時代劇に学ぶストーリーテリング | お約束をバカにしてはいけない

 えー今時時代劇ー?などと、時代劇はバカにされがちですが、実は1話45分間で構成を変えずに毎回楽しませるには、相当な技術が必要です。時代劇は、想定される尺の中で、お約束を守りながら、物語を完結させる必要があります。その制約の中で、オリジナリティのある時代劇を作るのは難しいです。

 ここまで読んでお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はお約束を守りながらオリジナルの物語を展開するという意味では、異世界ファンタジー小説を作るにも同じようなテクニックが必要なのではないでしょうか?

 この記事では、時代劇で使われる技術について解説しています。この記事を読んで、時代劇の創作術を身につけ、小説執筆に役立ててください。

 

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時代劇のテクニックを理解する

 時代劇を作るには、単に時代を設定するだけでなく、その時代の文化や風習、特徴を理解し、正確に描く必要がある。その時代の歴史、風習、言葉などを熟知することは必須である。また、当時の環境や暮らしぶりを調べることも、必要な知識です。その時代の空気感や、人物のニュアンスまで把握することが、その時代を表現する上で重要なのです。

 

時代劇の構造分析

 時代劇を作る場合、構造が非常に重要です。時代劇は、話の始まり、何が起き、それをどうやって解決するかというフレームワークをあらかじめ決めておいてから、プロットにドラマと演劇をバランスよく構成していきます。

 例えば水戸黄門であれば、旅をする一行、そこに問題が起こり、印籠を出して解決するというフレームワークがあります。

 このフレームワークを基本として、劇のドラマチックな側面と演劇的な側面を加えます。

 ドラマチックな側面とは、ようはストーリーです。つまり何かしらハプニングや葛藤が起き、それに対しキャラクターが動き対応することで観客に感情の抑揚を与える、物語の展開です。

 演劇的な側面とは、例えば「いい天気だね」「そうですね」といった何でもないセリフに、さまざまな描写を加えて無限のバリエーションを加えることです。シーンごとの脚色ということができるかもしれません。時代劇の場合は、その時代の文化や風習、特徴を加えて描くことで、時代劇のニュアンスを与えているのですね。

 

時代劇のスタイルで執筆する

 時代劇を書くためのテクニックは独特です。作家は、使用する言葉や、言葉の選択、その文字通りの意味や象徴的な意味に細心の注意を払わなければなりません。

 また、セリフには当時の言葉の特徴を反映させる必要があります(カタカナ文字は特に注意)。言語だけでなく、歴史の正確さが最も重要であるため、登場人物も当時の言葉に沿ったものでなければいけません。

 ただし、三谷幸喜が脚本を努めた「鎌倉殿の13人」のように、現代的な口調で物語を進めて成功したケースもあります。鎌倉殿の場合は、カタカナ文字などは出てこず、世界観を崩していなかったのが良かったのでしょう。口調までは変えてもいい、と覚えておくのはポイントかもしれません。

 

時代劇のテクニックを異世界ファンタジーに活かす

 ここまで見てきたように、時代劇を作る際のポイントは、時代考証とフレームワークの作成、そしてフレームワーク内でのドラマチックな展開と演劇の配分に注意することでした。

 これは異世界ファンタジーでも活用できます。つまり、

  1. 世界観を設定する(時代考証に相当)
  2. フレームワークを設定する(いわゆるざまぁ形、追放系、異世界転生、異世界恋愛など様々な形があります)
  3. ストーリーを進めるためのイベント発生と回収を行う(ドラマチックな展開に相当)
  4. 世界観を見せる演劇の配分を考えて物語を作っていく

 ということです。まるで時代劇と同じようにして物語が作れますね!

まとめ

 時代劇を作るには、技術と膨大なリサーチが必要です。時代を正確に描くためには、その時代の文化や歴史のニュアンスを研究することが重要でした。

 時代劇を作るには、時代劇の構造を理解し、プロットを形成する前にフレームワークを作成してから、ドラマと演劇をバランスよく構成していきます。

 台詞、言葉、習慣の理解などは、その時代の本質的な雰囲気を表現する上で欠かせないものです。

 また、時代劇のテクニックは、異世界ファンタジーを書くためにも活用できるため、重宝します。時代劇を使いこなすには、研究し、理解することが必要です。そして、いま一番面白い時代劇は「鎌倉殿の13人」でしょう、もし見るのであればこれがオススメです。

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※ちなみに「鎌倉殿の13人」のフレームワークは、事件が起きて誰かが疑われて粛清される……というものでした。フレームワーク自体がドラマチックであり、ずるい構成です。毎回、もうやめてくれと思いながらも目を離せないドラマでした。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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