笑いの三大理論《優越の理論、ズレの理論、放出の理論》を解説
「思わず笑っちゃった!」そんな小説を書いてみたくありませんか?小説は、人間や社会を描き出そうとするまじめなもの?そんな概念でがんじがらめになる必要はありません。小説で笑ってもいいのです!
といわれても急に「笑える小説」は書けませんよね。実は笑いにも「理論」というものが存在します。笑いとは逆にまじめな話ですが、まずは基本的な「理論」から学んでみましょう。
笑いの三大理論とは
笑いには三大理論があるといわれています。最も古くからあるのが「優越の理論」。これが感情の理論であるとすれば、その対称にあり思考の理論としてあるのが「不一致(ズレ)の理論」です。3つ目は、笑いという現象を生物学の立場から説明しようと「放出の理論」です。
優越の理論
笑いは他人に対する優越感の表現だとする理論です。例えば、ある人が何か滑稽な行動を起したとして、それを見た人が「私はそんなことは絶対しない」とあざけ笑うこと、またその瞬間に感じる「優越感」が笑いの正体であるというものです。
滑って転んだ人を笑う、ドッキリにひっかかった人を笑う・・・他人の失敗は目について思わず笑ってしまいますよね。誰しも起こりうることなのに、一人優越感を感じて笑う。それが「優越の理論」です。
不一致の理論(ズレの理論)
人は、無意識的に「これはこういうものだ」と予測して行動しています。この予測が外れたときのズレ(不一致)が笑いの元であると考えるのがが「不一致の理論(ズレの理論)」です。
例えば、誰もが良く知っているオチを用いて「答えは100%こうなる!」と思わせておきながら、「それは違うやろ!」とツッコませて笑いを起すのが「ズレ」の笑いです。
放出の理論
緊張が高まり不要となった時に、そのたまった「心的エネルギー」が笑いで放出されるという理論です。
例えばシリアスなシーンでふざけてみます。お葬式のシーンで皆が涙に暮れる。すると突然死人がひょこっと起き上がり、弔問客に「過去の文句」を言いはじめる。しかもなぜか強烈な東北弁?!
こんな風に「緊張と緩和」をうまく使うことで、人の高まった力が抜けた瞬間、また逆もしかりで、その力が変化した瞬間に生まれる笑いを指したのが「放出の理論」です。
まとめ
力が抜けるような笑いは、実は確固たる理論の上に成り立っています。「自分はそんなことをしない」とあざけ笑う、優越の理論。人の予測を裏切るようなオチで笑わせる、不一致(ズレ)の理論。緊張と緩和をうまく利用し、力が抜けた(また入った)瞬間の笑いを指した、放出の理論。これが笑いの三大理論です。
テレビで目にするお笑い芸能人の皆さんは、適当そうにふるまっていますが、実は哲学者?なのかもしれませんね。あなたも哲学者になって「思わず笑っちゃった!」そんな小説を書いてみませんか?
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