「#RTした人の小説を読みにいく」を実際にやってみた

2019年9月27日

 Twitterの小説クラスタで2019年頃からブームになっているハッシュタグがあります。それが「#RTした人の小説を読みにいく」というハッシュタグです。

 これは「リツイートしてくれた人の作品を読む」という企画です。プロフィールから作品をたどっていくのは読む側として手間なので、リツイートとともに読んでほしい作品のURLをリプライしてもらうのが定番です。

 「#RTした人の小説を読みにいく」けれども、条件としてアカウントをフォローしてねとか、自分の作品を読んでねという条件を出す方もいらっしゃいます。
 また、感想は気に入ったら書きますとか、5つだけ書きますと言ったパターンもあります。

 頻繁に「#RTした人の小説を読みにいく」を実施されている人もいますが、こういう人は、実際には読んでないと思います。
 何のためにやっているかというと、フォロワーを増やしたいとか、あわよくば自分の作品を読んでもらえたら嬉しい……と考えているのでしょう。
 本気で読んだら、めちゃくちゃキツイ取り組みですよこれ。

 

 なぜキツイと言えるか? それは私自身「#RTした人の小説を読みにいく」を実際にやってみたからです。#RTした人の小説を読みにいく タグをつけてTwitterで小説を募集しました。想像以上にリツイート&コメントされ、沢山の方が創作を楽しんでいるんだなと実感しております。

 本エントリーには、合計55作品を読んだ感想を書いています。
 一度に複数の小説の感想を書くのは、自分の好きな作品だけじゃなくて、いろんな作者さんの物語に興味を持っていただけたらなという想いからです。

 感想の書き方のヒントとして、またスコップの参考としてご利用いただけると嬉しいです。では、さっそく感想に行きます。

Contents

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境界を超えろ!シリーズが特別キャンペーン中!5冊セット495円!

当世退魔抜刀伝

https://ncode.syosetu.com/n3879ey/

大澤伝兵衛様著
主人公は高校1年生鬼越修。
ヒロインは幼馴染の太刀花千祝。
共に武道の達人。
※ヒロインはなぎなた使いのイメージ。

二人はもはや家族のような安定した関係になっており、小さな子供でもない男女が、一つの布団に入って平然としている場面も描かれていました。
どちらもストイックで強い主人公なので、感情移入して物語を読むのではなく、一歩引いて展開を読む形で物語を追いました。

すると、物語の最初から示される5年前の事件。
この最大の謎がどう物語に関わってくるんだろうと興味を抱き読み進めているうちに、37話まで読んでいました。

設定が作り込まれていて、主人公の流派がどこから来ているのかも説得力がありました。ヤトノカミという蛇頭の怪物に対し、銃より布津御霊剣がダメージを与えられる理由も納得です。

展開としても無理がなく、柔道部とのやりとりや他流試合に立ち向かう中で2人の強さが徐々に明らかになっていきます。
この主人公とヒロインなら、血で血を洗う戦いも乗り切れそうだという信頼感が芽生えます。

敵には敵なりの信念があり、その目的のために悪事を起こします。登場人物全員に信念がある作品です。

まさに武道家同士の戦いが描かれており、作品としての完成度が非常に高いです。描写も丁寧でわかりやすいです(文章がプロ級に上手です。文庫で読むレベルでしょうこれはと感じました)。

世界のためとかそういう大きな物語を好む人には合わないかもしれませんが、自分の信念を貫く武道家同士の物語を読んでみたい方はぜひ読んでみてください。

※第1部のみの感想ですので、第2部以降で世界をどうこうする話に展開していく可能性もあります。そうなるとさらに多くの人が惹きつけられるでしょうね。

私は落ちこぼれの女子高生ですけど、降臨された女神様は優しくて酷いです!

https://novelup.plus/story/191960784

ミクサ様著
021 2-14 進路決定(勝手に)まで読みました。
主人公は稲月 奈苗。
神の眷属になることが誉れとされる世界で、神様に取り憑かれた女子高生。

初っ端から様々な事件に巻き込まれ、
013 2-6 何それ?時点で神様が頭の中に居て、妹がいきなり出来て、父親の友人は戦争中。

なかなかのプロフィールです。
魔法を使うための魔力量が多く、かわりに魔法のコントロールが致命的なまでに出来ないという設定も含めて、主人公の特別性が際立ちますね。どんな物語にも展開していけそうな奥行きを感じます。

そこからナナエの学校生活が描かれていきます。僕は暴れん坊の女神さまとそれに振り回される主人公を見て楽しむ物語だと考えて、その目線で読みました。

しかし!ですよ。
2-14まで読んで考え方が変わりました。
あ、これドラえもんだと。

実力はあるけど冴えない主人公が神様の助力を得て、徐々に成長していくシンデレラストーリー。これは刺さる人に刺さりますね!

・設定の見どころ
現代社会風の世界観で、二十歳以下は五百人に一人程度の割合で魔法を使うための魔力を持っているという設定。
魔術と魔法に差をつけており、魔術は一般には魔法とも呼ばれるという点が面白いです。ミスリードから物語を始めることもできますね。

また神降ろしをした時に神は依り代の魂を食べるという設定があり、ナナエと神イナンナの関係に緊張感を生み出しています。この対立状態からドラえもん展開へ向かうなかで2人の関係が変わるところが2-14までの一番の見どころだと感じました。面白かった!

灰笛の愚か者は笑う1 ~魔法使い的少女と王様じみた馬鹿野郎~

https://ncode.syosetu.com/n4585ew/

ハルハル(春a裏)様著
第三章、遅刻は社会的制裁をもって罰する
時刻は海を指さしている まで読みました。

上まで読んだ私のオススメは、独創的な世界観を楽しむこと。

『複数の区によって構成されるこの都市には、世界でも有数の傷がある』というプロローグの一文に惹きつけられ、時刻は海を指さしている まで読んでしまいました。

『町の上に海が浮かんでいる』
『空に浮かぶ不可解な生傷』

それらの魅力的な設定が小出しに語られ、灰笛今昔物語でそういうことか!と納得するのが楽しかったです。

一方で、まずは世界観からということで、キャラクターの物語(心情や関係性の変化)はあまり感じられませんでした。キャラクターの物語を期待して読むと脱落するかもしれません。

ワールズエンド・カーニバルシティ

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884797493

緑茶様著
謎の浮島から放たれる無数の剣が種から外れた者達を創り出す世界。

『全てはこの社会の構造が生んだ悲劇ですねぇ、元は全て同じ人間なのに、見た目や性質が違いすぎるせいで、互いを蔑視し、偏見を叩きつける。いや、ある意味これは喜劇かもしれないなぁ』
この世界をつくりだした黒幕ディプスのこの言葉にテーマが凝縮されていると感じました。ディプスは映画ダークナイトのジョーカーみたいです。

彼の創り出した世界観に魅入られて、僕は章を読み進めました。

するとさらに僕を惹きつけてやまないキャラクターたちの数々。超人的な強さを持つチヨ。やたら口汚く罵り合うも腐れ縁が見て取れるグロリアとミランダ。スタートレックについて熱弁するオタク、キム。クールな室長フェイ。フェイの率いる第八機関という組織が物語を牽引します。

賑やかでやかましい彼女たちが生きる変わり果てたニューヨークに僕も住んでいるような感覚を覚えました。

壁に書かれた落書き。HOTELの電灯がところどころ切れているなどの描写によって、没入感が増していくのに加え、その全ての描写に意味があります。文章がめちゃくちゃ上手いです。

物語の中心は、過去に罪悪感を抱えた少女シャーリー。彼女が友達を探して第八機関に参加するところから物語は動いていきます。

魅力的な世界観とキャラクターで惹きつけながらも、骨格はシャーリーの成長物語になっているところが面白いです。彼女が過去の罪と向き合い、それに打ち克った場面では泣いてしまいました。

読後には爽やかさが残り、彼女たちの活躍をもっと見たいと思えます。面白かった!

妖伐師

https://novelup.plus/story/932823382

かもめし様著
赤鬼退治まで読みました。

明治政府が士族のために「日本各地で暴れる妖怪や怪現象を調べ、それを解決すること」を仕事とする妖伐士を設立。廃刀令は免除されるため士族が食いついたという設定がまず魅力的。
時代の変わり目に、時代についてこれない過去の価値観をもった人たちに新しい職業を与えるというのは政府としてもすべき内容と感じました。納得感と独自性のどちらも高いレベルで共存しています。

主人公は妖伐師の秋山響。
しかし最初に登場するのは赤鬼に憑依された男ソウマ。赤鬼は妖力を回復するため妖怪を喰らわねばならない。その過程でソウマを利用している設定。

ソウマは、幼い頃は弱い妖怪が襲撃してきてそれを喰ったが、次第に弱い妖怪の襲撃はなくなったため化け物の縄張りへ足を踏み入れ、餌を探すしかない状況となり、自ら強い妖怪の元に向かわなければならなくなった。この設定が無理なく、まず納得。

そしてソウマと赤鬼のバディものの展開が始まるのかな?と思って見ていたら、そっちか!という展開に膝を叩いた。

10話まででまさに1セットの物語。
まずは赤鬼退治の最後まで読んでみてください。

悪党たちのエデン

http://ncode.syosetu.com/n7970fs/

紅玉様著
主人公は高級ホテル毒ガス事件の容疑者にされた林木英悟。通称リンゴくん。

瞬間記憶能力を持ち、相棒のシークレットと裏稼業をこなしていく中で体術と射撃を身につけていきます。

基本的にはこのリンゴくんの成長ストーリーなのかなと考えて楽しみました。相棒のシークレットは最初から最強でお助けキャラ的な感覚です。

おとなしいリンゴくんと、秘密だらけの女シークレットの対比が面白く、サクサク読めます。
小さな事件をクリアしていき、ゾンビ麻薬事件につながっていく展開。そこでEHというイニシャルが描かれており新たな謎が生まれます。

結局第21話 罵倒と矛盾まで一息で読んでしまいました。義理の弟 林木迦糸との確執が描かれて、また気になる展開。

リンゴくんが何故容疑者にされたのかや、シークレットの秘密といった物語を牽引する大きな謎も残されています。

この作者さんは謎の出し方が上手いですね。
小出しの謎だけではネトゲのクエスト消化みたいに作業感が出てしまうのですが、大きな謎を加えることで目的地を見失わずに読むことができます。

面白かった!

ジカンヨトマレ

https://ncode.syosetu.com/n4974ex/

和井 慶朔様著
最終話 夜明けを待つ少女達まで読みました。
雫が人見知りになった原因となるエピソードがいいですね。雫、歩夢のどちらにも感情移入ができ、気持ちのすれ違いって物語のスパイスだよなーと実感。

物語自体は6人キャラクターの群像劇で、それぞれのキャラクターのバックヤードを描いてからいきなり最終決戦という豪快な展開が面白い。これぐらいテンポのいい作品が好きです。

聖因子の副作用(完成させる前の一部の記憶を失い、ある者は対人欲求を失い、ある者は不治の病を患い、ある者は極度の人間不信に陥り、ある者は家族に執着し、ある者は常人とは掛け離れた思考回路を持つ)や、超次元の存在との戦いにおいて時間感覚の違いから砂時計というアイテムを作らざるを得なかった点など、設定の独創性に惹きつけられます。

視点移動の結構ある作品で、感情移入するというよりは面白い展開を楽しむタイプの物語に感じました。

全編一番ピックアップされてるのが雫と感じたので、雫を主人公にして書いてみても面白いように感じました。

ミュレス帝国建国戦記 ~数百年間虐げられていた白猫族と黒猫族が独立するために~

https://ncode.syosetu.com/n1727fb/

トリーマルク様著
第八節 トリュラリアの宣誓
二三 トリュラリアの宣誓まで読みました。

天政府人の残した教科書から、ミュレス民族がかつて独立した国であり、それを滅ぼして天政府人が支配してきた歴史が発覚する。ミュレス民族は主権を求めて社会に反乱を起こす。猫族がすむファンタジーな世界で繰り広げられる革命物語。

僕の好きなタイプの物語です。
急速にミュレス民族を貧しくしようとする政策に、天政府人悪いやつやな!と共感できる人はミュレス民族の革命に感情移入して楽しめそうです。

天政府人そんなに悪でもなくない?という人でも、主人公たちがとても素朴でいいキャラクターなので、童話のように楽しむことができると思います。

天政府人側がほとんど描かれていないので、実はミュレス民族か昔天政府人を侵略していたなどというどんでん返しがあるかもしれません(二三 トリュラリアの宣誓までしか読んでない人の感想です)。

意図的に天政府人側を書いていないと感じますので、そういった予想外の面白さがこれから見れるのではないかと。ミュレス民族の正義が揺らぐような展開があると名作になりそうです。

最期のノータ

https://ncode.syosetu.com/n2527ft/

ののの様著
魔法大国ノータ、魔法に似た魔術を使う魔術連合国クローマ、科学小国ラチェッタの三国がある世界。

科学小国ラチェッタの第三王子リイの歌から物語は始まります。ここは魔法と比べて科学の格が低い世界。その上で科学小国の王子を主人公として魔法大国ノータの滅亡が描かれていく。

設定面としては、魔術の教育制度が面白い。15歳で基本就職、才能があれば20歳まで学べる、大学院みたいです。

僕の読解力が低すぎて最後の方ノータとトータがごっちゃになってわけわからんくなっちゃいました。

歌を作ったのが実は黒幕でーという展開は面白かっただけに読解力不足が悔やまれる。

セイクリッド・パニック ~ホーリーブラッド編~

https://ncode.syosetu.com/n9536ff/

緋路雪(ひろゆき)様著
奇跡の確率まで読みました。

聖水と同じ効力を持つ聖なる血の持ち主 貴船暁とエクソシストの出会いから物語は始まります。

聖なる血はある程度成長しないと持ち主かどうかわからず、暁は聖なる血の持ち主と発覚したせいで悪魔や妖魔に狙われてしまう。
これによって、これまでなぜ戦いに巻き込まれなかったのかや、なぜ戦闘に巻き込まれるのかという細かいツッコミにも耐えられる奥行きが出ています。

魔族(悪魔や妖魔)が人間として一生を終えることもあるという設定もいい味を出していて、ヒロインの加茂川摩耶が実は魔族なのですが、彼女がいまにも悪魔になってしまうんじゃないかと緊張感を感じながら物語を読み進められました。

聖なる血を持っているがために、ヒロインと手を繋ぐことすらできないという展開が、各設定を活かしきった展開で大好き。エモい。

最後はハッピーエンドで終わるのも、読後感がとてもよかったです。皆さん。安心して読んでみてください。

世界が魔王過多で、勇者が泣いています

https://novel18.syosetu.com/n4741fs/

かばパパ様著
エロ注意。

洞窟まで読みました。
主人公は駄女神最後のチャンスで召喚された毒島 祐太郎。無骨と見せかけて軽いキャラです。

net shoppingという特殊能力が非常に面白い。制限付きの四次元ポケットみたいな感じで、物語のトリックとして使い勝手が良さそうです。
もちろん作品世界でモンスターを倒すことでnet shoppingで使えるお金も増え、それを使って金策に走ったりします。

エロもありますので、趣向が合う人にとっては願望充足系の物語としてオススメです。

魔王については今読んだところまでだと特に言及されていません。魔王過多の世界っていうアイデアも面白いのでここからどう展開されるか楽しみです。

崩壊世界で嗤う者

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890921183

台所醤油様著
11話まで読みました。
第1話で母と妹が死に、絶対に神を殺すと誓う主人公が、名前なんだっけ状態のまま体を乗っ取られるというチャレンジングな展開。

神が転移者を使って人類を皆殺しにするという設定が面白いです。転移者という概念からはいろんな発想ができますし、物語のギミックとして奥行きがあります。

僕の読解力が低く、こいつ誰だ状態になってしまったので、名前はもう少し早めに明かしていただけると助かります。

銀河一、永い家路

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891042515

未完成ポッキー様著
覚悟まで読みました。

村に伝わる勇者ウェルバーの物語「星の勇者」を信じる少年コウと、謎の生物と出会った二人の少女のロードムービー。

どこか懐かしいファンタジーな世界観が広がっています。三本の矢を放つオリオンの弓矢、適性がある人しか読むことができ

ない上級魔法の本、傷を治すユニコーンダガー。なんでも願いを叶えるという星の力を使って魔王を倒した勇者ウェルバーに習い、伝統的に受け継いできたムーンストーンを探すブレイバーカーニバルの習わし(毎年優勝者が石を隠しにいく)。こういった小物が物語を彩ります。

全編通して優しい物語です。
変にうがった見方をせず、おとぎ話を読むように安心して読んでみてください。

面白かった。

<海狼>の系譜 第1部 海神の娘

https://novel.daysneo.com/works/aace4033b86448c17f568151b9c5b117.html

時枝香樹様著
第1部読みました。
これは人間を描いた作品です。

奴隷の娘 菫が海賊七部族長のひとり海狼ベルクリフに見初められるところから物語が始まります。

前半は菫と菫の救った奴隷二人、ベルクリフの従兄妹、前妻との間に生まれた息子、弟たちを通して、ベルクリフという英雄の強さが描かれていきます。

しかし次第に薫はベルクリフの強さに恐怖を感じ始め、物語は薫を中心に動き始めます。

ベルクリフが前妻のことを話してくれないとこに対し、話したくないほど愛していたと解釈して自信を失う菫。海賊の長に見初められたというのに、それを幸運とはとらえず、逆に恐怖と不安を抱いてしまう。まわりの人間はそんな薫とベルクリフの間にあらぬ噂を立てたり、憎しみを抱いたりします。

ベルクリフが自分の話したくない過去を話した後も菫は悩み続け、これほど女性は男性を信じられないものなのかと男である僕は苛立ちましたが、その苛立ちがスカッと解消される展開が待っていました。マイナスからプラスへ心が動き、本当に楽しいと感じることができました。

最後までベルクリフはかっこよく、周囲の家族にもハッピーエンドが訪れ、ジンと涙が滲みました。どちらも悪くない二人の間に生まれた誤解が解け、和解する展開にはグッときますね。

心の機微を描く名作です。

1話が3万文字ほどあるので、なろうやカクヨムに慣れた人には読みづらいかもしれません。本読みで鍛えた胆力のある読書家なら、これは楽しめるんじゃないでしょうか。

ヒガンウタ

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889883933

塚野 自由様著
10話まで読みました。
主人公は人類が妖怪によって滅ぼされた世界にただひとり取り残された少女。

妖怪が思ったよりもいいキャラで、異世界旅歩きという感じです。

妖怪と仲良くなって親妖怪となった少女が、宇宙に脱出した人間と対峙して葛藤するような物語になれば面白いかもしれません。

呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888603339

こが様著
ロリと萌え袖だ。

実力があるにも関わらず何もしないで散歩ばっかりして誰からも役立たずのゴミ勇者と罵られる勇者が、ロリとの出会いをきっかけに旅に出る話。

人間はエルフに偏見を持っている世界で、主人公は偏見をもっておらず、エルフのロリとも仲良くなります。
主人公は強いし、まわりは優しい。
安心して読める作品です。

第12話 凄くかわいいまで読んだ感想でした。

設定上、勇者です

https://ncode.syosetu.com/n1932fm/

赤茄子様著
VRゲームで勇者になる主人公の話。現実生活に見切りをつけるシーンがなかなか真に迫ってました。そこで一気に引き込まれて、アナタは何もしなくてもいいですよ!まで読みました。

死を覚悟したら昏睡状態になる設定は面白いし安心感あるのと、自分の魔法に巻き込まれたら炎で焼かれたり氷漬けされる感覚を味わいながら死ぬので、慣れない魔法には挑戦しにくい設定がインフレを防ぐ良いアイデアだと感じました。

勉強に対する考えを述べるシーンがあり、議論を呼びそうでこういう注目の集め方もあるのかと思ったり。そこで読者を意識しながら物語を書かれているのが上手だと思ったりしました。

今のところ何か目的を持って冒険する作品ではないのですが、気軽にだらっと読むにはちょうど良いのではないでしょうか。

本筋とは違いますが第1話で
〉今朝は来るなと願った電車も今ばかりは待ち遠しい。
→この後電車に轢かれて異世界転生するかと思いました笑 最近異世界転生系読みすぎですね。

魔王で始まる異世界生活

http://ncode.syosetu.com/n3845fh/

シズマ様著
あらすじを読まずに読み進め、魔王で始まる異世界生活#03 ライカvsカイオル#01まで読みました。

1話2話のつかみのアイデアに膝を叩きました。
勇者になれと言われ与えられた女神の剣の効果何?と惹きつけておいてからの、魔王転生。謎で読者の興味を牽引しつつ、勇者でなく魔王かという予想外の展開を持ってきてさらに惹きつけるという二段構え。隙がないです。

舞台は人間同士の領土争いがチラつく世界。
本当にただの領土争いなのか?という謎も交えつつ、主人公は魔物たちを守るため、領土争いに介入することで物語は進んでいきます。魔王というけれども、魔物という家族を守るために戦う王道ストーリーに思えました。

コツコツレベル上げしなきゃいけないと見せかけてSランククエスト直行など、テンポの良さも相まってスイスイ読めます。読者をかなり意識されている印象。

魔法を使えるようになるリングなど、ファンタジー好きの心を掴むアイテムも登場します。王道ファンタジーがお好きな方に読んでいただきたい作品です。

ゼクスアルシュ物語 聖王の百合

http://ncode.syosetu.com/n6888cd/

青屋ういろう様著
主人公は就職を間近に控えた大学生 隆臣。
召喚した主を探す旅。第三章5まで読みました。

ジワジワジワと世界観の足場を固めていく話づくりをされています。与えられた飾り剣が真の力を発揮する場面は鳥肌が立ちました。(どこかで真の力を発揮する展開があるんだろうと期待して読み、期待通りの展開になった楽しさと、描写と主人公が予想を超えてカッコよくそこに追加の面白さを感じての鳥肌でした)

主人公はいわゆるいいやつで、命の危機が迫った際、一緒にいた年下の子供がまだ生きるのを諦めていない姿を見て、奮起できるキャラクター。僕はこの勇気と正義感に溢れた王道キャラが大好きです。

表現としても見るべきところがあり、異世界用語の混ぜ方が絶妙と感じました。例えば異世界に召喚された直後の第一章4では、ステュムパリデスという単語が出てくるのですが、この話で出てきた異世界用語はこのひとつ(他の聞き慣れない単語は名前と分かるもの)。なので余計にステュムパリデスが頭に残るし、読者としても情報の津波にならずわかり良いです。
読者が物語に慣れてきたころにキカイ、ヒジンといった単語を会話ベースで出していく書き方も上手でした。

読みやすいし、王道のファンタジーですので、刺さる人に刺さるかと。是非読んでみてください。

ゆりん百合ん小説

http://schoolmistress001.livedoor.blog/

ただの田中様著
満里奈先生と危険な恋(20)攻める決意まで読みました。
高校に進学した文学少女優花里が、新任の満里奈先生と出会い、文化部で活動していく話。

優花里はプロ作家である村瀬先輩に認められる実力を持っていて、まさに主人公という特別性があるものの、恋愛についてはウブで満里奈先生に一目惚れに近い感情を抱いてしまう。

一方の満里奈先生は優花里を妹にしたいと言い妹条約を結びます。恋人としてみたい優花里と、妹としてみたい満里奈先生のすれ違いが物語の原動力となって物語を牽引します。

文化部の書いた小説を映画部の手で映画化するという当面の目標も提示されており、それに向けて小説の作成を進める中で、優花里と満里奈先生の間に秘密が出来ていきます。

今のところは二人の関係は思い通りに進んでおり、今後は周囲の人が二人をどう認めていくかを描く作品になると想像しました。

テンポが良く読みやすいです。小説家になろう等に投稿したほうが読者が増えそうだなと感じました。

ボクたちのてのひら

https://ncode.syosetu.com/n9569by/

雨露りんご様著
第4話 盲従の勇者
4‐3まで読みました。

主人公ラウダが異世界から異世界へ、選ばれし勇者として転移するストーリー。

実際は異世界と見せかけて、別のパターンなのですが、それは物語のトリックなのでここでは明かさぬようにします。

キャラクターの配置が面白くて、
主人公ラウダを尻に引く少女ローヴ(転移先ではさしたる役割を与えられておらず、勇者であるラウダとの関係性は反転している。転移前はラウダより優位だったのに、転移先では何もできない。彼女の目線で見るのも面白い)

ラウダを勇者とあがめ従おうとする小柄な女性セルファ

ローヴとセルファの間だけでも物語が始まりそうです。転移前後でキャラクターの関係性が変わっているのは本当に面白いですね。

文書も上手で、各話の長さも適切で読みやすいです。ぜひファンタジー好きは読んでみてください。

(有名無実の)最強種族は暇潰しを求める!!

https://ncode.syosetu.com/n1938fj/

フリータイム様著
第一章「獣領の騒乱」編
第十二話「ふたつの意志」—後編—まで読みました。

主人公は暇海斬。
異世界転生のテンプレを心得ている元高校生。
物語は全編軽口の応酬で進むので、軽い気持ちで読むことができます。これだけのギャグを作品に途切れることなく注げるのは才能です。

物語の大筋は、いきなり最強種族となった主人公が暇つぶしのために旅立つという流れ。

初っ端の占いが面白いです。すぐさま主人公が死んでいる描写に移るのですが、占いあたったね…で納得してしまいました。それに限らず、1話目のパワーは凄いですね。このキャラどうなるんだと思わせる力があります。

いきなり目的を失って旅に出るための準備に入り、しばらく落ち着いた展開が続くので、会話劇が楽しめない人はあわないかもしれません。
会話劇が楽しめる方はぜひ読んでみてください。

お姫様は異世界人

https://ncode.syosetu.com/n7748ef/

早見 春流様著
異世界のお姫様アイリが現代に転移するところから物語は始まります。めっちゃいい子なお姫様が現代で頑張るドタバタラブコメディです。
主人公がいい子だから、抵抗なく読めます。賽銭箱に財布突っ込むシーンは笑いました。

第2話で1ヶ月で空間マナの多いところを探すという、期間と目的が示されるので入り良いです。この目的に向かってどんな話が展開されるんだろうと頭が働きます。物語の目的を早めに示すのとっても大事。
設定面では、闘犬のようにペット化された闘龍という生き物が面白いです。確かにファンタジー世界の娯楽にありそうだなと思いました。

個人的にはアイリ姫を中心としたラブコメが楽しいので、過去編や別キャラの物語を書くとしてもアイリ目線で書いた方がいいのではないかと感じました。ケロロ軍曹みたいな感じで。

なにせストーリーを追う物語ではなく、キャラを好きになる物語なので、アイリが出てこないだけで読者の読みたい気持ちは失われてしまうかなと。

とはいえ謎の錬金術師や、過去編が描かれていますので、それらがどうつながってくるのか、今後の展開に期待です。

ORATORIO (E)SCAPE

https://ncode.syosetu.com/n0441ft/

しおん様著
17 イリヤの身の上1ー鬼の子 まで読みました。

ナユタ、ユーリ、ヒース、クーガー、テン、ユジュン、イリアと主役級のキャラクターが多く登場する群像劇です。

ヒース、クーガー、テン、ユジュン、イリアの幽霊退治と謎のゲートが開いていく展開が、物語の中心となっています。

母を殺され、回復魔法を扱い、妖精を相棒に持つナユタが特別性があり、彼が他のメンバーとどう関わるがが気になって17話まで読み進めましたが今のところは消化不良です。

キリスト教じゃない世界を表現するために、アーメンではなくラートンと祈るところは良いアイデアだと思いました。祈りの言葉ひとつ変えるだけでオリジナリティがでるのですね。

しかしこの調子でクーガー、ユジュンのエピソードが挟まれるとナユタファンは脱落してしまうかもしれません。どこかで早めにナユタとの合流を期待したいです。

悪役令嬢が処刑された後

https://ncode.syosetu.com/n4335fn/

なぁ~やん様著
12.その日、盗賊軍の休暇ですまで読みました。

主人公は復讐を誓う少年セーヴと少女インステードの復讐譚。主役はセーヴなのかな?叛逆のセーヴ。

盗賊と化して帝国と戦う展開。セーヴ、インステード共に強く見ていて安心感のある展開が心地よく、サクサク読めます。めっちゃ面白い。

セーヴとインステードのラブコメとしても読めます。精霊術師になりたかったと髪を触るインステードちゃん可愛い。

身体に魔王を閉じ込めているというインステードの設定がいいですね。最強なのだけど枷があって、禁書目録の一方通行みたい。今後いくらでも燃える展開が書けそう。セーヴはセーヴで精霊召喚が一流で、それが強みだし、精霊はファンタジーな世界観が伝わってきて良い感じ。

呪術伯爵の過去編などはテンポが良いのに、悲しさが伝わってきました。悪の根源は皇帝だよな…その犠牲になったティアーナの思い出がチラチラと蘇るのも悲しみを誘います。

爽快感あり、涙ありで心を動かされる作品です。ご一読ください。

學校教死(がくえんきょうし)

https://cervan.jp/story/p/6347

夏目ほのか様著
乃茨の武器まで読みました。
主人公は謎の事件に巻き込まれた乃茨、事件の当事者の一人であるルーヴェ。

乃茨は平和な世界へ戻るため、メルヘンという存在との戦いに巻き込まれていきます。メルヘンとは、グリム童話なんかに出てくるキャラクターをモチーフにした敵キャラですね、イメージしやすいし、そのイメージを外すことで面白さも感じさせることができ、良い設定だなと感じました。

倒すとマテリアルキューブがゲットでき、それを使ってダンジョン探索し武器をゲットするなど、RPG的な要素もあります。

本筋をガンガン追うというよりは、横道も含めて世界観を楽しむ作品だと思いました。そういうどっぷり浸かりたいのがお好きな方にオススメです。

花の補色

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890801093

@jonnn様著
ウッド村が悪魔に襲撃されたのは10年前。まで読みました。

主人公は姫に選ばれた王国騎士ローシェンナ。
姫はローシェンナのことを好いている。

舞台はかつて王族が結界をはり悪魔を防いでいた世界。しかし悪魔が結界をやぶり国内にチラホラ現れている。ローシェンナの故郷も悪魔によって襲撃されており、姫はそのことに罪悪感を感じている。

王族は15歳で自分の騎士を選ぶという設定的な面白さや、ローシェンナの騎士然とした振る舞いなど楽しめる点も多々ありました。

それだけに物語の目的がいまいち見えなかったのが残念なところです。はやめに物語の目的を提示頂けますと、読者としては非常に読みやすくなるかと思います。

世界観は王道的騎士道物語のイメージでとても良いと思いました。
ファンタジーな世界を旅したい方にはオススメの作品です。

隠密医者 ~ 時代劇大好き少女がお江戸の町で大活躍(のべぷら版)

https://novelup.plus/story/845404229

第1部まで読みました。
大事故に見舞われた主人公が入院している時、先生が亡くなった。それから10年。余命10年を悟っていた主人公も亡くなってしまう。

第2部からは江戸時代での旅が始まるようです。

私が誰なのかを明かさず話が進んでいくスタイルなのですが、ごめんなさい。私にはこの書き方きついかも。あなたはだあれ?という気持ちが浮かびながら読むことになるので、いまいち集中できませんでした。

きちんと評価ができていないと思いますので、特に主人公の名前とかを気にせず、主人公の私になりきって物語が読める人に一度読んでいただきたいです。

新訳・少女と少女は鏡面世界をさまよう

https://ncode.syosetu.com/n8007fq/

キュア・ロリ・イタリアン様著
第06詠唱 銀の魔女ベティ・ロージャスまで読みました。

主人公はリリィ。表の世界と裏の世界を行き来しながら、記憶を取り戻すために旅をする、話と思います。

視点移動やら場所移動が多い作品で、かつ私の理解力がなさすぎて、途中でよくわからなくなっちゃいました。すみません。

個人的には健二のいる方の世界が気になったのですが(おそらく日本語の名前を見て親近感が湧いたため、一気に心惹かれたのかもしれません)、そちらはバックヤードなので、チラチラとでてきます。将来的にバラバラのピースがひとつになり、こういうことか!と納得するのでしょうね。

任侠桃太郎

https://ncode.syosetu.com/n9856el/

黒咲すてら様著
最後まで読みました。
桃太郎の新解釈。

カタカナ名の主人公がヨーロッパ風の世界で旅する作品が多い世の中で、桃太郎をリメイクするという発想が斬新で面白いです。

キャラクターが全員カッコよく、昔話とかけ離れたイメージを想起させます。

桃太郎。振る舞いから何からカッコよく、auのCMの桃太郎をイメージしちゃいます。
犬。義理深くて決めるところを決めます。イメージ的にはもののけ姫に出てくるくらいのサイズはありそう。
猿。喋り方が典型的な極道。しかし組織を抜けるかどうかで葛藤もあり、等身大のキャラクター。
雉。ほかのメンバーを鼓舞する姉さんポジションで、達観した雰囲気から火の鳥をイメージしました。

すごいメンバーです。キャラクターが濃いとそれだけで物語の牽引力がありますね。

鬼の悪業に関しても新解釈がされており、鬼イコール悪という固定概念を外す面白さがあります。エンディングの落とし方も王道でハッピーエンドにまとまりますので、桃太郎を信じて安心して読んでください。

わずか5話でこの展開が描けるのはすごいと思いました。面白かった!

そして少女たちは甘露を目指す ~マイナードリンクを愛することに理由などいらない!~

https://novelup.plus/story/196887576

留確惨様著
5話まで読みました。

導入のインパクトがやばいです!こういうつかみも有りですね。いかがわしいことを考えてしまうのは私の心が汚れているからでしょう。
そして実体験を踏まえたエッセイ的な物語ということで、表現が大変リアルで、キャラクターと一緒に体験している気分になります。

マイナードリンク好きというキャラクター付けも素晴らしく、物語が知的好奇心を満たしてくれます。

作者様には時間がかかってもいいのでずっと続けて欲しいですね!

迦具夜姫異聞~紅の鬼狩姫~

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890023640

あおい彗星(仮)様著
二夜まで読みました。
かぐや姫のその後を描く意欲作。
地上を統べる帝へ宛てた手紙の内容に衝撃をうけます。

日本の誰もが知っているかぐや姫をモチーフにした世界観のため、キャラクターや世界観のイメージがしやすく、大変物語に入りやすいです。

ゼロから世界を構築し、読者を惹きつけるのが難しい時代ですから、このアイデアは秀逸です。入りやすいわかりやすいというだけで物語の牽引力はありますから。

彼岸と此岸、陰陽師など日本風の世界観でもまだまだ魅力的な世界はつくれるという可能性を感じました。

ストーリーの感想です。
かぐや姫の存在を匂わせて魅力的な世界観を構築しつつ、主人公である陰陽術師の神野緋鞠と銀狼が、佐野仁という少年と出会うところから物語は始まります。

一夜はそれだけで完結していて、文章も堪能で長さも最適、サクサク読めます。読み終わった後は、さわやかな春の息吹のような読後感があります。

第二夜で大和に入った神野緋鞠は学園都市という陰陽師養成所に入学します。学園モノでもあったのか!

陰陽師の学園都市という、いかようにも面白く展開できる余地を残しながら、二夜は終わります。

この感想の中で気になったキーワードのある方は是非続きを読みに行ってみてください。

嫌われ者と能力者

https://ncode.syosetu.com/n6052de

あめさか様著
教室 まで読みました。

嫌われ者の戸山望が、クラスの女生徒、七原実桜に呼び出しを受けるところから物語は始まります。

主人公がクラスのボスである藤堂さんに抱いた面倒くささに共感し、物語に引き込まれていきました。主人公に共感できるって、物語を読ませる大事な要素ですよね。

戸山はクラスではみ出し者にされてはいるけど、前向きで冗談も言えるタイプ。人のことを心配する優しさも持ち、共感できる主人公です。

七原は注意を向けた人の声が聞こえてしまう能力者で、自分に好意や嫉妬を向けるクラスメートが彼女の精神的な負担になっています。
そのクラスの中で、はみ出しものがゆえに人生に達観し、七原のことをなんとも思っていない戸山だけが七原の特別な存在になる点も面白いですね。

戸山と七原の掛け合いで場を温めてから、次の登場人物の登場につなげる展開も上手いです。
視点移動が多すぎると物語を見失うこともあるのですが、この物語は見失いませんでした。
文章が巧みなのと、主人公が好感できるキャラクターで続きが気になるからでしょうか。七原が可愛いのも大きいですね。キャラクターの物語の牽引力がすごいです。

七原以外にも、めちゃめちゃあざとい妹キャラなど、能力者はでてきますが、教室での出来事をメインに物語は進みます。クラスのはみ出しものが女の子を助けるという展開が熱いですよ。

好感の持てるキャラクターに惹きつけられる物語、ぜひ読んでみてください。

雪月花

http://ncode.syosetu.com/n5966fi/

吉田タツヤ様著
第一章:蛇喰の村 最終話まで読みました。

切り傷をたちまち直す蝦蟇油の紹介から物語は始まります。当然のことながらそれはインチキなのですが、インパクトのあるつかみだなーと感じました。

主人公は妖怪退治を行う女剣士ユキジ、旅する大道芸人ツクネ、鬼の子カリン。3人の物語を書く群像劇です。

ユキジは妖怪退治にいったきり帰ってこなくなった父親を探しており、もし父を殺した妖怪を見つけたなら復讐しようと考えています。その事情を知った上で応援しようとするツクネの性格が小気味良いです。

群像劇ではあるものの、最初にユキジの動機が示されており、まずは妖怪退治なんだと読者と思わせることで読者が目的を見失わない配慮がされています。

物語はユキジを中心に進み、彼女は人助けの一環として蛇喰狩りに向かうことになります。
その中でカリンが登場し、ツクネとの再会があり、共闘があり、またそれぞれの目的のため別れていきます。この展開が非常に熱いです。

おそらくこの後も、3人が旅の途中で全員集合しながら物語が進んでいくのでしょう。良い群像劇ですので読んでみてください。

ハロウィンに舞う白い羽根

https://www.alphapolis.co.jp/novel/524575058/568275519

ねる様著
番外編まで全て読みました。
ハロウィンの日は必ず地上におりる天使ラフィアと、彼女を大事に思うリンの物語。

ラフィアは毎年ファルナさんという人のところを訪れてクッキーをもらい、それをリンや母親に食べてもらうのを楽しみにしています。

この純真さがすごく尊いですね。
ただ、人間界に降りてクッキーをもらう行為が天使界では罪になります。そのためラフィアは一年間の禁固刑になってしまい、ファルナさんに会いにいくことができなくなります。

最終話ではそんな2人が再開し、最高のハッピーエンドを迎えます。全編通してあたたかい文章で、書かれており、読んでいてほっこりできました。

TEA PRINCE

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888266680

マナトプス様著
悪に抗え まで読みました。

ソーマザード帝国を統率する皇帝陛下アンビシオン・ボナパルトが魔王となり世界を統一し、それを打ち破った紅蓮戦神がどこかにいる世界。

圧倒的なテンポの良さが抜群に気持ちよく、完璧な序章と感じました。この作家さん、短い文章で状況を伝える実力が半端ないです。

そして物語は燃え上がる英雄の登場で一層盛り上がり、その始まりを記すダージリンの学園生活へ。

神を創造するために圧倒的な魔王を作り出しそれを倒すという展開、その神がもしかしてダージリン?というような創造を膨らませてくれる作りになっています。

作中で精霊人間のことをスピルシャンと呼ぶのですが、このネーミングセンスがカッコ良すぎます。僕もスピルシャンになりたい!!

めっちゃカッコいい物語なのでぜひ読んでみてください。

海が泣いている

http://novel18.syosetu.com/n6164fo/

八助のすけ様著
男性同士の恋愛注意

もう二度と他人を自分の心の中に入れない……
と誓ったマコトとアキラの物語。

アキラの兄は元小説家で、新山齋を名乗っていた。その新山齋の作品【海が鳴いている】が物語の鍵となって読者をぐっと引き込んでいきます。

というのも実は【海が鳴いている】は、兄貴が何を頑張っても全て裏目に出て、全てを投げやりになって行く姿を見て何とかしなくちゃと考えたアキラが描いた物語なんです。

マコトはそんなアキラに優しくします。読者としてもアキラの愛情深さや優しさを尊いと感じました。

ですが実はマコトは男の子がすきな男の子で、そういった経験もある人でした。だからアキラのこともそういう目線で見てしまいます。

過去に嫌な思い出があるマコトは、もう二度と他人を自分の心に入れないと誓ったはずでした。しかしアキラの純粋な思いがマコトを再びその道へおとしていく。

なるほど、初めてこれ系を読みましたが、禁断の気持ちに落ちていく様が物語としてすごく面白いですね。

どうやら主人公は付喪人のようです。

https://ncode.syosetu.com/n0227ey/

谷瓜丸様著
第11話 どうやら俺達は謎の超常現象に出会ったようです。 まで読みました。

100年たった物には魂が宿り、付喪神となる。
この設定めっちゃ独創的で面白いです。

明山と死神の友人関係もいいですね。確かに世界で一番ひとりぼっちかもしれない死神、明山が友達になってくださいといったときの死神の気持ちを想像すると切ない気持ちになります。

100円パンチや五十円波動光線といった技のネーミングセンスも好きです。

1話1話のボリュームが多いので、視点移動がある箇所は分離して別の話にした方が読みやすくなるかもしれません。ただ、各話これだけの分量を書ける熱量はすごいですし作品に対する愛が伝わってきて好印象を受けました。見習いたいです。

気狂いエルの好奇心

http://ncode.syosetu.com/n0447fp

アンデッド様著
編全部読みました。

オートマタ、気狂いのエルが主人公。
エルはその場で起きた過去、を見ることができる能力の持ち主で、4つのお話はエルの見たそれぞれ独立した短編集となっています。

論点は違うのかもしれないけれど、過去を覚えているからこそ、人は人たるのかなと考えるキッカケになりました。

砂糖のかけらは塩辛い

http://ncode.syosetu.com/n7107fm/

依澄礼様著
起勢 「はじまりの準備」まで読みました。

魔力至上主義の世界、それを判別するための銀紙。銀紙に反応しない、魔力を持たないとされる只人の存在。
従業員の数に応じて払う人頭税と、只人はその対象外であるという設定から、只人を安く使おうとする領主がいる世界観。

これだけでも、全ての設定がシンクロして物語を紡ぎ出す雰囲気があります。

この世界の中で、魔法使いでもなく只人でもない城主ジークハルト、その護衛官シズル、魔物ザカリ、番号付き魔導師だったデュオなどの織りなす群像劇が描かれます。

誰かというとシズルが主人公でしょうか。9話でシズルを狙う敵の存在も示唆されています。

世界観をコツコツ積み上げていくタイプの物語で、魅力的な世界観に牽引されて読めるものの、大きい目的(敵)らしきものが出てくるのがこの9話なので、それまでに脱落してしまう人がいるかもしれません。

世界観はバツグンに面白いので、読者を牽引する目的が早めに出てくると嬉しいなと思いました。

というか前作の続きものなんですね。
前作であるこちらもどうぞ。

https://ncode.syosetu.com/n6233fj/

魔法少女になれたなら

https://ncode.syosetu.com/n5071ex/

くらはしみく様著
*第33話 天使のような悪魔まで読みました。

イラストがめっちゃ好きです。
作者にしか書けない風景ってありますよね。それを表現しようとされていて、主人公の椎名結衣ちゃんも可愛く描かれているなーと感じました。

図書館で手に入れた、願いを叶える魔法のステッキ(本?)との出会いが主人公の運命を変えていきます。

個人の願いは尊いというのがテーマのように思いました。仲良くなった子が、まだ命を狙ってくるなど、少女たちは願いを叶えるために真剣です。その願いが両立できないところが悲しいなと思いつつ、友達も敵も両方救うといった結衣ちゃんはやはり主人公だなと感じました。

テンポも良く、主人公も前向きなので読みやすいです。

深海シティ4cb8e7

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886899584

戒めツブヤ様著
前編:第一章 【完】まで読みました。

南極の氷床に築かれた国、ガラスのイカダこと『海洋国グラス・ラフト』が舞台。

設定が最高にクールです。個人的に近未来というのかな、現実の延長線上の物語が好きなので、1話目で一気にひきこまれました。

物語を牽引するのは世界観。ガラスのイカダという発想で心をつかみ、テンシという存在が追い打ちをかけます。そして主人公ハヤトと規格外のテンシとの出会いが物語を加速させていきます。

生きているだけで、罪深い

そんなヒトの生きる世界を見てみたい方は是非読んでみてください。テーマのために世界観があり、世界観を活かした物語がここにあります。

ブラック勤務は辛いけど、配達先の幼女が癒し系すぎるっ!

https://ncode.syosetu.com/n9245fr/

青野 瀬樹斗様著
いやしのじゅもんまで読みました。

うーん、すごい。
癒しの総本山です、この作品。

配送業者で働く主人公早川和(さがわ やまと)が、元気一杯の可愛らしい笑顔が似合う南天那(みなみ あまな)ちゃんと出会うところから物語が始まります。

さがわ やまと という主人公の名前からして、肩肘張らずに読める話だとわかっていただけると思います。

ストレスを抱えている方は是非読んで、あまなちゃんに癒されてください。

星の彼方 絆の果て

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武石雄由様著
第一部 スタージア 第五話 絶景(4)まで読みました。
主人公は星の真実を追い求めるシンタック。

銀河系人類社会始まりの地スタージアから物語は始まります。重厚なSFであることはすぐにわかり、機械と有機的に融合した化物とされる《オーグ》に追い出されたという伝説や、N2B細胞などの想像を掻き立てられるワードが多々でてきます。

世界観を読ませるタイプの物語で、『博物院の院生になるとスタージアから一生出られなくなる』『なぜスタージア銀河系人類社会の外縁部にあるのだろう』といった星の謎を中心に物語は進んでいきます。

あまりSF小説を読むときのお約束がわかっていないのですが、以下感想。

個人的にこういった好奇心を満たしてくれる作品は好きなので、地の文多めですがサクサク読めました。シンタックが星の謎を求める個人的な動機(星の謎を解明しようとした父が行方不明になったとか?)があると、より物語の牽引力が生まれそうだと感じました。
あとはライト層でもある私はリュイとヨサンの恋愛がどうなるのかも気になりました。

重厚な世界観を楽しみたい方には大変オススメでの作品です。文章も巧みでサクサク読めます。ご興味あればぜひ。

異世界五分前仮説 ~第二勇者は『時間遡行』から抜け出せない~

https://ncode.syosetu.com/n3931fo/

するめいか様著
10話「罵詈雑言のバリエーション」まで読みました。

8日で死ぬという定めの牢獄へ閉じ込められた勇者ヴィーレの物語。

物語の期限と目的が初っ端で提示されるところがすごくわかりやすくて良いと思いました。物語の目的を見失わずに読むことができます。

本筋とは違うのですが、対価を払うことについての登場人物たちの会話は、一読の価値ありです。イズというキャラクターの聡明さを示す良いエピソードと思いました。

物語の展開としては、イズが知的な読み物としての面白さを作り出しつつ、戦闘に関しては時間遡行者のヴィーレが無双してくれるので、幅広い読者層に刺さりそうな気がします。私などはイズの活躍をもっと見てみたいと感じました。

王道の旅に出て帰るストーリーに、知的な読み物としての楽しさを加えた一作。

おそらく私の作品に興味を持ってくださっている方は、この作品も好きだと思います。
ぜひ一度読んでみてください。

王子と護衛騎士の友情からはじまる恋愛譚

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891106982

瓶覗しろ様著
第15話 降る星のようにまで読みました。
ダメ王子リアムとお付きの護衛騎士オフェーリアの恋愛物語と見せかけた導入から始まります。

最初の印象がダメ王子だったリアムが、実は機転のきく王様だとわかるシーンがあって、この王様やるやん!という気持ちになりました。ギャップがうまく引き出されていると思います。

しかも単なるダメ王子の描写を延々とされたなら、もう嫌いだわこのキャラクターとなって読むのをやめてしまいそうですが、この作品では王子を見守る護衛騎士オフェーリアの目線から描くことで、このダメさが愛おしいのかな?と感じながら読むことになりました。
読んでて気分が悪くならないしギャップも感じるしで余計に上手いなと感じました。

物語はリアムとオフェーリアが灯国へ修行の旅にいくことが決まり、旅の準備をしながら少しずつ動いていきます。今後どんな旅が繰り広げられるか、楽しみです!

※どうでもいいことですが、なんとなくファイアーエムブレムというゲームを連想させるキャラクター名が多く、ファイアーエムブレム好きの私はなんだか楽しくなってしまいました。岸っぽい名前なだけで作者さんはファイアーエムブレムとかご存じないかもしれませんが……。閑話休題。

プリムローズ・ストーリア

https://ncode.syosetu.com/n4587dj/

刈安ほづみ様著
第二章 戦装束まで読みました。

序章の前書きにあるとおり、序章が長いと感じたら読み飛ばして後から読んでくださいとのことなので、お言葉に甘えて序章は飛ばして読み始めました。
オススメは第一章 義勇十字団と城下町の様子まで読んだ後、遡って序章を読むことです。そうするとこの世界が抱えている問題を理解できます。

主人公はベリロナイトの第一王女プリムローズ。
天真爛漫かつ素直な性格で、お忍びで収穫祭に参加して値切りを楽しんだり、従者のピンチを放って置けなかったり、町が少しずつ発展するのを喜ぶ心優しい王女様です。

ふとした発言から、いつもと違う自分になりたい子なのかな?お忍びもその感情が表出した結果なのかな?と感じました。彼女の願望はこれから書く大きな物語も関係しているでしょう。

大きな物語として、プリムローズのいるベリロナイトが隣国アルカネット帝国との10年に渡る戦争の末にアルカネットに降伏し従属しているという背景があります。

それによって国民は王族を非難していたり、プリムローズは帝国の皇太子へ嫁ぐことが決まっていたりします。この状況の中でプリムローズの日常を描きながら、二国間の関係性や、プリムローズと周囲の人との関係が描かれます。

ベリロナイト騎士団の若き騎士エヴァンとの関係は今後恋愛に発展しそうで興味深いところです。

ハードな設定ではありますが文章は非常に読みやすいです。一文が適切な長さで、専門用語も少なく、漢字とひらがなの配分も適しているためでしょうか。まさにプリムローズのように優しい文章です。

軽く読むことができますのでぜひ読んでみてください。

こちら夢窮学園高校エージェント部!

https://ncode.syosetu.com/n2464fm/

ルミナリエ様著
Chapter6-2まで読みました。

西暦2021年4月という近未来を舞台にした
主人公は3年前の事件で突如現れた異能力者ネビュラのひとりである、レイラ。
彼女は臓器売買のディーラーの操るロボットを倒したことから、秘密組織“SCHOOL”に勧誘され表と裏の二重生活を送ることになります。

テンポの速い展開が小気味よく、サクサク読めます。

SCHOOLの入隊試験に挑んだ際などは、必死で努力を重ねるレイラの姿に、この子大丈夫かなとヒヤヒヤしながら先が気になって止まりませんでした。キャラクターがいい子達で見ていたくなります。

裏の社会ではソレイユとして巫女服に身を包み活動することや、高周波ブレードといったアイテムに男の子心をくすぐられました。

レイラと相棒の亜衣、水穂との掛け合いも楽しいので、ぜひ気軽に読んでみてください。

すごく細かいことですが、場面転換を示す記号が都度変わっていて、目を楽しませてくれます。作者さんの全力で楽しませようという細かな気遣いが感じられて、とても好感を覚えました。

私にとって作品を好きになり、作家さんも好きになった稀な作品です。

魔法は桜と共に

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鍋田 リューマ様著
Episode7 「灼熱魔法と明かされる過去2」まで読みました。

主人公は魔法戦士《ケラソス》桜空光牙、エルという少女を救おうと敵の研究所へ向かうが、それは罠で敵に捕まってしまう。というピンチから始まり、面白いなと惹きつけられました。

この少女エルも敵に利用されている雰囲気があり、ふたりで敵の研究所から脱出するために戦うのだろうと予想して読み、夜桜支部主任 リューゲとの戦いが始まります。

最初からクライマックスな展開に、面白い!!と惹きつけられ、次はどうするんだと思ったら、新たなキャラクターが現れ、ここまでの展開は今後につながる顔見せだったのかと納得。

お手本みたいな第1話だと思いました。
これはすごい。

そして2話から学園生活が始まり、表と裏の顔を持つ主人公の奮闘が始まります。

3話まで読むと、この作者さんの作品を読めばテンポの良い熱い戦闘とスカッとする勝利が読めるなという信頼感が芽生えてきました。
その後少しずつ伏線を張りながらの戦闘が続くのですがテンポの良さは失われず、この先熱い物語が読めるのだろうと心踊ります。

過去編もテンポが良く読みやすいです。作者さんはもったいぶっていないことを気にされているようでしたが、テンポの良さが強みなので失わないで欲しいと感じました。

面白かった!

魔導騎士(ベルムバンツェ)~神に愛されし最強の男はベルグリーズ王国にて、自らの記憶を取り戻す為に戦う~

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890969653

有原ハリアー様著
第二章五節 連携まで読みました。

漆黒の魔導騎士ベルムバンツェを駆る名のない青年が、ベルグリーズの第二王女フィーレを救うところから物語が始まります。

この名のなき青年はシュランメルトと名付けられ、フィーレたちとともに行動することになります。
シュランメルトの自信に溢れた振る舞いと、ベルムバンツェを駆った際の圧倒的な実力が物語に安心感を与えています。

シュランメルト、フィーレ、グスタフといったキャラクターがベルツバンツェを並べて名乗りをあげるシーンでは、言いようのない高揚感を感じました。この方、ロボットアニメの熱い展開を知り尽くしている……と感じました。

面白いです。

また、かなりweb小説を研究されていることが、そこかしから感じられます。例えば序盤は1話の長さが短く、キャラクターが掴めていくにつれて徐々に長くなっていきます、読む心理的なハードルが極めて低いです。
序盤などページをめくる感覚で読めます。これは1話のボリュームについての新しいスタンダードになるのでは。このアイデアだけでも感心しましたし面白いと感じました。

熱い展開、ロボットアニメなどが好きな方はぜひ読んでみてください。

幸せな人生を送るには

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小鳥遊 翼様著
10数編ランダムに読ませていただきました。

悩みを解決し、気づきを与えてくれるエッセイ集です。

各話タイトル通りの内容が、適切な長さで書かれています。

読んでいて反対意見が生まれそうな部分では反対意見に対するコメントや共感が書かれています。それによって読みおわったあとには、反対意見を持った自分のことも認めてくれたという感覚を覚えます。

読んでいるうちに時間を忘れて次の投稿を読んでしまう、そんなエッセイ集です。

自己啓発的な内容も多く含まれているのですが、自己啓発本にありがちな、作者を大きく見せようとする傲慢さはこれっぽっちもありません。

普段自己啓発本を読まない人にもオススメできます。
読み終えた後は心が少し軽くなりますよ。ぜひぜひ読んでみてくださいね。

こんな派遣社員に世界なんて救えるわけがない

https://novelup.plus/story/630746217

煎茶様著
亜人の少女まで読みました。

サイト内でそれなりに評価されていますという紹介文を見て、サイトでの評価には惑わされませんよーと思いながら開いた小説。

第1話の15行くらいを読んだ時点で思いました。これ僕やん!!このキャラの気持ちわかるぞーー!と。

圧倒的な共感を覚えながら読み進めました。
標的型メールから異世界に飛ぶという設定も最高に面白いです。

序盤は結構スローライフを楽しむ展開で、異世界生活を満喫しました。19話あたりで亜人の存在がほのめかされたあたりから、物語が一気に動き出していきます。

個人的には引きの文章が上手だなーと思いました。例えば21話 金色の躍動 の↓などは次がめっちゃ気になりました。

 ……本当ならこのまま村へと帰るはずだった。
 森の神が倒れたその場所に、一人の女の子が倒れてさえいなければ。

この引きの文章が気になった方はぜひ21話まで読んでみてくださいね。

Spirit of the Darkness あの日、僕は妹の命と引き換えに世界を滅ぼした

https://ncode.syosetu.com/n0684dg/

黒崎 光様著
Chapter14 ヒロ ディズィール物理エリア 流入者処置室 4時間後まで読みました。

舞台は生体を電子化して機械に宿している世界、地球が故郷ではなくなった世界。

そこで生きる響生と、彼にしか見えない女性アイ、妹の穂乃果を中心に物語は進みます。

響生の過去に関する謎、妹に関する謎、地球に関する謎、それらが物語を牽引します。軌道上から地球を見ているシーンでは、主人公たちはどんな気持ちで見ているのだろうと想像が膨らみました。

『世界と、そこに生きる人』をコピーしたフロンティア、その電源を落とすことが世界を終わらせるトリガーであることなど、非常に面白い設定だと思いました。

あらすじを読んでから物語に入るとわかりやすいので、あらすじは見てから物語を読むことをオススメします。SFが好きな方は読んでみてください。

戯言遣いは君という名の奇跡を嫌う

https://ncode.syosetu.com/n6931fr/

黒駒 愛染様著
010 はじめましてと言われてもまで読みました。

舞台は世界同時地震により崩壊した後の世界。
これだけでとても魅力的なのですが、001話のラストの引き
『俺は絶対に小説家になる。そして――
俺は、この手で妹を、殺すんだ。』

これに心が鷲掴みにされました。

主人公が妹・奏になぜ殺意を抱いているのか、その謎が物語を牽引します。目的がはっきりしているので読者としてもわかりやすいです。

3年前の記憶を失った主人公は、妹の鈴の音だけは覚えていました。そして主人公は出会います。変わり果てた妹と…

これがまさに10話までの物語でした。魅力的な世界観と、積み重なる謎。お手本みたいな最初の10話でした。気になった方はぜひぜひ読んでみてください。

あなたにこの弁当を食べさせるまで!

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891080878

震電みひろ様著
第14話 渡るスーパーに鬼ばかりまで読みました。

弁当を連続十回食べさせれば、イケメン御曹司の婚約者になれる!というあらすじの一文目がこの話の全てを表しています。
恐ろしく分かりやすい完璧なキャッチフレーズだと思いました。
おかげて読者が入りやすいです。

主人公は、女子たるもの、野獣であれを合言葉に玉の輿を狙う天辺美園。

彼女は学園初日の登校中に一目惚れした憧れの赤御門先輩に弁当を渡そうと奮闘しますが、毎度失敗してフツメン(学園で言えばフツメンなだけで、普通の高校なら十分イケメン)の兵太の胃袋に収まっていきます。

わかりやすい…学園ラブコメです。

そして物語は、美園の華やかな学園での生活に対して中学校の同級生が妬み嫉妬するという、現実にありそうなイラッとする場面が描かれます。

そこで高校デビューの何が悪い、『自分は何の努力もしてないクセに、努力してる人間を貶めようとしているのがダサイ』と美園を守る兵太。

あかん、兵太カッコいい!
そして美園もそんな兵太に心を動かされたりします。憧れの先輩とどうなるのか、兵太とどうなるのか、揺れ動く美園の女心が面白い作品です。
良質な少女漫画を読んでるみたいに感じました。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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