでは「文末表現」についてご紹介しました。
 文末に変化を付けることでリズムが整い、一気に文章レベルがあがる例を見ていただきました。

 文章を上手く書くコツとして、活用できるのではないでしょうか。このサイトでは文章を上手く書くコツを沢山紹介しています。他のページも是非見てみてくださいね。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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