語尾でキャラの個性を光らせる!小説のセリフの決め方「語尾編」
簡単にキャラクターの個性をきらりと光らせる一番の方法、それは特徴的な語尾を用いたセリフを言わせることです。また特徴のある語尾を文中で何度も使えば、読者に強く印象づけることもできます。ここでは、語尾の種類毎に適したキャラクターをご紹介します。簡単に取り入れられる方法です。早速試してみましょう!
語尾①:「~です」「~ます」「~でございます」
⇒丁寧で礼儀正しいキャラクター
【例:メイド、執事、部下、後輩、生徒会長、普通の女子中学生、OL、サラリーマン】
「遊びに行きましょう」
「そうですか。何でもありません」
「そうです」
いわゆる「ですます」系です。簡単そうに見えますが、最適な表現は難しいものです。
例えば「何でもありません」は、「何でもないです」とも言えますが、「ありません」の方が
好ましく感じる人もいたりするので、場面による使い分けが必要です。
語尾②:「~だ」「~である」
⇒力強い、無口系、サバサバ系キャラクター
【例:隊長、ボス、リーダー、力自慢の男】
「遊び行こう」
「そうか。なんでもない」
「そうだ」
「である調」といいますが、実際には「~である」はあまり使われません。
「体言止め」で終わるものもあります。
語尾③:「~でござる」「~そうろう」「~でごわす」「~ぜよ」
⇒古風な和のキャラクター
【例:侍、忍者、浪人、武士、くのいち】
「遊びに行くでござる」
「そうでござるか。なんでもないでござるよ」
「そうでごわす」
実際に江戸時代に使われていた言葉を用いることで、古風な雰囲気を演出します。
語尾④:「~であります 」
⇒階層の低い人物キャラクター
【例:軍人、目下の者】
「遊びに行くであります」
「そうでありますか。なんでもないであります」
「そうであります」
実際に長州藩出身の軍人の語尾としてよく使われていた言葉です。
語尾⑤:「~ですわ」「~ですの」「~なのですか?」
⇒高貴なキャラクター
【例:王族、貴族、高貴な女性、お嬢様】
「遊びに行きますの」
「そうですの。なんでもありませんわ」
「そうですわ」
明治時代の近代教育制度で女子に定着した言葉です。
語尾⑥:「~ワン」「~ニャン」「~かニャ?」
⇒動物を擬人化したキャラクター
「遊びに行くにゃ」
「そうなのにゃ。にゃんでもにゃいにゃ」
「そうにゃ」
ネコの獣人や、動物のコスプレをしたキャラクターなどに用います。
イヌ「ワン」、ウサギ「ピョン」、ウシ「モー」、ブタ「ブー」、魚「ギョ」のようにだいたい名前の一部か鳴き声などが語尾になります。
語尾⑦:「~よ」「~だよ」「~だね」「~かな」
⇒優しい人物キャラクター
「遊びにいこうよ」
「そうなんだね。なんでもないよ」
「そうだよ」
男女とも優しい感じの人物に用います。主に若い人が使用する話し方です。
語尾⑧:「~だぜ」「~な」「~なん?」
⇒青年、少年キャラクター
「遊びに行こうぜ」
「そうなん。なんでもないぜ」
「そうだな」
少年漫画風主人公のしゃべり方です。すこし悪ぶっている風な感じで話します。「喋ってんじゃん」のように「ん」「じゃん」なども多用します。
語尾⑨:「~だべ」「~ずら」「~でごんす」
⇒田舎風キャラクター
「遊びにいくべ」
「そうずらか。なんでもないずら」
「そうでごんす」
実際に昔から東北や関東地方周辺で使われてきた言葉です。
農民や田舎から上京してきたキャラクターなどに向いています。
まとめ
上記の語尾をセリフに利用する以外にも、人称代名詞(自分のことを何と呼ぶか、例えば「わたし」「俺」「わっち」「おいら」など)を組み合わせて利用することでよりリアルなキャラクター設定もできます。キャラクターの設定を細部までしっかり詰めておけば、いつしか物語の中でキャラが1人で動き出し、キラリと光ります!まずはセリフの語尾からキャラクター1人1人の設定をしっかり詰めていきましょう。
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