「異世界ひろゆき」が面白い!ストーリー良し、ヒロイン可愛い、学びあり
ふらりと立ち寄った本屋で見て、つい買ってしまった漫画です。異世界にひろゆきが召喚されるって、設定からしてずるいですよね笑 特に長文タイトルをつけているわけじゃないのに、敵を論破する物語なんだろうなと想像できますから。
ひろゆき氏の歴史と背景をXミーニングしてる、秀逸なタイトルです。
ストーリー自体も面白い
あまり期待してなかったのですが、実はストーリーも面白いです。
冒頭で出てくる、勇者を召喚した瞬間に殺す「はめ殺し」というアイデアにはヒザをたたきました。これやられたら確かに勇者って手も足も出なくない?と感じさせる対策です。「はめ殺し」を思いついたのは、原作の戸塚たすくさんなのかな?だとしたら凄いですよ、戸塚たすくさん。
ストーリー自体は予想通りひろゆき氏が敵を論破していく物語です。敵を論破することで、相手にダメージを与えることができるのですが、論破=ダメージが入っていると感じさせてくれるのは、作画がいいからなんですよ。作画の西出ケンゴローさん、めちゃくちゃ絵がうまいです。ので物語に入り込めます。
この本を読むまでは、「相手をひたすら論破する」物語は文章だけでも成立するので、小説向きかな〜と感じていました。(漫画ではアクションのある行動が描けるので、あえて論破に踏み込まなくてよいので)
ですがダメージ表現を絵的に示せるのはやっぱり効果的です。「相手をひたすら論破する」物語を書きたい人は、「異世界ひろゆき」がひとつのモデルになると思いますので、ぜひ読んでみてください。
論破をエンターテイメントにするのって難しい
論破した際に、読者にスカッと思わせるのは技が必要です。
現代においては法律や統計データなど、多くの人間が知らないまま過ごしているが、論破の根拠として使える素材がたくさんあります。
しかし異世界で論破を続けようと思ったら、論破するための素材を物語の中で提示しなくてはいけません。そのうえで相手に多くをしゃべらせて矛盾点を突き、質問攻めにして相手が感想をポロッともらしたときに「それってあなたの感想ですよね?」で倒すような展開にする必要があります。
長く続けるのは難しいと思いますので、短くコンパクトに、名論破シーンを描いてほしいと感じます。参考までに、相手を論破する方法としては以下のような手段があります。もし「相手をひたすら論破する」物語を書きたい方は参考にしてみてください。
- 相手にできるだけ多くしゃべらせる
- 仮説を立てて相手の矛盾点を突く
- 矛盾点に対する具体例の説明を求める
- 相手が感情的になってもこちらは冷静さを保つ
- 矛盾点を絞り、質問攻めにする
- 自説の賛同者がいることをアピールする
- 自信を持って大きな声でゆっくり話す
- 勝ち負けだけを重視しない
成長物語としても良くできている
さらに「異世界ひろゆき」のずるいところは、ヒロインのメソールちゃんが可愛いことです。なおかつ、ひろゆきの生き方が、彼女の成長を促したりするんですね。メソールの成長物語としても良くできています。例えば
ある日のライブ配信
「死ぬのが怖いです」
「ひろゆきさんは死ぬことへの不安を感じたことがありますか?」
「ありません」 ひろゆき即答
「やりたいこととかやり残したことがあると「死にたくない」とかってなると思うんですけどぉ 僕 やりたいことがあったら大体やるようにしてるんすよ
(中略)
なので なんか突然死んだとしてもまぁしょうがないよねっていうので諦めるんじゃないかなって気がしてます」
彼は全ての瞬間を全力で楽しんでいる 故に死を恐れない
という、ひろゆき氏の死生観を描いた上で、不死身の死皇帝ハヴェールとの戦いを経て、メソールが『四千年間よりも濃い1日があるなら…… とにかく「今」を全力で生きるしかないのかも……!』と思い至ります。
今を全力で生きようという物語のテーマが伝わってきて、私的には大好きな展開です。今後もメソールの成長を通して、「今を全力で生きる」、それこそ君たちはどう生きるかみたいな深い話を、ひろゆき氏を使って見せてくれそうで、非常に楽しみです。
ひろゆき氏は小学生にも人気がでている
以下の記事で知りましたが、「それってあなたの感想ですよね」が、2022年の小学生の流行語ランキングの1位にランクインしているそうです。厄介そうな子供たちが育ってきそうですが笑、その本質も書かれていて面白い記事ですのでシェアします。
ひろゆき、小学生に人気の理由は「大人の間違いを教える」から 学習漫画で伝えるメッセージ
ひろゆき氏が人気なのは、つまるところ「大人の間違いを教える」からとあります。大人の言うことを無条件に信じる……年功序列が崩れてきて、ついに若い世代が言いたいことを言える時代が近づいているなという気がします。
ひろゆき氏は児童養護施設へのパソコンを寄付するプロジェクトをされていたりして、実は日本の子どもたちの底力を信じている人のように思います。若い世代が希望を見いだし、若い世代でおっさんをぶっ倒すのを願っているような。だからこそ、若い世代に支持されると思うんですよね。
「よのなかの攻略法」は、ひろゆき氏が小学生向けに書いた本です。世の中をサバイブする子どもを育てる教科書になるかもしれません。お子様をお持ちの方は購入をご検討してみてください。
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