あなたの「プレミス」はなんですか?~小説を書く前に「ミッション」を準備しよう~

2020年4月19日

 こんにちは。
 杞優橙佳です。

 本日はアウトラインから書く小説再入門という本からプレミスという概念についてご紹介いたします。

 ここで言っているアウトラインとは、プロットを更に概略化したフローチャートのようなものです。本文やプロットとの関係でいうと下記になります。

【より具体的】
本文

プロット

アウトライン
【より抽象的(本質的)】

 そしてプレミスは、アウトラインをさらに本質的にしたもので、「プロットとテーマを伝える一つの文」です。

プレミスは全てのストーリーの始まり

 プレミスとは、「プロットとテーマを伝える一つの文」と紹介しました。

 これは作家が読者と共有したい価値観やミッション……簡単な言葉でいえば、あなたの書きたい物語はなんですか?と言い換えてもいいでしょう。

 物語をつくる上では、自分の表現したいものをつきつめるべきなんですね。このサイトでも何度か書いていて、表現したいものとやっていることを一致させるといいよとおすすめしています。

 これはテーマとも少し違っていて、テーマを実現するための具体的な記載と考えてください。

 抽象的になったので、具体的に書きますね。私の作品のテーマは「勇気」だと以前お伝えしました。

 では「勇気」がプレミスかというと、違います。具体的な記載に落とし込まれていないからです。

 私の作品でいうと「境界を超えて最高のリーダーになる」ことがプレミスです。

 ですので主人公は最高のリーダーとして障害を超えていくし、支配者と被支配者の境界を超えていくし、国際連合を率いて国境を超えていきます。そうすることで読者に「勇気」を感じてもらうことができ、結果として世界中の誰からも愛されるリーダーという説得力が生まれていきます。

 もうお分かりかもしれません。
 これは「境界を超えろ!」というタイトルとも関係しています。

「もしAしたらB」構文でストーリーを考える

 プレミスさえできてしまえば、ストーリーはいくらでも発想できます。なぜならもしAしたらBという便利な構文があるからです。

 もし「境界を超えて最高のリーダーになる」としたら?

 最悪のリーダーとの戦いが当然あるべきでしょうし、最高のリーダー同士の対決もあってほしいですし、最高のリーダーのもとで修行をつむエピソードもあってほしいです。いくらでもアウトラインの発想が生まれてきますね。

 これって私に発想力があったわけではなくて、もしAしたらBという構文の力なんです。

 あなたも自分のプレミスを確立できたなら、もしプレミス(と)したら……何をする?と問いかけをしてみましょう。

 この問いは非常に強力です。なぜなら「もしも」と明言されていなくても、つきつめればどんな小説や物語や記事も、もし~したら?から始まっているはずです。アウトラインを考える上でも使えますし、アウトラインからプロットを考える上でも役に立ちます。私は細かいプロットを構想するときにも、もしAしたらBの構文を使ってアイデアを練りました。

 もし主人公が村をでるとしたら?
 もし主人公が隣国と戦争をしたら?
 もし主人公が最強の敵と戦うことになったら?
 もし主人公が結婚するとしたら?
 もし主人公が死ぬとしたら?

 これらの質問をもとにアイデアを膨らませ、ストーリーを整理しています。もし~したら?には、創作を生む効力がありますね。

レッドオーシャンに突っ込むと負ける

 プレミスが決まったら、早速執筆だ!と意気込むのも無理はありませんが、一度立ち止まって考えることをおすすめします。考えるべきことは、あなたの考えたプレミスで、他の小説と戦えるか?です。

 例えば「防御力に全振りする」というプレミスを考えたとしましょう。このプレミスをもとにアイデアを練ったとして、「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」に匹敵する作品が書けるでしょうか。

 もちろん人気だけが小説の良し悪しの基準ではありませんので、好きに書くのが一番なのですが、あまりにも比較対象が強いと読んでもらえないかもしれません。人気作と似た設定で物語を書こうとする人は多いので、他の人とアイデアがかぶる可能性もあります。

 あなた自身が「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」を読んで満足し、筆が止まってしまう可能性もあります……。

 ひとつのプレミスに作品が集中している状況を、レッドオーシャンといいます。ライバルが多いと言い換えてもいいですね。

 そこをわざわざ狙うのは、得策ではありません。できれば自分の強み(こだわり)が活かせるプレミスを選びたいものです。

 例えば私はリアルでも作中でも「境界を超えて最高のリーダーになる」ためにはどうすればいいか?と、16年間考え続けてきました(リアルで超える境界は、ディスコミュニケーションの壁や組織の枠組みだったりします)。

 16年間も同じことを考え続けていたら、誰でもプロになれます。
 この点では同じ年齢層の人には、負ける気がしませんね。負ける気がしないという自信が、作品にとってもプラスに働きます。

※今思えば、私がリーダーの物語ばっかり書いているのは、最高のリーダーを追い求め続けた結果のように思います。様々なスタイルのリーダーがありえるので、それを書きまくっていますが、飽きません。

 あなたも是非、誰にも負けないこだわりを、プレミスにしてみてください。そこから生まれた発想は、あなたに自信を与え、作品を魅力的にするでしょう。

 それでは、素敵な物語ライフの参考になれば幸いです。