『BookBase』は成功する!期待と理由〜最高の物語が生まれそして、出会える場所〜

2020年9月8日

 こんにちは。
 杞優橙佳です。

 2019年から2020年始めにかけて、Web小説界隈で話題になったクラウドファンディングが、2つあります。

誰でも書籍化!小説家として稼げるサイト『TEAPOT』を立ち上げたい!

誰もが最高の物語をつくり、出会える世界をつくりたい

 私は、新しい取り組みをする人たちを応援したいという考えの人間です。ですので上記のクラウドファンディングはもちろんウォッチしていました。
(私の、新しい取り組みへの考え方はこちらの記事で書いています→「なろうデビューに未来は無い」本当に?考えれば考えるほど……へのご反応

 これらのうち『TEAPOT』はブログでも取り上げさせていただきました。
TEAPOT』の破壊するもの。出版業界の民主化ははじまっている

 しかしBookbaseについて何も意見を表明していないじゃないか。ということで本エントリーではBookbaseに対する考えを述べていきます。

一見劣勢に見えるBookBase

 インターネットでBookBaseを検索してみると、一見劣勢に見えます。

 批判的立場の人からは
・ビジネスモデルがAmazon KindleやNoteですでに使い古されている
・読者にお金が入るサイトは、アルファポリス、カクヨムの大手サイトを含み、多々ある
・無名の小説家の小説を売るのは難しい
・どうやって広告するんだ。
・サイト名が他のサイトとかぶっている。
・作品の表紙のクオリティにばらつきがある(綺麗な表紙の作品しかトップページに表示されないのでは)

 それに対する反論……擁護的なコメントは
・ビジネスモデルが古いことなんて創業者も理解しているはずだから、黙って夢見て信じろ
 というもの。

 おいおい、本当にそれで養護しているつもりか? 応援するというのは大事なことではあるけれども、これだけだとちょっと心配だな〜と思いますよね。

BookBaseの勝ち目は弱者の戦略にある

 BookBaseのビジネスを考える時に、まず前提としておくべきことがあります。それは大手出版社と同じところを目指してはいけないし、創業者も目指す気もないだろうということ。

 ビジネスの世界では、ランチェスターの法則という、弱者の取りうる5つの戦略が提唱されています。それは下記の5点です。

①これまでやらなかった発想で新しい戦いの場を設ける局地戦。
②自分の顧客となる人々との関係づくりを重視する接近戦。
③強みを活かし、それに特化して勝利を目指す一点集中。
④一騎打ちに持ち込めるような場で戦いを挑むこと。
⑤徹底して敵戦力を分断する陽動戦。

 BookBaseに当てはめて考えてみると、現時点で下記のような戦略をもって動いているのかなと考えます。(まだ見えない部分もあります)

①これまでやらなかった発想で新しい戦いの場を設ける局地戦。

→私は、キャンプファイアで謳われた、BOOKPORT(BookBaseの原案)のフェイズ2「世界のBOOKPORT」が相当すると考えます。
 海外に対して無名の個人の作品を展開していくという部分については。大手企業は対応していません。

②自分の顧客となる人々との関係づくりを重視する接近戦。

→クラウドファンディングで応援してくれた人にレビュー、販売支援、オンライン通話で熱く語ることが謳われ、実際に実行されているようです。Twitterを通したコミュニケーションも含めて、作家の卵たちとのつながりをいかに維持するか、熱量を維持するかがポイントとなります。

 しかし作家の卵とのつながりを維持するためには、創業者は進み続けて進捗を出し続けなければいけないし、のべらちゃんさん(@Novel_Up_Plus)みたいにみんなから愛されるキャラクターづくりが必要です。(創業者2人だけでできるのか、わからないので、できないなら人を増やしたほうが良いかもしれませんね)

③強みを活かし、それに特化して勝利を目指す一点集中。

→まだ、見えない。ですが個人的にはランニングコストはかなり低いのかなと考えていまして、コストを掛けずとにかく続けて、その間も資本を投入し続けてフェイズ2「世界のBOOKPORT」の準備完了とともに勝負へでる戦略かなと考えています。(違ったらごめんなさいね)

④一騎打ちに持ち込めるような場で戦いを挑むこと。

→既存勢力が数の暴力、資本の暴力で攻めてくると、新興勢力は一瞬にして潰されてしまいます。
 Bookbaseが電子書籍での有料販売という、もはや古いビジネスモデルから始めたのは、敵との戦いをなるべく避けるためだったと予想します。

※ビジネスモデルが古い……うんぬんをいう人は、Amazonのことを思い出しましょう。Amazonは最初から世界の何もかもを売るECサイトを目指していたと思いますが、最初に選んだのは本屋さんでしたからね。あれって本は価格が低減しないから在庫を持っても資産は目減りしないという考えだったようですよ。BookBaseも大きな目標を持っていながら、まずは利益を出しやすい電子書籍の売り切りモデルを選んだのかなと想像しています。

⑤徹底して敵戦力を分断する陽動戦。

→これは既存の大手企業グループで利益が反するような、革命的なアイデアを謳って、既存の大手企業が連携できないような案を出すことです。角川に利益があるが、アルファポリスは損をするとかですね。これについても、まだ、見えない。

Bookbaseは短期目線で考えちゃダメ

 さて、ランチェスターの法則についてご説明しました。Bookbaseは弱者の戦略に基づき、戦いを続けていくのではないかと考えます。

 なかでも私が重要だと思うのは、長い目線で見るという点です。

※創業者のオタクペンギンさんも「オープンで完成ではなく、どんどん改善やら追加実装していきます。」とおっしゃっています。

 ここで、Bookbaseを見て思い出した、ある会社の話をさせていただきます。それはアンジェス株式会社です。

アンジェス株式会社 アンジェス株式会社は、遺伝子医薬の開発を行う日本のバイオ製薬企業。大阪大学医学部助教授の森下竜一による研究成果を基に、1999年12月発足。2002年9月に大学発創薬型バイオベンチャーとして初めて東証マザーズに上場。難病・稀少病や有効な治療法のない疾患を対象に、患者さんに革新的な医薬品をいち早くお届けすることを使命とするバイオ製薬企業です。

 えっ医療系の会社って、全然分野違いだよね……と思うなかれ。結構参考になる企業ですよ。

 アンジェスは、大阪大学医学部助教授の研究成果という、信用できる根拠をもとに、難病・稀少病や有効な治療薬の開発をしています。つまり難病を治してほしいという人々の期待と、「人々の求める超ニッチな高価で効果のある薬」の利益の期待により、企業価値を維持しています。

 さて、アンジェスについて語る上では株価のチャートを見ずにはいられません。下に貼っておきます。

アンジェス20年チャート

 株価の推移について少し説明すると、アンジェスは上場後5年ほど価値を維持し、2007年1月に3555.1円という株価がついていました。

 2007年1月を境目に没落していき、2012年5月には104円まで価値が下がります。原因は2006年、2008年で他の研究機関との共同研究契約が終わったり、初期に開発した薬の独占販売が終わったりして、利益の期待がなくなったためです。

 ですが会社は続いています。製薬会社というのは薬ができなければ利益が出せないので、基本赤字の企業です。ですが研究開発にお金はかかるため、新株を発行して投資家からお金を集める必要があります。Bookbaseのクラウドファンディングのようなものですね。

 2012年の5月からも何度か利益の期待とともに、株価があがりました(2013年5月の1587.7円、2019年3月の1350円)。そして最近、コロナウイルスのワクチン生成に成功し、2020年6月に2492円をつけています。一番安い104円からすると10倍、20倍になりました。
 応援し続けた人には、とてつもない恩恵がありました。

 このアンジェスから学べることは、夢と希望を掲げる企業というのは、応援してくれる人々の期待さえあれば、10年だって20年だって存続することができること。そして長い時間を書けて、自社の強みと社会のニーズが合致するチャンスを待ち、チャンスを掴みとることで、会社は(そして応援した人も)大きく羽ばたくということです。

 例えばBookbaseのようなITベンチャーであれば、面白いことをやリ続けた結果、もっと大きな規模でなければできないことも出てくるでしょう。そのとき、大手に吸収されるゴールもありだと思います。
※LineがYahooに吸収されたのは記憶に新しいですね。

なので面白いことをやっている!と思ってもらうことが大事

 Bookbaseを運営するにあたって大事なことは、面白いことをやっている!と思ってもらうことです。

 面白くないサービスは、誰も期待しませんから、お金にもならないですからね。

 そして、私がBookbaseで面白いと思ったのは、BOOKPORT(BookBaseの原案)のフェイズ2「世界のBOOKPORT」です。無名の個人が世界で勝負できるってすっごい夢あります!

 はっきりいうと日本で売れないジャンルはね、日本では売れないです(小泉進次郎論法? みたいな言い方ですけども)。日本人の好みを変えるなんて、ひとつの出版社でできるわけがないからです。ですが世界に売りに行くなら別です。
 ようは政府主導のクールジャパンって、大きい組織の海外展開を支援しているだけで、日本のクリエイティブの強みである個人創作に対しては「何の成果も出せてない」ですよね。

 だったら、Bookbaseで日本の個人創作の海外輸出をやってやるんだよ!こっちは!という気概があるといいですね。

 例えば各国で売れそうな傾向を調べて、日本では売れてないジャンルの作品を、これは海外のこの地域でなら売れるかもしれないとプロデュースしていく……これなら実現性はあります。

 とにかく、面白いと思ってもらえて、期待を集め続けることが大事です。

 その意味では、現時点では成功しているんじゃないかなー? サイトに登録されている作品数も100はゆうに超えてそうですし、応援してくれている人もたくさんいるはずです。

 ただ、この面白いを持続するためには、創業者の方々の考えを発表する場が必要だと思いますね。株式総会みたいな場を設けてね。
 例えば今回書いたような海外展開が、BookBaseのビジョンに含まれているのかは提示してほしいですよね。私の読み取りが違っている可能性もあるので。

創業者のお二人にはブレずに進み続けてほしい

 長くなりましたが、私の抱く、Bookbaseへの期待を書かせていただきました。99%、私の妄想で繰り広げた話ですが、期待は大きいほうが創業者にとってはやりがいがあるはずです。個人的には、期待されてやりがいを感じなかったら経営者の才能がないと思います。期待=融資可能と同じ意味ですからね。

 もちろん、見当違いの期待になっていたら嫌でしょうから、ビジョンをみんなで共有するという意味でも、発信していかないとです。そうすればもっと期待してくれる人が増えます。

 とにかく、創業者のお二人には、ぜひ夢を与え続ける道を走って欲しいです。

 SNSの発信も気を使ったほうが良いと考えていて、創業者間でブレがあったりすると、不安を与えちゃうと思います。

 創業者のお二人も、まだまだ模索中だと思いますがもっと夢と、ビジョンを形にして、応援してくれる人に不安を与えないよう伝えていくこと。それが多くの人から応援してもらうためにも、Bookbaseの将来のためにも大事だと感じました。

 全員の夢を叶えてやるんだこっちはよぉー! という気概で突っ走って欲しいです! 期待しています!

最高の物語が生まれそして、出会える場所BookBaseはこちらから