「これ誰のセリフ?」を解決!小説のセリフの出所を明確にする方法
小説を書いていると、セリフを考えるのは一番楽しいところではないでしょうか。でも一つ気をつけたいのが、何人もが一堂に会して話すシーン。誰が誰にしゃべっているのかをはっきりさせないといけないので、それなりの技が必要です。「これ誰のセリフ?」と感じるのは読者にとっては大きなストレスです。また読み間違えてしまったら、話の内容は全く違うものになる可能性まで!私が普段使っているセリフの出所を明確にする方法5つをご紹介します。どなたかの参考になれば幸いです。
「〇〇は言った」と書いてしまう
一番簡単な方法です。「美しくない」とか「かっこよくない」という理由でこの方法をとらない人もいますが、私はたまに使っています。
【例文】
颯太は言った。
「それじゃ、俺からいきます。」
「まてまて!ここは俺だろうが」
「たまにはいいじゃないですか!まかせて下さいよ。」
一人称を際立たせる
これは基本的なテクニックです。一人称には属人性があり、ここを際立たせればキャラクターがくっきり分けられるので、セリフが迷子になる事がありません。
【例】
「わたくし」→気品のある、高貴なキャラ
「おいら」→元気のいい、田舎出身の男のこ
「あたち」→幼い女のこ
口調や語尾に特徴をもたせる
口調や語尾など、キャラクターの個性によりでてくるセリフは全く違うはずです。「~なのぅ?」だとおっとりした感じや、「~なのかよっ」だと強い口調など。その語尾を変えるだけでも印象が違います。
【例】
ありがとうのパターン
「あざす」
「誠にありがとうございます」
「サンキュ!」
「ありがとう~」
このように表現を変えるとだけで、どんな人が言っているか、なんとなく絵が浮かんできますよね?キャラクターがいかにも言いそうなセリフを入れることがポイントです。
※語尾についてもっと知りたい人はこちらの記事も参考に。
→語尾でキャラの個性を光らせる!小説のセリフの決め方「語尾編」
セリフの前に行動や描写など「地の文」を挿入して配置する
これは少し高度なテクニックかもしれません。セリフの前に、次のセリフを言うのが誰かを示唆するような行動や描写を入れる方法です。
【例文】
綾菜は、嫌がる幸太郎にスマホを向けた。
「ちょっと、笑って笑って!」
「は?これでも笑ってるんですけど」
これを見れば「ちょっと、笑って笑って」と言ったのは幸太郎ではなく綾菜だと読み取れたのではないでしょうか?
セリフを続けると確かにテンポは良くなりますが、メリハリがなくなる場合もあります。地の文を入れることで、単調でなくなり読みやすくなるのでおすすめです。
字面で印象を変える
これは「ものを書く人」ならではの方法です。セリフにひらがなや片仮名を利用したり、文字の表記方法を変えることで、そのセリフの印象をがらっと変えることができます。
【例】
「凄い。」
「すごい・・・」
「すご~い♪」
「すごっ!」
これはすべて「すごい」の表現ですが、緊迫感や高揚感など伝わってくるものや、透けてみえる背景などが違いますよね。それにより誰が言ったセリフかが明確になります。
他にも、「サヨウナラ」と全て片仮名で書くと不気味な感じがしたり、より強調したいのであれば「結 構 です」と文字と文字を離して書くなど、工夫次第でいろんな印象が演出できます。ただし、使いすぎると目立たなくなるので多用は厳禁です。
まとめ
「これ誰のセリフ?」と読者に言わせない方法は5つ。〇〇が言ったと書いてしまう、一人称を際立たせる、口調や語尾に特徴をもたせる、セリフの前後に地の文を入れる、字面で印象を変えるでした。特にライトノベルならセリフの自由度も高いですし、「誰が何を言ったか」を明確にさえしておけば、オリジナル度の高い文章でも読者を惹きつけられるはず。まずはわかりやすさを重視。その後自由にアレンジしていけば間違っても「わかりにくい!」と言わせるような小説にはならないのでご安心を!
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