《映画感想》アナと雪の女王2 キャラクターを増やさず続編をつくった好例

こんにちは。
杞優橙佳です。

『アナと雪の女王2』
大ヒット映画アナと雪の女王の続編です。

『アナと雪の女王』も見て、『アナと雪の女王2』も見た筆者が、エルサの物語に焦点を当てて、2が必要なものだったという感想を書きます。

なぜ、エルサに力は与えられたのか――。とか興味ないし……1で完結していたものを無理やり引き伸ばして2にしたんじゃない?という声を聞くこともあります。

しかしエルサに視点を当てて物語を解釈すると、必ずしも蛇足ではなかったのではないかと想像できます。

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まずは物語のメッセージを復習

Wikipediaによれば本作品のメッセージは下記とのことです。

作品のメッセージとして、監督のクリス・バックは、「家族の強さ」であり、すなわち、エルサとアナの「姉妹の絆」であるとしている。また、共同監督で脚本を担当したジェニファー・リーは、「『恐れ』対『愛』」が本作の大きなテーマであると述べている

作中の劇中歌の素晴らしさはもちろんのこと、アナ視点で描かれる姉妹愛の美しさ……素敵でした。

2でも劇中歌の素晴らしさは健在で、into the unknownはlet it go並に耳に残る名曲でした。

姉妹愛についても、美しさと言うよりは本当に仲の良い、信頼しあっている姉妹の描かれ方だなと思ってみていました(ジェスチャーゲームの場面など)。

ですがあえて私は、このシリーズを下記の物語だと解釈して、だからこそ2が必要だったのだと解釈します。

『アナと雪の女王』はエルサの罪と罰の物語
『アナと雪の女王2』はエルサの赦しの物語

エルサの罪と罰の物語

『アナと雪の女王』は魔法を暴発させてしまったエルサが国を出て、雪の女王としてノースマウンテンで独りで生きていく決意をする。一方、夏だった王国は、エルサが暴走させてしまった魔法により永遠の冬に閉ざされてしまっていた(罪)。

エルサは最後魔法の力をコントロールすることで、アレンデール王国に夏を取り戻し、アナと共に生きる(罰)。

※なぜこの展開が罰かというと、理由はlet it goです。独りで生きていく決意をしたエルサこそが彼女のありのままであり、その力を抑え込んでアナと暮らすことは、彼女にとっては本心を永遠に閉ざさなければならない、罰でした。

エルサの赦しの物語

一方の『アナと雪の女王2』では、エルサがなぜ魔法を使えるのかに焦点があたり、精霊の棲む森が舞台となります。エルサは魔法を使うことで窮地を脱し、魔法によって知りたいことを知り、アレンデールを津波から救いました。

最後は精霊の森で自分のありのままで生きることができます。人間の住む世界では永遠に閉ざさなければならなかった魔法を使って。これがエルサにとっての赦しです。

1はアナ目線でのハッピーエンドを描き、2はエルサ目線でのハッピーエンドを描いています。(アナは1での成長があったので、2の結末を受け入れることができたのでしょう)

まさにダブルヒロインならではの続編です。

ただ、1でアナに感情移入していた人は、2を受け付けないだろうなと感じます。ここに完結している作品の続編をつくる難しさがある、とも感じますね。それでも新しいメインキャラクターを出さず、新たな物語を描ききったスタッフに拍手です。

キャラクターやストーリー作成に役立つまとめ

・ダブルヒロインで最後に仲直りして終わるパターンでは、どちらかが自分を押し殺している可能性がある。
・罪と罰のあとには、赦しの物語を書ける。

ぜひ参考にしてみてください。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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