ウマ娘 シンデレラグレイはなぜ面白い?| 伝説を作る・メンタルブロックを外す・ライバルを贅沢に使う

 面白い漫画を探す活動をしています。

 その中で、ウマ娘 シンデレラグレイを一気に読んだのですが、これが面白い。

 競馬はディープインパクトが活躍していた頃に一時期嗜む程度で、あまり詳しくないのですが、そんな私でも胸が熱くなり、涙が自然とあふれる漫画でした。

 寂れたカサマツの地に現れた、ひとりの灰被りの少女。後に“怪物”と呼ばれるその少女は、どこを目指して疾るのか――。地方から中央の伝説へ。青春“駆ける”シンデレラストーリー、遂に出走!!

 この漫画の主人公オグリキャップは、地方で活躍した競走馬が中央に上京していく流れをはじめてつくったパイオニアです。

 地方の灰被りの少女が日本の頂点を目指し、伝説になっていく……このあらすじを見るだけで胸が熱くなります。ウマ娘というソシャゲのスピンオフ作品ではおさまらない、走るというただ一点を突き詰めたスポ根漫画の傑作に仕上がっています。

 この記事ではウマ娘 シンデレラグレイがなぜ面白い?かを考えてみます。
 ポイントは伝説を作る・メンタルブロックを外す・ライバルを贅沢に使うです。

灰被りの少女がテッペンを取るまでのシンデレラストーリー……やっぱりいい、燃える

 地方に現れた「怪物」が認められていき、中央で活躍してテッペンをとるストーリーってやはり燃えます。

 どういうときに燃えるのかを考えながら読んでいたのですが、一番燃えるのはやはり主人公が別格であると評されるシーンですね。

 シンデレラグレイには魅力的なライバルが多数登場し、ライバルたちも強いことが示されていくのですが、主人公のオグリキャップはさらにその上をいく「怪物」として描かれます。オグリキャップの底しれなさにブルっと震えました。こぴーらいたー作家の風倉さんもおっしゃってますが、あいつSUGEEE!は俺TUEEの必須パーツなんですね。シンデレラグレイではライバル目線があるおかげで、オグリキャップの俺TUEEが際立つ構成になっていました。

 また、オグリキャップが別格であると示されたあとで、「同格の先行するライバル」を持ってくるのも上手でした。オグリキャップが最強になるまでの最大のライバル・タマモクロスのことです。タマモクロスはオグリキャップよりも先にゾーンを発動させ、オグリキャップに勝つんですね。まさに別格のオグリキャップと同格のライバルです。その上でタマモクロスとオグリキャップの間に険悪なムードは微塵もなくて、純粋に切磋琢磨する関係。2人の怪物が新時代をつくっている!様は胸が熱くなりました。オグリキャップがタマモクロスと二人で笑いながら新時代を駆け抜けていくシーンは、シンデレラグレイの最高潮だったと感じます。

 相手に勝つのではなく、自分に勝つことで真の力だ引き出される展開も燃えました。

馬の擬人化というアイデアがメンタルブロックを取り除く

 この漫画、競馬をもとにしていなくても面白かったと思います。

 本質でいえば、陸上400メートル走を全力で描く漫画 と変わらないからです(距離を伸ばし、登場人物を個性的にしたというだけ)。

 ただ、競馬があるからこそできた漫画ともわかります。

 例えば陸上選手を描く漫画では、あんな個性的な格好はさせられません(空気抵抗がとか、変なツッコミを入れる人がたくさん出るでしょう)。

 陸上選手を描く漫画では、2000メートルもの距離をあの迫力で/あの傾きで、走ることはできません(そんなペースじゃ体力持たないとかツッコミが入るでしょう)。

 馬を擬人化しているという設定のおかげで、荒唐無稽な見た目や走りへのツッコミがなくなり、私たちは個性的なキャラクターが活躍する熱いスポーツ漫画として楽しめます。

 魅力的な物語を書くヒントは、この野暮なツッコミ(『メンタルブロック(思い込みや固定観念)』ともいいかえて良いです)をどれだけ避けるかにかかっていると感じます。

 ロボットアニメなんかでも、現実的・論理的に考えたらシンプルな格好の方が良いよね、人形のロボットなんて効率悪いよね、になっちゃいますよね。でもそんなリアルなロボット別に見たくないんですよね。ガオガイガーみたいなゴテゴテのロボットが見たいんですよこっちは、と。

 ウマ娘は競走馬の擬人化という世界観のおかげで『メンタルブロック』を取り除いた点が素晴らしいです。

魅力的なライバルたちを贅沢に使う

 魅力的なライバルたちもシンデレラグレイの素晴らしい点でした。そしてこのライバルたちが常に強いわけではなくて、史実にそった活躍をしているのが贅沢です。

 ディクタストライカというウマ娘がいるのですが、このキャラクターは主人公のオグリキャップにゾーンに入るヒントを与えるライバルなんですね。でも次のレースでディクタストライカは出走時にゲージにぶつかり出遅れたりします(もちろんその後見せ場はありますが)。

 普通、主人公のライバルキャラがレーススタート時に失敗とかしますか?これも史実にそっているからできることですし、ディクタストライカ以外に多数の魅力的なライバルがいるからできる贅沢な使い方です。

 魅力的なライバルを多数作り出せるのは、元ネタになった馬というバックグラウンドがあるからです。トップクラスに強い馬なんて、それぞれが主人公級のストーリーを持っているわけです。それをライバルという役で登場させられるのだから、魅力的ですよね。そして主人公級のストーリーを持つ数ある競走馬の中でも、伝説的物語を持つオグリキャップを主人公にしているのだから、シンデレラグレイが面白くなるのは当然でしょう。

 まだまだ先になるかと思いますが、オグリキャップ伝説の最終戦まで、シンデレラグレイの物語を見守っていきたいと思います。

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