ねじれ文とは何か?――読みやすい文章を書くために避けたい「構造のゆがみ」
文章を書いていると、「文法的には間違っていないはずなのに、なぜか読みにくい」「何を言いたいのか伝わりづらい」と感じることがありますよね。その原因の一つがねじれ文です。
ねじれ文とは、主語と述語、修飾語と被修飾語、あるいは文の前半と後半の論理関係がうまく対応しておらず、構造がゆがんでしまった文のことを指します。一見するとそれらしく読めても、文の骨組みがかみ合っていないため、読者に違和感や混乱を与えてしまいます。本記事では、ねじれ文の定義、具体例、発生原因、そして実践的な改善方法までを体系的に解説します。
ねじれ文の基本構造
1. 主語と述語の不一致
日本語の文は、基本的に「主語+述語」で成り立っています。この対応が崩れると、文はねじれます。
例:
私の趣味は映画を見に行くことが好きです。
一見意味は通じますが、「趣味は〜です」と言いながら、述語が「好きです」になっているため構造が二重になっています。
改善例:
- 私の趣味は映画を見に行くことです。
- 私は映画を見に行くことが好きです。
どちらか一方の構造に統一することで、文はすっきりします。
2. 文頭と文末の論理のずれ
書き始めた方向性と、書き終わる地点がずれてしまうケースもねじれ文の典型です。
例:
私は昨日友人とカフェで話したことが、とても楽しかったと思います。
この文では、「話したことが」と名詞化しているのに、「楽しかったと思います」と続いており、やや不自然です。
改善例:
- 私は昨日友人とカフェで話して、とても楽しかったです。
- 昨日友人とカフェで話したことは、とても楽しい時間でした。
文の軸を揃えることが重要です。
3. 修飾関係のねじれ
長い修飾が続くと、どの語がどれを説明しているのか曖昧になります。
例:
彼は弟が通っている学校に入学したいと思っている。
この文では、「入学したい」のが彼なのか弟なのか、一瞬迷います。
改善例:
- 彼は、弟が通っている学校に自分も入学したいと思っている。
- 彼は、自分の弟が通っている学校に入りたいと考えている。
指示語や語順の調整で、関係を明確にできます。
なぜねじれ文は生まれるのか
1. 書きながら考えてしまう
頭の中で思考が進化していくのに、文の前半をそのまま残してしまうと、後半と噛み合わなくなります。これは特に長文で起きやすい現象です。
2. 一文に詰め込みすぎる
「情報量が多い=良い文章」と考え、一文を肥大化させると、構造が複雑化し、ねじれが発生します。
3. 英語構造の影響
英語では主語を明示し続けますが、日本語は主語を省略できます。この違いを意識せず翻訳調で書くと、不自然な対応が生まれます。
ねじれ文を見抜くチェック方法
① 主語と述語を抜き出してみる
まずは文から「誰が」「どうした」を抜き出してみましょう。それだけで意味が通るか確認します。通らなければ、構造がねじれています。
② 文を途中で区切る
読点(、)の位置で区切り、それぞれの塊が論理的につながっているか確認します。無理な接続があれば修正が必要です。
③ 声に出して読む
ねじれ文は、音読すると違和感が顕著になります。「あれ?」と感じた部分は構造を疑いましょう。
ねじれ文を直す具体的テクニック
1. 一文一義を意識する
一つの文では一つの主張だけに絞る。情報を増やしたい場合は文を分けます。
悪い例:
私は営業職として多くの顧客と接してきた経験があり、その経験を活かして今後は企画職として成長していきたいと考えております。
改善例:
私は営業職として多くの顧客と接してきました。その経験を活かし、今後は企画職として成長したいと考えています。
2. 名詞化の多用を避ける
「〜すること」「〜であること」が増えすぎると、構造が複雑になります。
3. 書いた後に“骨組み”だけ確認する
形容詞や修飾語を取り除き、主語と述語だけで意味が成立するか確認します。
ブログやビジネス文書での影響
ねじれ文は、小説やエッセイではリズムを壊し、ビジネス文書では信頼性を損ないます。特に履歴書や企画書では、「論理が通っていない人」という印象を与えかねません。読みやすい文章とは、難しい言葉を使うことではなく、構造がまっすぐ通っていることです。頭の中で音読するときにスムーズに理解できるかを意識するようにしましょうね。
まとめ:ねじれをほどく力が文章力になる
ねじれ文は、単なる文法ミスではありません。思考の流れと文章構造が一致していない状態です。だからこそ、ねじれを修正する作業は、「文章を直す」こと以上に、「考えを整理する」ことでもあります。
- 主語と述語は対応しているか
- 文頭と文末は同じ方向を向いているか
- 修飾は正しく届いているか
この三点を意識するだけで、文章の透明度は大きく向上します。ねじれをほどく習慣を身につければ、あなたの文章はより伝わるものへと変わっていくはずです。








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