出版業界の言葉狩り | 差別用語と小説家

 出版業界もコンプライアンスに厳しくなってきており、様々な方面に配慮した結果、NGとなる言葉が多くなってきています。

 創作界隈で話題となった言葉としては以下の通り。

・【狂う】
漫画家・氷川へきる氏「狂う、狂気、サイコパス、メンヘラ、犯罪者が独り言を言うような表現や病気、病名を連想させる言葉は出版社によってはNG。言葉狩りとも思うけど、偏見を助長しないための配慮なので一応納得はできる部分もあります。」 出版社の配慮に対してのツイートに様々な声。

今の連載でも「狂う」「狂気」はもちろんNG

サイコパスというワードもNG

メンヘラもNG

犯罪者がブツブツと独り言を言うようなムーブもNG

病気、病名に連想、繋がってしまうようなものはダントツで厳しいですね。アニメなら特に慎重になるのも納得です

氷川へきる「花織さんは転生しても喧嘩がしたい」4巻8月23日発売! @hekky3

 

・『奴隷』
言葉狩り?クレーム抑止?ファンタジー小説で『奴隷』と書いたら校正に「差別に通じるので危険な語句ですが、歴史的記述なので今回は見逃します」みたいな事を書かれたお話

・『◯◯屋』(魚屋、床屋、八百屋など)の言い方は放送禁止自粛用語です。
 ※自称であったり、『◯◯屋さん』は問題ありません。

Unlimited 読み放題 - 200万冊以上の本が読み放題 2ヶ月99円!

境界を超えろ!シリーズが特別キャンペーン中!5冊セット495円!

差別用語の強さ

 差別用語はとても強い印象を残す言葉です。

 普段使えない言葉ですし、使うと周囲から注目をあびる言葉なので、小説初心者のうちは使いがちです。私自身、「出版禁止用語がなんだ。伝えたいことを伝えるためにはこの言葉が必要なんだ」と危ない言葉を書いていたように思います。Web小説はそれが可能な環境でもありました。

 なんなら普段目立たない人ほど、SNSで差別用語(強くてセンセーショナルな言葉)を使いがちに感じます。しかし、改めて差別用語の定義を確認してみましょう。

他者の人格を個人的にも集団的にも傷つけ、蔑み、社会的に排除し、侮蔑・抹殺する暴力性のある言葉。使用したことにより、名誉毀損罪など、法的に損害賠償責任が発生する可能性が高い言葉」であり、公の場で使うべきでない言葉の総称である。差別語(さべつご)とも。

差別用語 – Wikipedia

 出版社がそういった差別用語を禁止しているのは、偏見を助長しないための配慮です。『◯◯屋』の例がわかりやすいですが、差別用語を使って問題になるのは、誰かが他人を貶める(それによって自分や仲間を相対的に高く見せる)ときに使うときです。

 「小説の中でも、誰かを貶めるときに差別用語を使わない」ように配慮すれば、問題にはならないと考えます。差別用語を配慮なしに使っていると、コミカライズやアニメ化のチャンスを逃すことになりますので、注意したほうが良いですね。

なぜか出版禁止用語にならない「弱者男性」

 最近でいうと「弱者男性」というキーワードがSNSを騒がせていますが、これも差別用語として出版禁止したほうが良いと思いますね。概ね、使うときは弱者男性を貶めて、それ以外の男性や女性を高く見せるときに使いますから。

 それ以外にも「チビ」「ハゲ」「デブ」「ブス」「ブサイク「チー牛」「陰キャ」あたり、不思議と差別用語になっていないですね。昔の基準だったらどうなのかしら。いまは自虐でいうことも多いから、許された差別用語として放置されているのでしょうかね。出版業界は新しい言葉(評価が定まっていないもの)については、差別かどうかの判断が難しいということでしょう。

 それでも、昨今上記の属性は婚活業界でも人気がありませんから、本格的な差別用語として、将来的には出版禁止認定されてもおかしくないです。これらについて作品の中で使うのは注意が必要かもしれませんね。

 

ここまで読んで頂きありがとうございました。
このホームページは創作者支援サイトです。
創作者の方向けの記事を発信しています。



下記ボタンを押して頂けたら
モチベーションが高まります。
応援よろしくお願いします!
にほんブログ村 小説ブログ ライトノベル(小説)へ腰ボロSEのライトノベル奮闘記 - にほんブログ村
ライトノベルランキング