プロットは小説に欠かせない!プロットの作り方2つを解説します。
プロットはよく「あらすじ」や「要約」と混同されますが、プロットは少し毛色が違います。「あらすじ」や「要約」が読む人に向けたものだとしたら、プロットは書く人に向けたものです。プロットのない小説は、骨がない小説そのもの。それほど大切なプロットとは一体どのように作るのでしょうか?ここではプロットの作り方2つを解説していきます!
プロットとは?
あらすじ・要約・プロット、どれもストーリーを短くまとめたものであることは変わりありません。
決定的な違いは、あらすじ・要約は、読む人に向けたもの、つまり読む人の興味を惹くものです。それに対しプロットとは、書く人に向けたもの、つまり書く人が「書くための骨子」となるものです。
・何をどのような順番で起し、どこを盛り上げるか
・ストーリーをどのように展開していくか
・読者にわかりやすくするためにどう整理するか
こういったストーリーの「計画、構成」を書いた、いわゆる「設計図」であり、物語でいえば「脚本」といってもよいでしょう。
【プロット作成の前に】テーマ・登場キャラを設定する
ではプロット作成!といいたいところですが、その前に「テーマ・登場キャラ」を設定しましょう。
テーマとは、この小説で読者に伝えたい絶対条件のことです。またプロットはキャラを動かすための「設計図、脚本」ですから、キャラが確定していないと立てることができません。
ただし、この時点では簡単で結構です。大前提とするものをまず用意して、設計図を書き始めたら、その都度細かく修正していけば大丈夫です。
・テーマについてはこちら⇒小説は「テーマ」が命!「テーマ」がなぜ必要か、その決め方まで解説
・登場キャラについてはこちら⇒魅力的なキャラクターはどう作る?主人公、ヒロイン、敵キャラを解説
帰納法と演繹法
早速プロットの作り方に入りましょう。プロットの作り方には、代表的なものに「帰納法」と「演繹(えんえき)法」があります。
・帰納法
結論からさかのぼって発想する方法です。物語の着地点を決めて、ここに向かうためには、このタイミングでこんなことを起して、登場キャラはこう行動すると決めていく方法です。
【例:桃太郎の場合】
《結論》桃太郎は鬼を倒し、宝物をおじいさんとおばあさんに持ち帰った
↓
《プロット案》
・桃太郎はなぜ鬼と闘う決意をしたのか?
・桃太郎は1人で闘ったのか?仲間と闘ったのか?
・桃太郎はなぜ親ではなくおじいさんとおばあさんに宝物を持って帰ったか?
・演繹法
結論はまず考えず、とりあえず思いつくままに何かを起し、登場キャラの動きはそれに従って考えていく発想方法です。つまり「行き当たりばったり」で構成を考えていく方法です。
【例:桃太郎の場合】
《プロット案》・おじいさんは山へ芝刈り、おばあさんは川へ洗濯へ行く
↓
《プロット案》・川の上流から桃が流れてくる
↓
《プロット案》・おばあさんは桃を拾って、家に持ち帰る
プロットのないエンタメは存在しない
こうやってプロットの作り方を見てみると、プロットなしで小説はつくることができないということがわかってもらえるのではないでしょうか?またプロットが何かを知らないと思っていた人も、これを読んだら自分もプロットらしきものを作っていた…という人も多いのではないでしょうか?
とはいえプロの小説家はわざわざプロット作りをせず、大まかに着地点くらいをイメージしている人がほとんどです。そして、帰納法や演繹法をいったりきたりしながら構築していきます。行き当たりばったりで考えながら(演繹法)、常に物語のゴールを見据えて(帰納法)、軌道修正をくりかえしています。それを頭の中で処理できてしまうのがプロの小説家です。
それでもやはり、プロもプロットらしきことを自分の頭の中に構築しているわけです。つまりプロットのないエンタメは存在しません。
まとめ
プロットとは、書く人に向けた「小説の設計図、脚本」でした。プロット作成前に、大まかにでもテーマと登場キャラを決めた上で、プロット作成に臨みます。作り方には、ゴールを決めてそれに向かって構成を考える「帰納法」と、行き当たりばったりで構成を決めていく「演繹法」の二つあります。どちらの作り方を採用しても大丈夫ですが、とにかくプロットなしでは小説は成り立ちません。
ここで作り方をイメージできたら、小説を書く際にはまずプロットを作成してみましょう。太くてしっかりした柱を建てれば、頑丈な家が建つ、それと同じです!
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