小説タイトル=キャッチコピー!プロの広告視点でなろうタイトルを解剖

小説のタイトルは、その作品のであり宣伝文句です。特に「小説家になろう」発の作品では、タイトルが長文化するにつれ、もはや広告のキャッチコピーさながらに作品内容を伝える役割を担っています。ではプロの広告目線で見たとき、なろう系の長文タイトルにはどんな工夫が詰まっているのでしょうか?今回はタイトルをマーケティングの視点で解剖してみましょう。

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タイトルは作品の帯(キャッチコピー)

本屋で平積みされた新刊小説には、「○○大賞受賞!」「△△が贈る痛快ファンタジー!」といったコピーが書かれた帯が巻かれていることがあります。同じことが「なろう」ではタイトルで行われていると言えます。作品のアピールポイント——たとえば「異世界転生でチート能力ゲット」「婚約破棄された令嬢が実は最強」——をタイトルに盛り込んで宣伝しているのです。実際、「なろう」のタイトル上限は100文字と非常に長く、一種の広告スペースになっています。これは小説投稿サイトという環境に適応した進化と言えるでしょう。タイトルに作品の魅力を詰め込む手法は、まさに単行本の帯(キャッチコピー)をタイトルで先取りしているようなものですね。

キャッチコピーの技法が光る例

実際のタイトルを広告コピー風に見立ててみると、その巧みさに感心します。例えば『悪役令嬢レベル99~私は裏ボスですが魔王ではありません~』というタイトルを見てみましょう。前半の「悪役令嬢レベル99」というフレーズ自体が強烈なキャッチです。「悪役令嬢」で貴族ものの人気要素を押さえつつ、「レベル99」で最強クラスの主人公であることを示唆しています。そして後半のサブタイトル「私は裏ボスですが魔王ではありません」で、物語のユニークな展開(「裏ボスだけど魔王ではない」という逆転劇)を匂わせ、読者の興味を一気に引きつけます。これは広告で言えばサブコピーに当たり、メインコピー的な前半とセットで作品の魅力を伝えているのです。このように、短いフレーズで引き込み、長いフレーズで説明する構成は広告でもよく使われる手法で、なろうタイトルでも定番化しています。

他にも『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』というタイトルを見てみましょう。「無職転生」というインパクトあるワードで「異世界転生もの」であることを即座に伝え、「行ったら本気だす」というくだけた口語調でギャップとユーモアを演出しています。これはキャッチコピーの「意外性」や「親しみやすさ」を取り入れた例と言えます。

また、『治癒魔法の間違った使い方~戦場を駆け抜ける回復要員~』では、「治癒魔法の間違った使い方」という一見不思議なフレーズで注意を喚起し、サブタイトルで「戦場を駆け抜ける回復要員」、つまり回復職なのに最前線で奮闘するというストーリーの肝を伝えています。どれも「おや?」と思わせてから「なるほど!」と納得させる**コピーライティングの基本が活かされているのです。

プロ視点でのタイトル設計ポイント

広告のプロがキャッチコピーを作る際、「誰に刺さるメッセージか」を常に意識します。同様にタイトルでも、「作品の主要読者層は何を求めているか」を考えることが重要です。「異世界ファンタジー」好きには「異世界」「魔法」「勇者」といったワードを、「恋愛もの」好きには「婚約破棄」「悪役令嬢」「溺愛」といったワードを盛り込めば、それだけで訴求力が上がります。いわばターゲットを意識したキーワード選定です。また、長文タイトルとはいえダラダラと説明しすぎない工夫も必要でしょう。

プロのコピーが文字数以上にインパクトを残すように、タイトルも情報の取捨選択が大切です。作品の核心となる魅力(ユニークな設定や痛快な展開)は盛り込みつつ、冗長になりそうな部分は思い切って削る勇気も必要です。さらに、覚えやすさも無視できません。

広告コピーは人に伝えたくなるフレーズが理想ですが、小説タイトルも略称やインパクトによって口コミしやすくなります。事実、多くのライトノベルはファンによって数文字の愛称で呼ばれており、例えば先述の長いタイトルも「悪役令嬢レベル99」は「悪レ」など短く略されたりします(日本でも『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!』が「わたなれ」と呼ばれるように)。タイトルが長くても、このように頭をとった短縮形で記憶・共有されることを見越しておくと良いでしょう。

広告的発想の注意点

広告において「虚偽はNG」であるように、タイトルでも内容と大きくかけ離れた誇張は逆効果です。どんなにキャッチーでも嘘のコピーでは商品(小説)に対する信頼を損ねます。同じく、タイトルで煽ったのに実際の展開が期待外れだと読者は離れてしまいかねません。タイトルは本編の約束でもあります。釣りすぎず、しかし魅力は最大限に伝える——コピーライター顔負けのこの塩梅こそ、なろう作者の腕の見せ所かもしれませんね。

おわりに:

なろう系長文タイトルを広告の視点で眺めてみると、一つ一つが読者への熱烈なラブコールのように思えてきます。「お願い、私の小説を手に取って!」という作者の声が聞こえてくるようなタイトルばかりです。それはまさしくプロのキャッチコピーにも通じる発想でしょう。タイトル作りに悩む方は、新聞や電車の中吊り広告のコピーを研究してみるのも面白いかもしれません。あなたの作品タイトルも、読者の心を掴むキャッチコピーに仕上げてみてくださいね。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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