リコリス・リコイルは作家性がない……わけない | 現代における作家性とは

2023年1月22日

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超意図を作り出してきたファンの考察

 最後に、私が感動したリコリコファンの考察を紹介してこのエントリーを締めます。どなたもとんでもない解像度で作品を理解して、作り出された解釈です。

 作家性は、作品を読むファンによって作られるものかもしれないと感じますね。

たきなが射出したワイヤー、巻きついた箇所によっては糸が張り詰めた際にかかる衝撃で千束の体を容易に切断していたのは間違いないし、だからこそ『防弾仕様の鞄が衝撃をうまく吸収するように』巻き付けているのが滅茶苦茶すごい たきなのことだからあの土壇場で狙ってやったんだろうし…マジで惚れる

アニメ系YouTuberのはなげっていう人が、3つ目のキービジュアルの吉松と千束にだけ彼岸花が写っていてその2人が死ぬ説っていうのがあったけど13話のアイキャッチでたきなが千束から彼岸花を取ってあげたから千束が生存したっていう考察めっちゃ納得した

「チャンスは必ず来る、その時したいことを選べばいい」 11話で選べましたよ、たきなはあなたを選んだよ She made her choice, Chisato. She chose you.

https://twitter.com/arataka_san/status/1566301440867328000?s=46&t=aAC-DOWsy_BUxLb9fb0hew

私は殺しすぎて ここを一度クビになってまして 割と外の暮らしも楽しかったんで またクビになるのも良いかなぁと思って →美味しすぎる昨日から4時間目味わってる

ここのたきなって明らかに笑ってるんだよね。本当にこのハゲを脅かすつもりだけの発言だったら(そして今正気なら)普段通りの無表情だったと思う。私はこれ、楽しかった日々と思い出を振り返ながらその中の千束を見て笑っているもので、ハゲに対してではなく、狂気の独白だと思ってる

フキが好きすぎて3話を見直していて、9話視聴後の今、台詞と行動にムム?って思うところがあって考えてみたんだけど、そしたらますますフキが好きになっちゃったから語らせて。

1 子供の頃から化け物じみた強さの千束を知ってて、今も並んで行った測定でその身体能力を間近で見て圧倒的な能力差があるのをわかっていて、何でこのタイミングで、たきなを煽って楠木司令の前で「模擬戦」なんか挑む事にしたのか。唐突な模擬戦への持って行き方が不自然。フキの勝ち目薄いのに。

2 「てか、それがわかってるならフキも協力してよ」 「それは上層部が決める事だ」 フキはたきなだけが任務失敗の責を負わされた形になっている事に、後ろめたい思いもあると思う。 模擬戦は、フキが上層部=楠木司令にたきなの有用性を見せてDAに必要とされる戦力だと認識させようという計らいか。
つまり模擬戦提案は、フキなりの千束の協力要請へのアンサー。 「離せよ」 「あ、ごめん」 フキの事を良く知る千束が、この思惑を瞬時に理解し、即興の芝居に乗ったあと、終了しても胸ぐら掴んだままだったから出た台詞なんだって考えると、ここの2人のやり取りというか千束の軽さが腑に落ちる。
あそこの一幕は全部フキと千束による、たきなに活用の場を与えるための茶番劇。 って考えると、ファーストリコリスの先輩2人に思われているたきなさん贅沢。

4 「あいつは任務以外で戦えるような奴じゃない。」 たしかに1話のたきな=フキの知ってるたきななら、「先輩のかわいがり」的な無駄な模擬戦吹っかけられても「その必要性を感じません」とか無表情で断りそう。フキが散々煽り散らかしたのは、千束を動かしてたきなが参戦する流れを作ったんだね。

5 「んだとテメェどこ中だコラァ」←完全ふざけてる はい茶番の証拠。 クソガキムーブかまし合いも、さくらの「あんたら仲良いっすね!」の一言に集約されてるけれど、姉妹喧嘩のような呼吸、気の置けない仲だからできる芸であって、フキも千束もお互いこれが「仕込み」だってわかってる。

6 千束がたきなを追いかけて行った後、フキが楠木司令に模擬戦観戦してもらうため「サクラをはじめ、千束の動きや戦い方を知らないリコリスが増えてきました。全リコリスを招集し模擬戦の観戦をさせてはいかがでしょうか。」くらい進言したかも。 じゃなきゃ忙しい司令がわざわざ喧嘩の観戦せんよね。

7 「待ってんだろ。そういう奴だ。」 「そういう奴」=「舐めプする奴」じゃなくて「仲間を信じる奴」 たきなの実力をみせるために、この模擬戦に参加してほしいけど、フキの知ってるたきなだったら来ないかもしれない。 でもフキも信じてるんだよね。 千束が待ってる奴なんだから来んだろ、って。

8 で、その待ってたたきなが来たけど、後ろから雄叫びをあげて突っ込んできた挙句、撃つのではなくまず「殴りに来た」のはきっとフキの予想外。 平時のフキならあの攻撃は避けられたんじゃないかな。 あれだけ目視できていて間もあったんだし。 千束が「やるなぁ」って認める戦闘力のフキちゃんだし。

9 フキの下についていた頃のたきなはもっと「正確な射撃で合理的かつ冷静」な戦い方をする子だったんだろうね。 たきなが突っ込んでくるのを確認して銃撃の応戦しようとしたけど、まさかのたきなの「ブン殴るモーション」があまりにも意外すぎて、え!?って虚を突かれちゃってる。

10) 多分「まずブン殴る」じゃなくて普通に銃撃戦になってれば、もっとフキも上手く応戦して、たきなの強さや巧さを引き出してあげれただろうに。 たきな売り込みのために、はなから負けがわかってる模擬戦提案して汚れ役かぶってやってんのに、当の本人にはその作戦の意図が全然理解されていないし

11) 千束を挟んで撃ち合いになって、多分フキは躊躇したのに対したきなは千束ごと(千束が絶対避けると計算した上でだけど)撃ってくるし。 挙げ句「これでおあいこですね」って言われたら。 「やっぱりお前、つかいものにならねぇリコリスだよ」 イラッとしたよねー

たきな最初は小走り だけど雪が降り出して嬉しくなって千束の方を振り向いて目を合わせる その後はゆっくり歩くんだよね この描写だけで、たきなは千束と一緒に雪が見れたことが何よりの幸せで、心の底から満足したような気持ちが伝わってくる 何より振り返る顔が本当に嬉しそう

千束の「両親がどちらも男性」「黒人と白人の両親」「片方の父は出て行ってしまい現在片親」という環境を特別なものや異質なものとして描かずに自然なものとして当たり前のように描いてるのほんと好き

千束は自分の定めを受け入れて今を楽しもうとしてるし、そういう意味では千束の物語は既に完結していて、余命2ヶ月だろうとなんだろうともうエンディングなんだよ でもそれを、他ならぬ千束に救われたたきなが許さない、たきなにとってのエンディングは千束と一緒以外あり得ないって構図なの本当良き

リコリス・リコイル 1話 千束とたきなの背景にリンゴが2つ、結婚相手が居ないと嘆くミズキとは対照的に、禁断の果実を食べたアダムとイヴを思わせる。 同時に、禁断の果実は「善悪の知識の木」を、彼岸花は「善悪の彼岸」を指し、善悪で物事を計る既存の価値観を打ち破る作品に受け取れた。

https://twitter.com/nekotart18/status/1577925270698627073?s=46&t=YJII0LfC6upyMg2R1x-66A

ちさたきメリーゴーランド、第3話では「今は前に進む時」とたきなさんに言いつつ、千束さん本人は反時計回りに回ってるけど、最終回ではまるで自身の時間も進めるかのように時計回りにぐるぐる回ってるの良いですわね

リコリコいっちゃん最初に全部見た時、錦木→井ノ上の矢印は確かに見えるんだけど、それがどうにも母性に見えたのよね。でもひとしきり論文書いて思ったんだけど、そりゃ置いてくって分かってたらそうなるわな。自分は確実に先に逝く。それでもこの子が生きていけるようにって親は子を育てる訳じゃん

ほんこれ。やりたい事最優先〜とか、世界がどうとか知らんわ~とか言いながらも「必要としてくれた人に覚えてて欲しい」っていう諦めから来る寂しさを感じてるから、最後まで明るく振る舞うつもりだっただろ錦木ぃ!そういうとこだぞ!

みやぶんびー@ohmiyamiyamiyaリコのいちばん好きなところは、最後の最後まで錦木を光として描き切ったところ。あくまで視聴者には外面しか見せなかったところが錦木千束の罪深さを逆に克明に滲みださせてると思う

たきなちゃんの筆跡で性格診断見てたんだけど、当たってる当たってないよりも、綺麗な字書きそうな顔してるくせに意外とクセのある字を書くことに気づいて無限に可愛いと思いました。「たきな」の「き」の書き方可愛すぎじゃない???

リコリコ終わってからずっと“花の塔”をヘビロテしてますにゃ 2番の歌詞がエモすぎて辛い “高く聳え立った塔の上”は言わずと知れた「延空木」 “手も声も届かない” は真島が電源切った状態 その後に続く“飛ばすフウセンカズラ”がヤバいんですにゃ!

フウセンカズラの花言葉はいくつかあるけど 『自由な心』 それははまさに、千束の生き様そのもの そしてもう一つ 『永遠にあなたとともに』 これはたきなの感情そのもの! 足立監督とさゆりさん、一体どこまで擦り合わせてたのか分からないけど、こんな完璧なed、なかなかないですにゃ!

たきなの行動原理の1番根底にあるのって千束の言葉の影響なのでは?ってなってる、新しい居場所試してみないって言ってくれたリコリコを守りたいし命大事にだから助けたいしやりたいこと最優先って言ってたから全部いいですねって返すし相棒って言ってくれたからついて行く、もっと怒って泣いてほしい

あの塔で真島と一緒に身投げをして死ぬつもりでしかなかった千束を空っぽな死にぞこないに変えてしまったのは最後まで諦めないことを選んでいた井ノ上たきな側の責任でしかないので、だから彼女はその責任を取って千束の『諦めてたこと』にも一緒に付き合うんだぜ、という締め方、クッソ綺麗かもしれん

リコリコの最大のメッセージは「世界を好みの形に変えてる間に、おじいさんになっちゃうぞ」だと思ってて、だからあの世界が急激に変わらないのは誠実な展開だと思ったなぁ。 たしかに社会に問題はあるけど、それを個人で思い詰めて無理に変えようとしてしまうと真島になってしまうんですよ。

千束が変えたのはたきなの世界 たきなが変えたのは千束の世界 そう思わせてくれる2人の時間が何よりも尊く素晴らしかった。 1話を彷彿とさせる構図や最後までブレない『日常』の締め括りがリコリコだなぁ。 最高の時間をありがとう。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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