《映画感想》記憶にございません 面白さ解説

三谷コメディ最高傑作、誕生!!
史上最悪のダメ総理が、ある日突然記憶喪失に……!?

これまで日本中にたくさんの笑いを届けてきた三谷幸喜監督待望の最新作!
「もしも自分が、総理大臣になったら……?」そんな、誰もが一度は子供の頃にしたかもしれない空想から生まれた、三谷監督によるオリジナルストーリー。そして、今作でも日本映画界屈指の俳優陣が三谷監督のもとに集結!
主人公の記憶喪失の総理大臣・黒田啓介に、中井貴一。総理を支える怪しい首相秘書官・井坂に、ディーン・フジオカ。総理の訳ありの妻・聡子に、石田ゆり子。政界を牛耳る邪悪な官房長官・鶴丸に、草刈正雄。総理をゆする謎のフリーライター・古郡に、佐藤浩市。さらに、熱き事務秘書官に小池栄子、マイペースな官邸料理人に斉藤由貴、米国初の日系女性大統領に木村佳乃、白いスーツの野党第二党党首に吉田羊、総理の恩師に山口崇、職務熱心な警官に田中圭、あこぎな建設会社社長に梶原善、石を投げるのが得意な大工に寺島進ほか、三谷映画でしか見られないオールスターキャストによる笑いの競演が実現します!
『THE有頂天ホテル』『ステキな金縛り』の流れを組む、現代を舞台としたシチュエーションコメディである今作は、まさに三谷コメディの真骨頂にして最高傑作!

こんな映画、今まで記憶にございません!

https://www.toho.co.jp/movie/lineup/kiokunashi-movie.html

子供のころ、将来の夢は総理大臣ですと作文に書いた人、
書きたかったけどその頃にはもう、自分じゃ無理だしな、総理大臣なんて楽しい職業じゃない、総理は倒すべき敵だ
などと斜に構えて書くのをやめた人。

その夢を叶えてくれる作品です。

主人公は石をぶつけられて記憶喪失になったのをキッカケに
小学校中学校の頃のピュアな気持ちで総理大臣を務めることになった黒田啓介。

政治ドラマっぽくて固く感じるかもしれませんが、
記憶にございませんというタイトルで、記憶喪失の総理という時点で、
これは笑っていい作品なんだと視聴者は即座に理解できます。

石をぶつけられて記憶喪失にならないだろうとか、
設定がガバガバとか、展開ご都合主義すぎるというツッコミは、
このギャグ映画の前ではあまり的を射ていません。

ギャグ映画だと割り切って笑いを楽しみ、
面白さを堪能しましょう。

何かが変わる話を物語と呼ぶならば、
これは間違いなく登場人物の心が変わる物語です。
それが面白いし惹きつけられます。

精一杯強気なキャラクターを演じて政治の世界を息抜き、
ドブに肩まで浸かりながら総理大臣になった黒田啓介は、
記憶喪失をきっかけに純粋なころの自分がやりたい政治をやっていく。
※失った記憶の取り戻し方も芸術的です。

その姿に首相秘書官・井坂、総理の訳ありの妻・聡子、
総理をゆする謎のフリーライター・古郡、
あこぎな建設会社社長などが感化され、心を変えていく。
その度に視聴者も心を揺さぶられます。

日本の誰もがどこかで共感している
総理大臣になって日本を良くしたいと思う気持ちを
釣り針にして、心の変わる物語に惹き込む名作です。

この作品が作られるようになった背景としては、
Web小説発で日本どころか世界を巻き込もうとしている
『最強になって無双する願望』があると思います。

Web小説で
最強君主になったり、最強魔王になる作品の延長線上に、
法治国家の最強の存在である総理大臣になってみた
本作は位置づくかと。

政治を舞台にしているので硬さがありますが、
今の世界中の人々の願望なんですよね、これ。

最強、無双そういった言葉が好きな方にはオススメの作品です。