魅力的なキャラクターはどう作る?主人公、ヒロイン、敵キャラを解説
小説を書く上で、キャラクター作りは重要かつ非常に繊細な作業です。キャラクター次第で物語の風向きが変わったりする事もあるからです。特に主人公の性格設定を誤ると主人公が完全に動かなくなってしまうという事態に。ここでは、主人公・ヒロイン・敵キャラの3パターンに分けて、それぞれのキャラクターの作り方を説明していきます。
主人公について
小説における主人公とは、「作者がいちばん描きたい人物」のことです。小説では最も多く描写される人物が主人公であるという暗黙のルールがあります。主人公について3つポイントを挙げます。
①年齢層は、読者層に合わせる
②「シンプルかつ生々しくない『欲』」を与える
③名前はできる限り読みやすくする
①年齢は、例えば中高生男子がメインの読者層だとすれば、主人公も中高生の設定にします。SFやファンタジーなどで中高生と言う概念がない場合は、どこかの設定に「中高生の価値観を入れ込む」ことを意識すればよいでしょう。例えば「異性のことが気になってしまう」、「何かのテストがある」などです。
②人間なら誰しもが抱くような「異性にモテたい、お金持ちになりたい、功績を残したい」など、「シンプルかつ生々しくない『欲』」を与えます。なるべく身近な欲の方が読者が共感しやすくなります。そして、大好きな女の子と仲良くなるために努力したら世界平和も叶えていた」のように、その先にもう1つ「誰でもできるわけではないこと」かつ「読者の願望」や「正義を象徴するような何か」を達成する形にできればベストです。
③主人公の名前だけは、できる限り読みやすいものがおすすめです。物語を通して一番描かれる回数が多い名前だからです。
ヒロインについて
ヒロインについては、シンプルに「理想の異性」をイメージするとよいでしょう。以下2つポイントを挙げます。
①理想の要素を入れ過ぎない
②1つ欠点を持たせる
①あまりヒロインに理想の要素を入れ込み過ぎると、存在自体が完璧になり過ぎて他のキャラクターとの差が大きくなる可能性があります。理想である要素は、「1人につき1個」という様に理想の要素を割り振りながら、ヒロイン以外のサブヒロインも作っていくとよいでしょう。
②ヒロインには『1つの欠点』を持たせることで、わざとらしさのないリアルなヒロイン像が出来上がります。見た目は完璧なんだけど、「地図だけは読めなくてすぐ道に迷う」など。またヒロインにも『欲』をもたせることができますが、その場合は睡眠欲や、食欲など微笑ましい『欲』がおすすめです。
敵キャラについて
敵キャラは読者に媚びて好きになってもらう必要はないため、多少濃く奇抜な見た目や言動のキャラクターの方がよいでしょう。かえって読者の心を惹きつけます。ポイントは2つです。
①人間性の欠点をもたせる
②信条に共感させる必要はない
①は敵キャラが平然と非道なことを行えるように、なるべく強い欠点をもたせましょう。そして常に主人公よりも少し強い戦闘能力を持たせるようにすることで、後々主人公が敵キャラを倒す面白さが際立つようになります。
②は「言いたいことはわかるけど、共感はできない」くらいの信条を持たせましょう。「地球温暖化をとめるために、地球の人口の半分を殺してしまおう」など、誰もが願うことを叶えるために、妄想が肥大化し間違った方向に走っているといったような信条です。
このようなキャラを作った上で、主人公をとことん苦しめるようにさせます。そうすることで、読者が敵キャラに抱く憎しみは増大化。ラストシーンで主人公が敵キャラを倒した際には、大量の憎しみが一気に解放され、強烈な「感情の浄化」が起こり、物語の面白さが際立つようになります。
まとめ
見た目や年齢などの情報の羅列だけで考えていては、リアルなキャラクター作りはできません。「好きなもの」「熱をあげているもの」「欲」など心の内を深く丁寧に掘り下げていくことで、1人で勝手に動きだすようなキャラクターが生まれます。一つ一つのキャラクターにしっかり向き合い、あなたの中の描写で埋め尽くしたキャラクターを作りましょう。
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