読者の興味を惹く|小説のあらすじの書き方&エッセンスを例文解説!

 小説のあらすじと似ているものに「説明書き」があります。「説明書き」は単純に時系列でエピソードを並べただけのもの。あらすじは筋書きに触れつつも、読者に「おっ、おもしろそう!」と思わせるために、構成や言い回しを工夫したもの。つまりあらすじには「読者の興味を惹く」という大きな役割があります。

 ではどうしたら読者の興味を惹けるあらすじが書けるのでしょうか?ここではあらすじの書き方と、読者の興味を惹くために入れ込みたいエッセンス3つをご紹介していきます。これを読めば簡単にあらすじを書けるようになりますよ!

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小説のあらすじとは?

物語の内容を数百字でまとめた筋書きのことです。前述した通り、ただの説明書きとは違い「読者の興味を惹く」というのがその大きな役割です。

・要約・プロットとの違い

 どれも「筋書きをまとめた」という意味では同じですが、違いは「文字数の多さ」です。文字数が多い順に、プロット>あらすじ>要約となります。 

・適した文字数

 あらすじは、掲載する場所によって好まれる文字数が決まっています。商業用メディアの作品概要 は170~200文字程度、小説投稿サイトなら350~600文字、脚本コンクールでは800文字程度で  す。

・オチを入れるかどうか

 あらすじの利用目的によって変わります。商業用のキャッチコピーにオチを載せてしまったら書  籍が購入されなくなるため逆効果ですが、脚本コンクールでは、審査員があらすじを見ただけで  審査を進められるので有効です。

あらすじを書く手順

 ここでは、全タイプのあらすじに共通する書き方の手順をご紹介します。

①結末から逆にエピソードを並べる

まず結末のエピソードを短い文でまとめます。その次に「なぜ?(WHY)」「どうやって?(HOW)」と因果関係を考えて物語をさかのぼりながら、エピソードを箇条書きにしていきます。

【例】白雪姫の場合
 結末:白雪姫は王子様と幸せに暮らした。
 ↓
 (どうやって?):王子のキスで永遠の眠りから目ざめた。

 この作業を物語の最初まで繰り返していきます。この時に、因果関係で遡ることができなければ構成自体がうまくできていない可能性があります。この方法は構成のチェックにも利用できます。

②時系列に沿って始めからあらすじを書く

 ①で書き出したエピソードを今度は最初から読んでいくと、そのまま時系列に沿ったあらすじが書けるようになっているはずです。

 【例】白雪姫の場合
 始まり:とある国に1人の美しいお姫様がいた。名は白雪姫。
 ↓
 継母は姫に嫉妬し、ぼろぼろの服を着させていた。
 ↓
 (中略)
 ↓
 王子のキスで永遠の眠りから目ざめた。
 ↓
 結末:白雪姫は王子様と幸せに暮らした。

 しかしこれだけでは、ただの「説明書き」で終わってしまいます。次で紹介する「エッセンス」となる部分だけを文字数に合わせてチョイスしすることで「面白い!」と言わせるあらすじが完成します。

興味を惹くためのエッセンス3つ

 ここでは商業用メディアの作品概要(170~200文字程度)としてのあらすじ作成を想定し、必要なエッセンス3つを解説していきます。

①冒頭で読者の心を掴む

あらすじで「つまらなそう」と思わせたら終わり、読者が本を手にとるチャンスは永遠に訪れません。よって冒頭には「読者の心を掴む」描写を入れ込みます。

【読者の興味を引く情報】

 犯罪・いじめ・暴力・恐怖・常識から外れたこと・富や権力・万能さ など

【例】白雪姫

 始まり:ある国に白雪姫という美しいお姫様がいた。
 ↓
 姫の継母はその美しさに嫉妬し、ぼろぼろの服を着せて召使いのように扱っていた。

 (継母からの「いじめ」の描写)

登場人物の「危険」でさらに心を掴む

読者は主人公らしき人物の「危険」な場面を知り、どうなるの?と好奇心がくすぐられ答えを知りたくなる。よって購買意欲を掻き立てられるというわけです。

【例】白雪姫

危険:ある日、魔法の鏡が「真の美女は白雪姫だ」と継母に告げる。嫉妬心が爆発した継母はついに姫を殺そうと企てる。

③読者に物語の世界を伝える

ここまでくると読者は小説の本編が気になりはじめています。しかしまだ世界観をスッキリとのみこめてはいない状況です。そこでこの物語の世界を伝えるワードを盛り込みます。

【例】 

 森に逃げた白雪姫は七人の小人たちの家へと逃れるが、そこに姿を変えた継母がやってくる…。雪のように白く綺麗なお姫様の壮絶な人生と、姫を取り巻く真実の愛の物語。

 完成したあらすじがこちらです。

「ある国に白雪姫という美しいお姫様がいた。姫の継母はその美しさに嫉妬し、ぼろぼろの服を着せて召使いのように扱っていた。ある日、魔法の鏡が「真の美女は白雪姫だ」と継母に告げる。嫉妬心が爆発した継母はついに姫を殺そうと企てる。森に逃げた白雪姫は七人の小人たちの家へと逃れるが、そこに姿を変えた継母がやってくる…。雪のように白く綺麗なお姫様の壮絶な人生と、姫を取り巻く真実の愛の物語。」

 これで188文字です。冒頭のいじめ描写で心を掴み、登場人物の「危険」でさらに心を掴み、最後は物語の世界観で満たし、話全体を短い言葉でまとめてあらすじを完結させています。

まとめ

 あらすじは、掲載場所や目的によってその書き方を変えます。具体的な手順は、結末から逆にエピソードを並べ、時系列に沿って始めからあらすじを書きます。そして「説明書き」」で終わってしまうのを避けるため、3つのエッセンスを取り入れながら読者の興味を惹きつつまとめれば簡単にあらすじを作ることができます。この方法を応用すれば、どんな文字数のあらすじでも肉付けしていけば簡単にできます!あらすじが苦手という人もぜひ一度試してみて下さいね。

あらすじの書き方がよく分かる。あらすじに含むべき4つの構成要素。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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