『魅力的で個性的な、自分らしいキャラクター』をつくろう!

2020年4月17日

 今回は『魅力的で個性的な、自分らしいキャラクター』をつくるヒントについて書いていきます。

 小説の構想を練ってしていると、どうしても物語の主人公や登場人物たちを『魅力的で個性的な、自分らしいキャラクター』にしてあげたくなりますよね。

「個性的にするなら、奇抜な設定が必要?」「自分らしいキャラクターってどうやったら作れるの?」「キャラクターを魅力的にしてくれる設定教えて」といった課題を整理していこうと思います。具体的な設定手順にも踏み込んでいきますよ。

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個性的とは、自分らしいこと

 まず最初にお伝えしておきたいのは、個性的と自分らしいについてです。みなさんは個性的と聞くと、「マニアックな趣味がなくちゃいけない」とか「奇抜なファッション」とか、「周囲とつるまない」という印象があったりしませんか。

 これってなんででしょう。

 学校で個性的といわれている人たちをみた印象ですか?それとも、誰かが個性的と指差している人たちをみた印象だったりしますか。

 個性的。個性的。個性的……。
 どことなく、マイナスのイメージがありませんか?
 私は、これはとても不幸なことだと思います。

 なぜなら個性的とは『自分だけが理解できる独特の世界観をもつ』ことだからです。

 マイペースに自分の道を進んでもいいですし、まわりの人と一緒に笑うことでもいいんです。
 自分がこの行為が好きだと誓って、それを守り抜いている。それだけで十分個性的なのです。

個性を消さないと商業化できないという呪い

 今の小説界では、個性を消さないと商業化できないという迷信があります。実際にそういう事態に陥った人もいるかもしれません。ですが私は、個性のない作家と作品に魅力はあるのか?創作の楽しさはあるのか?と考えてしまいます。

出典はボカすんですけれど「今の小説界で個性を消さなければ商業では相手にされない、結果を出すために個性を消して書いている」というコメントを見て、そんな寸止め空手みたいな執筆は楽しくない、自分には無理だろうなと思う次第。
小説に作家の個性が滲み出ないとかどうなんだと首を捻って折れそう

書きたいことを書きたいままに書いて、届く人に届けばいいやともう投げやりに書き続けています。それがいちばん楽しいかな。少なくても確かな手応えはあることはあるので。

個性を作る方法は2種類ある

 個性的とは『自分だけが理解できる独特の世界観をもつ』ことでした。重要なことは、個性(独自の世界観)を作る方法が2種類あることです。

  

 つまり属性らしい(ウケる属性の組み合わせから導かれる世界観)……を目指すのか、作者らしい(作者の考えを反映した世界観)……を目指すのか。これによって随分考え方はかわります。

・属性らしい……であれば、これから書いていく個性を組み合わせて、組み合わせた個性ならではの物語を歩ませることが、(キャラクターにとっての)自分らしいになります。作者の好みではなく、属性の組み合わせにより作成された世界観を守り、物語を進めることが大事です。

・作者らしい……であれば、まずは作者自身が、自分の個性を理解する必要があります。その個性をキャラクターないし、物語に反映させることが(作者にとっての)自分らしいになるでしょう。

 ウケ狙いか、作者の人格か、それを決めてから世界観を作っていきます。しかし作者の人格を置き去りにしては、小説家は不幸になるとも言われています。

よせ。やめろ。 「作品に作者の人格を影響させるべきでない」と、それを実践した作者は皆潰れてる。 遅かれ早かれ皆挫折する。 無理なんだ。人間が書いているんだから。色もつくし匂いも移る。小説とは物語とはそういうものなんだ。 どうしてもというなら自分でやれ。 他人にやらせるな。

独自の世界観を作るヒント

作者独自の世界観は、
キャラクター自身の『内面』と『外面』
キャラクターの外の『環境』
がつくりだすものです。

上記3つを作り上げて独自の世界観を構築し、その上でキャラクターを生き生きと動かす。それによって魅力的なキャラクターができるのです。

Ⅰ個性

キャラクターの個性は『内面』と『外面』から形作られます。

『内面』とは、キャラクターの性格です。

 優等生とか優しいとか、そういった性格に関するキーワードを思い浮かべていただくとよいですね。このとき、キャラクターづくりのポイントとしては、読者から愛されるキャラクターにすることです。例えば

・困っている人を放っておけない
・子どもを大事にする
・大義のために戦う、自己犠牲をする
・誠実な上に実力がある
・愛情深く、愛されている
など、読者が共感できるキャラクターにしないと、「なんでこのキャラクターが人望を集めているのかわからない、なんでこのキャラクターが活躍するのかわからない」と読者はムカムカしてきます。とがった性格の作者ほど、要注意ですね(私も気をつけないと)。

 ベタな主人公のテンプレを知っておくことも役立ちます。以下の「魅力的な主人公の書き方」は不足もあるでしょうが、無難で不快感を抱かせない主人公として妥当です。

魅力的な主人公の書き方

・基本的に善人
・気弱にならない
・負けない
・人を助ける
・病気の妹がいる←ここ重要
・いずれ最強である
・最初は最弱である
・欠点がある
・弱音を吐かない
・精神的に脆弱でない
・自分から行動する
・優柔不断でない
・悪人には容赦なく鉄槌を
・主人公だけの能力

『外面』とは、キャラクターの見た目です。

 ライトノベルのキャラクターは、どのキャラクターも特徴的で素敵ですよね。制服が可愛い、髪型が可愛い、胸が大きい……などなど。まとめてみると外面のジャンルは下記の3種類になるでしょう。

・服装(ユニフォーム)
・所持品(武器、アクセサリー、愛用品)
・身体的な特徴(髪、肌色、体型、顔、タトゥーや、五体の欠損など)

 内面や外面のキーワードを紹介しても陳腐化してしまいますので、こういうときは外部サイトを頼りましょう。
 例えば下記サイト(キャラ属性王国)では、属性・萌え要素が一覧化されています。

キャラ属性王国

 ステータス   容姿   頭部(髪)   頭部(その他)   持ち物   服装(トップス)   服装(ボトムス)   背景   能力   基礎性格   性格と多種に渡って紹介されています。


キャラクター自身の『内面』と『外面』をつくるポイント

 キャラクター自身の『内面』と『外面』をつくるポイントとしては下記のようなスキルがあります。

・カラーリング
 戦隊モノのようにキャラクターのパーソナルカラーを決めること。ラブライブなどのアイドル・アニメでもよく使われていますね。私もこのパーソナルカラーを意識しています。私の作品に登場するキャラクター、50人以上いるのですが、髪の毛の色が水色なのは主人公のアイン・スタンスラインだけなんです。

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 このように主人公ならではのパーソナルカラーを決め、その個性を作中で尊重にすること(重複させない)。これが主人公を主人公たらしめるポイントとなります。

 また、カラーリングに近い手法で、ナンバリングも覚えておくと良いかもしれません。例をあげると五等分の花嫁です。女の子の名前に数字をいれて、五姉妹の何番目かを判別しやすくしていますよね。

・没個性化
 没個性化とは、例えば何の変哲もないただの高校生……という設定にすることで、読者の共感を狙うスキルです。もちろん物語が進むにつれて、能力を身に着けていったり、成長していくのでしょうが、第1話の時点では没個性化させて読者の共感を狙うのも有りですね。
※限りなく真っ白なキャラクターに自己投影する読者も少なからずいます。その場合、主人公周りの情報はノイズとして扱われます。主人公を個性的にするのか、没個性化するのかは作品の雰囲気にも影響を及ぼします。

主人公周りの情報が「ノイズ」といわれるのはびっくりした。特に現代の記憶を引き継ぎつつ異世界に転生する場合も、パーソナルな情報はほとんどない。「ブラック企業で過労死」のパターンもその会社がどんな業種でどんな仕事で激務に陥っていたか、これも省くべき情報とされる。

・選択
 例えば、先ほど紹介したキャラ属性王国を見ると、無数に属性が書かれていますね。ですが属性を無制限につけてしまったら、結局何がキャラクターの本質かがわからなくなってしまいます。ある程度キャラクター作成が煮詰まってきたら、キャラクターの個性を削ぎ落として、たったひとつに絞ってみる。そうすることでキャラクターをより深く理解することができるでしょう。

・二面性
 善と悪のように異なる二つの面を、ひとりのキャラクターに盛り込むことです。サイコパスな感じでいうと普段は優しいけれど、虫に対しては残虐になるとか。ポジティブな感じでいうと、普段は臆病だけど、誰かがピンチのときは勇敢になるとか。キャラクターを際立たせることのできるスキルです。

 カラーリング、没個性化、選択、二面性と、キャラクター自身の『内面』と『外面』をつくるポイントを4つご紹介しました。役立ててみてくださいね。

 さて、キャラクター自身の『内面』と『外面』について説明しましたので、次はキャラクターの外の『環境』について書いていきます。

『環境』とは、キャラクターの境遇です。

 内面にも近いですが(内面を構築するのが環境だったりしますので)、主人公自身がどういった環境に置かれているか、物語のスタート地点を示します。

例えば
・他人からひどい扱いをうけて恥をかかされたり、嘲笑されたりする。
・とにかく不運
・障害や病気、困窮などのハンデキャップ
・心や体の消えない傷
・親しい人の裏切り
・孤独 など
ですね。

『環境』アイデアの増やし方

 環境は物語のスタート地点という話をさせていただきました。ですので様々な物語を読むことで、この引き出しはどんどん増やすことができます。

 それこそなろう系小説のプロローグまたは第1話をひたすら読むと良いです。アイデアの宝箱です。例えばランキングに入っている作品の冒頭をひたすら読んでも良いかと思います。

 Twitterで
#RTした人の小説を読みに行く
 というタグで冒頭だけ読みますと書いている人がたまにいるのですが、戦略的に『環境』アイデアを増やしているのかもしれません。負けていられませんね。

Ⅱ魅力とは

 魅力とは、『人の心をひきつけて夢中にさせる力』のことです。つまり……そうです、誰もが憧れる能力や資質のことですね。

 独自の世界観でキャラクターを生き生きと動かすことで、以下の力を得ていく様子を描くと良いでしょう。

・権力やカリスマ性、リーダーシップといった他人に対する影響力
 政治家、アーティスト、アイドル、コンサルタントなんでもいいです。キャラクターを、あなたがかっこいいと思う職業に就けてみましょう。あなたらしいキャラクターにしたいなら、あなたの職業(ITエンジニア?看護師?飲食業?)をモチーフにしてもいいでしょう。あなたが自分の仕事に誇りを持っているなら、キャラクターも一層輝くはずです。

・専門知識
 研究者、士業、教師、マーケター。なんでもいいです。キャラクターに、業界最先端の能力をもたせてみましょう。どんなピンチも専門知識で解決する、誰からも頼られるキャラクターをつくりだせば、読者も惹きつけられて目が離せなくなるでしょう。マッドサイエンティストになってしまうほどの狂人でも構いません。個性の『内面』でも書きましたが、愛されるキャラクターであれば、狂っていることが弱みになり愛くるしさにもなってきます。

・ユーモアがある
 芸人、太鼓持ち。なんでもいいです。キャラクターのユーモアで、他の登場人物を笑わせたり、読者を笑わせることに注力してみましょう。軽快でクスリと笑える物語は、読者にとっても負荷が低く、読みやすいです。

・魔法や特殊能力
 ファンタジー世界には欠かせない魔法や能力も、キャラクターの魅力ですね。世界で唯一の、誰も思いついたことのない能力をキャラクターに持たせてみましょう。それをタイトルでも紹介して、読者の目を引くことが肝心ですね。
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。
 なんて、タイトルだけで自己紹介が全部済んでいますよね。

 誰もが憧れる能力や資質として、影響力、専門知識、ユーモア、魔法や特殊能力をご紹介しました。こう並べると、魔法や特殊能力なんて思いつかなくても、ユーモアのある文章を書ける人はそれで戦えばいいって思いますね。『芸人が異世界で誰もが笑って暮らせる世界をつくってみた』なんてストーリー読んでみたいですもの。

 ぜひ参考にしてください。

具体的な設定手順

 これについては下記のエントリーで書きましたので、ご紹介だけ。

私がキャラクターを作り込む時につかった設定項目4点
・基本設定
・家族構成
・精神的特徴
・肉体的特徴
についてご紹介しています。

 これらを埋めてから物語を書いていくと、キャラクターが楽々動いていきます。作り込みの際には、是非本エントリーでご紹介した個性と魅力を意識して書いてみてください。

 みなさんのキャラクターが『魅力的で個性的な、自分らしいキャラクター』になることを祈っています。

 それでは素敵な物語ライフをお過ごしください。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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