《映画感想》ファミリア 現代アート的な道に進む邦画実写オリジナル

 映画「ファミリア」を見てきました。

 「かがみの孤城」を見たときに宣伝があり、外国人と家族になるハートフルストーリーかな?と思って軽い気持ちで見に来たのですが、ズタズタに裏切られました笑 すぐに、この映画はそういう映画じゃない、れっきとしたPG12(12歳未満の方は、保護者の助言・指導が必要)の映画だと頭と切り替えたので、最後まで見ることができました。

 途中、退室している人もいて、あー、あの人私と同じように宣伝に騙されたのかも……なんて思っていました。笑

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あらすじ

 あらすじは以下の記事がわかりやすいので引用します。

主人公は陶器職人の神谷誠治(役所広司)。山里に暮らし、ひとりで昔ながらの焼きものづくりをしている。妻を早くに亡くし、息子の学(吉沢亮)はアルジェリアで働いている。学は現地で出会ったナディア(アリまらい果)を連れて一時帰国した。

そんな中、突然、在日ブラジル人、マルコス(サガエルカス)が誠治の家に逃げ込んでくる。マルコスは在日ブラジル人の集住する団地に住んでいたが、半グレ集団に追われ、怪我を負わされていた。誠治らはマルコスをかくまい、怪我の手当てをしてあげる。後日、マルコスの恋人エリカ(ワケドファジレ)がお礼に訪れ、一家をブラジル人たちのパーティに招待する。誠治は戸惑いつつも、家族思いなブラジル人たちと交流を深めるのだった。

マルコスは5歳で家族と来日した。家族は「日本で3年働けば家が建つ」という「ジャパニーズ・ドリーム」を信じて来日したが、現実は甘くなかった。父親はリーマン・ショックによる不景気で会社をクビにされ、命を絶った。このエピソードは実話に基づいているというから驚きだ。脚本を担当したいながききよたかが、取材の中で聞いた話を盛り込んだのだという。

榎本海斗(MIYAVI)率いる半グレグループに目を付けられたマルコスは、血みどろの抗争に巻き込まれていく。追いつめられたマルコスを助けるため、誠治はある行動に出る――。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7b47851f28d1db4f566c7ac2932d060642f2afb8

現代アート的な映画

 この映画は、考えされられる映画です。私は、面白いとは一切感じませんでした。それこそ「エンターテイメントは漫画原作の実写や、アニメ映画にまかせる。邦画実写は現代アート路線でいく!」という気概を感じました。

 現代アートとは、受動的でなく能動的に疑問を持つことで完成する、鑑賞者とアーティストとの対話です。作品に疑問を持つことで完成するアートです。ですので私も能動的にこの作品を見て、作品の提示したテーゼ(命題)を読み取ろうとしました。

私的・「ファミリア」のテーゼ

 私がこの映画から感じたテーゼは、自分の意思とは別のところで暴力に巻き込まれたらどうする?ということです。

 吉沢亮くらい、頭が良くて英語が堪能で、大企業で働いて、難民の女性のやさしさに惚れてを妻にするほど外国人に心を開いている青年が、ある日暴力に巻き込まれて人生を終える。

 何があれば吉沢亮は死ななくて済んだんだ??それを役所広司が身をもって示していたように思います。

 少なくとも私は、暴力から守ってくれる公権力、警察という暴力があることの安心を感じました。例え理由がなければ動いてくれない、使いづらい暴力であっても、これがなかったらマルコスとエリカは助けられなかったからです。

 暴力に抗うには、結局のところ暴力が必要……その現実を痛いほど突きつけられた作品でした。過去の人種間のいざこざ、それによって生まれた憎しみにより、理不尽に行われる暴力、怖すぎましたもん。私は笑われながら殺されたくないです。

 ヤクザや半グレ集団って、漫画やアニメでは愛らしいところもあり、親しみを感じられる描写がされますが、現実は違うよ。漫画やアニメのヤクザや半グレのイメージで近づくな?と言われている気がします。

 大変学びになりました。家族や恋人同士で楽しめるような映画ではないですが、作家を目指す方であれば、一度見ることをおすすめします。アニメや漫画だけでは感じられない、暴力の恐ろしさを改めて考えることができます。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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