対比の重要性|主役だけじゃ魅力を発揮できない。作家の思い込みは受け手には届かない!

 「魅力的な主人公を作ったのに読者の反応が薄い気がする……」、「キャラクターを好きになって欲しいのにキャラクターに関する感想が少ない……」そんなことはないでしょうか。実は読者にキャラクターの魅力を伝えるには、外してはいけないポイントがあります。

 本エントリーでは主人公の魅力を引き立てるための、対比の重要性を解説します。

 

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魅力的なキャラクターを作るためには「対比」が必須

 魅力的なキャラクターを作るためには「対比」が必須です。失敗するケースとして「作家にとっての理想だけを詰め込んでキャラクターを作り、それを称賛するサブキャラクターを周りに配置する」ケースがあります。しかし、このケースだと、主人公SUGEEが続くワンパターンの展開となり、読者に飽きられるばかりでなく、読者から「主人公の理想うざい」と思われる可能性が高いです。作家の伝えたいことと真逆の結果ですよね。

 「主人公の理想うざい」とならないためには、対比対象を盛り込むことが重要です。

 

キャラクターを対比することの重要性

 キャラクターを対比するとは、簡単にいってしまうと「作家の推しキャラの理想」を破壊するキャラを設定することです。ではなぜ、「キャラクターを対比することが重要」なのかについて説明します。

 そもそも読者にとって、あなたの作品のキャラクターは、未知のキャラクターです。作者はキャラの魅力を十分わかっていても、読者にとっては未知。その未知のキャラだけでストーリーを進めてしまうと受け手にとってはキャラのどこが魅力的なのかわからないのです

 例えば「努力で最強になったキャラを作った」つもりが、周りに対比するキャラクターがいなければ、努力してない天才キャラだと理解されてもおかしくないです(そのくせ努力をアピールしていたら、鼻につきますよね)。

 しかし、未知のキャラクターである主人公に対して、対比するライバルを登場させたら、主人公が引き立ちます。先程の例でいえば、本当の天才キャラクターをライバルに登場させることです。そうすることで主人公の努力が引き立ち、読者としても努力する主人公に感情移入できるのですね。

 

作家は主人公の真逆の存在を本能的に避けがち

 先程も書いた通り、主人公と真逆の存在を盛り込むことで主人公の魅力がグッと際立ってきます。ここで作家向けのワンポイントアドバイスです。

 最も対比できる対象は正反対のキャラを投入することですが、作者は本能的に主人公の真逆のキャラクター投入を避けがちです。なぜなら作家が嫌いだからです。そのため、ライバルキャラクターも良い人に書いてしまったりする……ですがそれだと主人公が引き立ちません。ドラゴンボールのベジータだって、最初はイヤなやつでした。ライバルを良いキャラクターに変貌させるのは、次の敵が出てきてからでいいんです(1つの対比が崩れたら、新たな対比を作り出す……これがストーリーテリングの王道です)。

 作者は、自分の理想に近いキャラを好んで書きがちで、嫌いなタイプは心理的に遠ざけがちですが、理想のキャラを引き立たせるためには、イヤなキャラも必要ということです。

 

真逆以外で使える対比要素

 対比の重要性はこれまで述べたとおりです。対比対象は主人公と真逆の存在がオススメですが、複数の対比キャラクターを投入したい場合に使えるアイデアをご紹介します。

 それは、生きがいフレームワークにある4つの要素LOVE (大好きな事) ・GREAT AT(得意な事) ・PAID FOR(稼げること)・NEED(世界が必要としている事)の観点でキャラクターを対比させることです。※生きがいフレームワークは以下を参照ください。

 つまり大好きな事が主人公と真逆。得意なことが主人公と真逆。稼げるかどうかが主人公と真逆。世界が必要としているかどうかが主人公と真逆。

 この4つの観点でキャラクターを対比させてみると、主人公もライバルもキャラクターが立ってきます。ぜひ試してみてください。

 

まとめ 対比することで作者の「良い」を読者に理解してもらいやすくなる

 シナリオを作るために魅力的な主人公キャラクターは勿論ですが、対比するキャラクターの設定も必要不可欠です。

 対比するキャラクターをしっかり書き込むことで、主人公が引き立ち、作者が思う「良い」を読者にも理解してもらいやすくなります。

 DKさんも対比の重要性を語っておられます。私もDKさんの意見に同意です。対比をうまく活用して、読者に自分の推しキャラクターを100%理解してもらいましょうね。

魅力的なキャラのシナリオを作るためには「対比」が必須で、自分が良いと思う要素だけ詰め込んで比較対象を盛り込んでない人が多い。最も対比出来る対象は正反対のキャラを投入することだが、本人が思う「良い」とは真逆の存在になるので、本能的に投入を避けがち

なぜ「対比」が必須かというと、観客は未知の要素に期待するし人によってはネタバレを猛烈に忌避するけど、完全に未知の要素は比較対象がないと評価できない。だから「未知Aだけだとわからないが、未知BがあるとAが良いってわかる」と評価できる。自分の「良い」を理解してもらうために必要なのよ

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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