プロットを書くのが億劫な人でもできる、燃え尽きないプロットの書き方2点

2020年11月29日

 突然ですが、質問です。

 あなたはプロットを作ってから物語を書き始めますか?
 それともいきなり物語を書き始めますか?

 答えは千差万別かと思います。

「プロットがないと書けない。行き先までのロードマップがある方が楽に書けるし、先の展開を決めないと行き詰まったりグダグダしたりする。伏線もはれない」
 というプロッターもいれば。

「プロットに何週間も費やすなんて根気がでない。プロットを書くと物語を書ききった気になって、満足してしまう。発想が限られてしまう。書きながら登場人物の新しい一面を発見するのが楽しい」
 というパンツァー(計画を立てず、勘を頼りに作業する人のこと)もいます。

 私はどちらかというと、パンツァーです。詰め切ったプロットを書いてしまうと満足して気力が燃え尽き、手が止まることがあります。

 とはいえ、上のツイートに書いている通り、プロットの詰め切れてないところで話が脱線するのも事実。燃え尽きず、物語作成に必要なプロットを書く方法はないか……と考えて、2つの方法を導き出しました。

  

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燃え尽きないプロット①ネタだし40

 まずひとつ目は、ネタだし40という方法です。これは、これから書こうとする物語について、書きたいネタを40個出すという方法です。ネタについては、1つあたり20〜30文字程度で構いません。時系列を後で並び替えたりできるよう、エクセルで管理したり、紙の付箋に書くとなお良いでしょう(私はエクセルでつくっています)。

 なぜネタを40個出すのか。それは、小説1冊におそよ40のエピソードが必要だからです。

 例えば村上春樹の「風の歌を聞け」は40の章からなっています。1章は小説を書くことになった動機、2章は本編の起こった出来事の日付、3章から38章までが本編となっており、39章、40章、あとがきが後日談です。

 また、私の作品「境界を超えろ!」は47のエピソード(1章13、2章27、3章6、エピローグ)でできています。

 これらから言えることは、40個のエピソードがあれば本が作れるということです。本一冊10万文字といわれているので、1エピソードあたり2500文字を40個ですね。

 「ネタだし40」の目的は、本を構成するのに必要な40個のエピソードのネタを最初につくっておくことで、本一冊分のネタがあると安心することです。もちろん、どうあがいても2500文字に膨らまないネタが出てくるかもしれませんが、反対に2500文字では収まらないネタもあるはずで、トータルするとネタ切れにより苦しむことはなくなります。

 「ネタだし40」が完了すれば、エピソードひとつひとつを2500文字に膨らませることへ集中すればいい。登場人物の性格を熟考したり、登場人物本人や周りとの関係を掘り下げたり、描写にこだわったりすることができます。

 もちろん後でいらないエピソードは切り捨てても構わないですし、追加しても構いません。

 これはパンツァーの私でも比較的簡単に取り組めたプロットです。

  

燃え尽きないプロット②年表

 もうひとつの燃え尽きないプロットは「年表」です。

 年表をプロットというと批判を受けそうですが、個人的には年表はプロットだと考えています。というより、実際に年表をプロットとして、自由な発想で物語を紡いでいる事例があります。

 それは、歴史小説です。

 例えば、明智光秀が織田信長の家臣となってからの年表は下記となります。

1568年 明智光秀、織田信長の家臣となる
1570年 金ヶ崎の戦いで殿を務める
1571年 比叡山焼き討ち、志賀郡5万石を与えられる
1575年 惟任日向守となる
1576年 天王寺の戦い
1577年 雑賀攻め、信貴山城の戦い
1578年 毛利攻め、有岡城の戦い
1579年 丹波国を平定
1580年 丹波一国を加増され34万石に
1582年 徳川家康饗応役を解かれ毛利討伐支援へ。本能寺の変で織田信長を討つ

 破竹の勢いで出世していった明智光秀とはどのような人物だったのか?
 なぜ最後は謀反を起こしたのか?

 空想は膨らみますね。実際、謀反の要因は日本史最大の謎、「永遠のミステリー」とも言われています。現代までつたわっている信長公記や明智軍記などの書物から、人物像や歴史の面影を掴むことはできますが、これらの書物とて二次創作に過ぎません。真実は本人にしかわからないのですね。

 だからこそ、歴史作家はひとつしかない歴史から様々な物語を生み出せます。

  

 多くの創作物語では、比叡山の焼き討ちを行おうとする信長を、光秀が諫めようとしたと描かれています。司馬遼太郎は『国盗り物語』もそうでした。

 ですが、光秀を主役にした大河ドラマ「麒麟がくる」では、光秀は積極的に比叡山に巣食う古き悪しきものを討つと宣言します。

※女子供までなで斬りにする……はさすがに反対でしたが、坊主を斬ることに躊躇はしていません。

 このように、起きる出来事を「年表」としてまず決めておき、そこへ至るまでの経緯や心理描写を工夫して、作品をつくっていくのも手です。

 私はいま取り組んでいる作品で、この手法を使っています。だいたい、本1冊につき、書いておく年表は10個程度です。物語全体の期間を10分割し、それぞれの期間で発生した出来事を書いておきます。例えば1冊で1年なら1ヶ月ごとの出来事を書いてから、執筆を始めます。それに付随する出来事が思いついたら、都度書いておきます。

 最終的にはプロットのようなものが出来上がりますが、事前に書いているのは10個だけ、ということでパンツァーの私でも簡単に取り組むことができます。

  

まとめ

 プロットを書くのが億劫な人でもできる、燃え尽きないプロットの書き方として、①ネタだし40と②年表を紹介させていただきました。

 こんな簡単なものでも書いてみると、「行き先までのロードマップがある方が楽に書ける。先の展開を決めていると行き詰まらない、グダグダしない。伏線もはれる」という、プロットの効果を感じることができます。

 ぜひ参考にしてみてくださいね。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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